建設業界のホワイト企業の見分け方|技能の段階と社会保険の見方

建設の仕事に就くとき、あるいは別の会社へ移ろうと考えるとき、まず気になるのが「働きやすい会社をどう見分けるか」という点ではないでしょうか。

建設の仕事は、住宅から土木の構造物まで扱う対象が幅広く、担当する工程や会社の立ち位置によって働き方が大きく変わります。現場ごとに顔ぶれが変わることも多く、求人票に並んだ条件だけでは実態がつかみにくいという事情もあります。

この記事では、働きやすい会社に共通する特徴と、その特徴を国が用意している制度や公的なデータで確認する具体的な方法について、就活キャリア研究所の視点で整理しました。

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目次

建設業界で働きやすい会社を探すのが難しい理由

会社選びに入る前に、この分野が置かれている状況を押さえておくと、求人票の読み方が変わってきます。

労働時間と休日数が業界全体の課題になっている

国土交通省は、建設業について「他産業と比較して労働時間が長く、休日数が少ないことが課題となっています」と説明しています(国土交通省)裏を返せば、この課題にどこまで手をつけているかが会社ごとの差になって表れる時期だということです。

働き方の選択肢を広げる方針が示されている

同じページでは、令和8年度から多様な働き方の実現に向けた支援に軸足を置くとされ、これまでの週休2日としての働き方のほか、気候を踏まえた働き方、変形労働時間制を適用した柔軟な働き方、担い手の多様化に合わせた働き方などを支援していく方針が示されています(国土交通省)。応募先がこうした流れにどう対応しているかは、確かめておきたい点です。

求人票の条件だけでは実態が読み取りにくい

年間休日数や月給の欄は、あくまで会社が示した条件です。現場が動いている期間の休日の取り方や、技能をどう評価してもらえるのかまでは書かれていないことがほとんどです。だからこそ、公表されている制度やデータをたどって裏側を確かめる作業が意味を持ちます。

建設業界のホワイト企業に共通する特徴

建設の会社を見極める4つの視点(能力評価・社会保険・休日の考え方・手当の内訳)を示すインフォグラフィック

求人票や面接だけでは判断しづらい会社の実態も、いくつかの共通したチェックポイントに注目すると見えてきます。ここでは代表的な特徴を整理します。

  1. 技能の評価の仕組みを導入している
  2. 社会保険にきちんと加入している
  3. 週休二日など休日の考え方を説明できる
  4. 給与に含まれる手当の内訳が分かる
  5. 資格取得や教育の支援がある
  6. 面接での質問に具体的な回答が返ってくる

技能の評価の仕組みを導入している

国土交通省の資料によると、建設キャリアアップシステムの能力評価はレベル1からレベル4までの4段階で行われます。目安として、レベル1は初級技能者(見習いの技能者)、レベル2は中堅技能者(一人前の技能者)、レベル3は職長として現場に従事できる技能者、レベル4は高度なマネジメント能力を有する技能者とされています(国土交通省)この仕組みを取り入れている会社であれば、経験や資格が客観的な段階として積み上がり、次にどこを目指せばよいかが見えやすくなります。

社会保険にきちんと加入している

国土交通省の公共事業労務費調査(令和6年10月調査)では、社会保険の加入割合は企業単位で99.0%、労働者単位で95%と公表されています(国土交通省)企業としては加入していても、働く一人ひとりの単位で見ると数字が下がる点に注意が必要です。雇用の形と保険の適用がどうなるのかは、応募の段階で書面で確認しておきたいところです。

休日の考え方を具体的に説明できる

週休二日をどう実現しているのか、現場が動いている期間はどう調整しているのかを、面接で具体的に尋ねてみましょう。国が多様な働き方を後押しする方針を示している時期であり、会社としてどの形を採っているのかを説明できるかどうかは、取り組みが実務に落ちているかの目安になります。

給与に含まれる手当の内訳が分かる

基本給に一定時間分の残業代や現場ごとの手当を含めて総額を提示する形は珍しくありません。何が含まれているのか、超えた分は別途支払われるのかを確かめておくと、実際に手元に残る金額を見積もりやすくなります。

公的なデータで会社を確かめる具体的な方法

建設会社の事務所でノートパソコンの技能評価の資料を見ながら手帳に書き込む作業着姿の担当者のイラスト

気になる会社が見つかったら、応募する前に公開されている情報をたどっておくと判断材料が増えます。次の3つのステップで確認してみてください。

STEP1

国土交通省の建設業者・宅建業者等企業情報検索システムで、会社が建設業の許可を受けているかを確認します(国土交通省)。許可を受けている業種を調べられるため、募集内容と実際の事業範囲が合っているかを照らし合わせられます。

STEP2

国土交通省のネガティブ情報等検索サイトで、監督処分の履歴が公表されていないかを確認します(国土交通省)。処分を受けた事実があるからといって直ちに避ける必要はありませんが、その内容と時期を面接で確かめる材料になります。

STEP3

厚生労働省の賃金構造基本統計調査で、職種や年齢層ごとの賃金の水準を確かめます(厚生労働省)。提示された金額が世の中の水準からどのあたりに位置するのかを把握しておくと、求人票の金額を落ち着いて評価できます。

会社選びに関するよくある質問

建設キャリアアップシステムの能力評価は何段階ありますか

レベル1からレベル4までの4段階です(国土交通省)。レベル1が見習いにあたる初級技能者、レベル4が高度なマネジメント能力を有する技能者とされています。

建設業の社会保険の加入状況はどのくらいですか

国土交通省の公共事業労務費調査(令和6年10月調査)では、加入割合は企業単位で99.0%、労働者単位で95%と公表されています(国土交通省)。企業単位と労働者単位で数字が違う点に注意しましょう。

建設業は休日が少ないと聞きますが本当ですか

国土交通省は、建設業について他産業と比較して労働時間が長く、休日数が少ないことが課題だと説明しています(国土交通省)。ただし会社ごとの差は大きいため、応募先がどう取り組んでいるかを個別に確かめることが大切です。

会社の処分歴はどこで調べられますか

国土交通省のネガティブ情報等検索サイトで、建設業者に対する監督処分の情報を調べられます(国土交通省)。許可の内容そのものは企業情報検索システムで確認できます(国土交通省)

条件の見た目より「確かめられる事実」で選ぼう

建設業界の会社選びでは、年間休日数や月給といった目に見える条件につい目が向きがちです。ただ、実際の働きやすさを左右するのは、技能をどう評価してもらえるかや保険の適用といった、求人票に書かれていない部分です。

公開されている事実は、誰でも同じ手順でたどれます。求人票の印象だけで決めてしまう前に、こうした事実を一つずつ確かめ、自分が続けられる働き方に近い会社を見極めていきましょう。

この記事の著者情報

株式会社ネット風評被害対策 代表取締役 内村淳

ネット風評被害対策の専門家として15年以上の実績を持つ。
風評被害誹謗中傷対策・サジェスト対策・逆SEO対策・SNS炎上対応など、企業のWebリスク解決を累計10,000社以上支援。
ネット誹謗中傷対策に特化した法律事務所に1年間従事し、法的観点からの対応知見を習得。IT技術と法的アプローチの双方に携わってきた経験を持つ。
あらゆるネット風評被害対策支援に加え、企業向けコンサルティングや同業他社へのサービス提供も行う。
現在、日々進化するAI検索エンジンのアルゴリズムを徹底解析し、AI検索時代に適応した次世代の風評対策に注力している。

著書: 『AI時代のネット風評被害対策』(Kindle出版) ↗

発信活動: ネット風評被害対策に関する情報をnoteでも発信しています。 note ↗

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