建設コンサルタント業界の大手企業ランキング|売上高と得意分野で見る

「建設コンサルタントの大手なら日本工営」。そう考えて業界研究を始める人もいるでしょう。ところが日本工営を傘下に持つID&Eホールディングスは、2025年5月13日に上場を廃止しています。上場企業が毎年提出する有価証券報告書の数字で大手を比べるなら、日本工営のグループは比べる対象から外れます。

2026年10月10日時点で上場している建設コンサルタントを、その時点で最新の有価証券報告書の連結売上高で並べると、1位は建設技術研究所の1,010億円(2025年12月期)です。2位はオリエンタルコンサルタンツホールディングスの953億円(2025年9月期)、3位は応用地質の762億円(2025年12月期)と続きます。決算期が会社ごとに違い、平均年間給与には持株会社の数字も混ざるため、順位と年収は分けて読む必要があります。

本記事では、上場している建設コンサルタントのうち上位10社の売上高・従業員数・平均年間給与を有価証券報告書の原文から並べ、数字の読み方と自分で確かめる手順まで、就活キャリア研究所の視点で順を追ってお伝えします。

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目次

建設コンサルタント業界の大手企業ランキング上位10社

上場している建設コンサルタントを連結売上高の大きい順に並べると、上位10社は次のとおりです。数字は、2026年10月10日時点で最新の各社の有価証券報告書にある「主要な経営指標等の推移」の連結売上高で、億円未満を切り捨てています。

  1. 建設技術研究所:1,010億円(2025年12月期)
  2. オリエンタルコンサルタンツホールディングス:953億円(2025年9月期)
  3. 応用地質:762億円(2025年12月期)
  4. E・Jホールディングス:465億円(2026年5月期)
  5. 人・夢・技術グループ:459億円(2025年9月期)
  6. アジア航測:415億円(2025年9月期)
  7. NJS:248億円(2025年12月期)
  8. いであ:246億円(2025年12月期)
  9. 日水コン:244億円(2025年12月期)
  10. オオバ:170億円(2026年5月期)

対象には、有価証券報告書の「事業の内容」で、建設コンサルタント業務や、道路・河川・上下水道などの社会資本の調査・計画・設計を主な事業としている上場企業と、その持株会社を選びました。上場しているかどうかは2026年10月10日時点の情報で、上位10社の決算期は2025年9月期から2026年5月期までが混ざっています。

11位以下には、ウエスコホールディングスの161億円(2025年7月期)(ウエスコホールディングス有価証券報告書)、川崎地質の127億円(2025年11月期)(川崎地質有価証券報告書)、オリジナル設計の85億円(2025年12月期)が続きます(オリジナル設計有価証券報告書)。

売上高900億円を超える2社

建設技術研究所とオリエンタルコンサルタンツホールディングスは、どちらも連結売上高が900億円を超え、3位以下を引き離しています。

建設技術研究所は、河川、ダム、道路、環境、情報などの社会資本整備に関する建設コンサルタント業を営む会社で、2025年12月期の連結子会社は25社です。事業は国内建設コンサルティング事業と海外建設コンサルティング事業に分かれ、連結の従業員数は4,087人です(建設技術研究所有価証券報告書)。

オリエンタルコンサルタンツホールディングスは、連結子会社16社などでグループを構成する純粋持株会社です。報告書では、グループは建設コンサルタント事業をコアとしていると説明されています。事業はインフラ・マネジメントサービス事業、環境マネジメント事業、その他事業に分かれ、連結の従業員数は3,635人です(オリエンタルコンサルタンツホールディングス有価証券報告書)。

売上高400億〜700億円台の4社

3位から6位の4社は、連結売上高が400億円台から700億円台に並び、会社の成り立ちがそれぞれ違います。

応用地質は1957年に地質調査を業とする会社として設立され、1965年に建設コンサルタント登録の認可を得ています。事業は防災・インフラ、環境・エネルギー、国際の3つで、連結の従業員数は2,718人です(応用地質有価証券報告書)。E・Jホールディングスは純粋持株会社で、子会社の株式会社エイト日本技術開発が総合建設コンサルタント事業の全般を担っています。連結の従業員数は2,144人です(E・Jホールディングス有価証券報告書)。

人・夢・技術グループは、2021年10月に株式会社長大が単独株式移転で設立した持株会社で、長大や基礎地盤コンサルタンツを傘下に持ちます。長大の株式は2021年9月に上場廃止となり、翌10月に人・夢・技術グループの株式が上場しました(人・夢・技術グループ有価証券報告書)。アジア航測は1954年にアジア航空測量株式会社として設立された会社で、事業を空間情報コンサルタント事業の単一セグメントとしています(アジア航測有価証券報告書)。

売上高100億〜200億円台の4社

7位から10位の4社は、連結売上高が100億円台から200億円台です。7位から9位の3社は売上高がほぼ並び、いずれも水や環境の分野を事業の柱にしています。

NJSは、国内と海外の上水道、下水道、環境などに関する業務を主な事業としています(NJS有価証券報告書)。いであは、環境コンサルタント事業と建設コンサルタント事業に、情報システム事業、海外事業、不動産事業を加えた5つの事業を持っています(いであ有価証券報告書)。日水コンは、上下水道を中心とした水に関する事業に特化して1959年に設立された会社で、2024年10月に東京証券取引所スタンダード市場に上場しました(日水コン有価証券報告書)。

オオバは、総合建設コンサルタント業として、地理空間情報、環境、まちづくり、設計、事業ソリューションの5つの業務を営んでいます。2026年5月31日現在の連結の従業員数535人のうち、まちづくり業務部門が212人と最も多くなっています(オオバ有価証券報告書)。

建設コンサルタントのランキングが分かりにくい3つの理由

建設コンサルタントのランキングが一覧ごとに食い違うのは、上場の有無、会社ごとの得意な部門、決算期と年収の範囲の3つがそろっていないからです。

上場していない大手があるから

日本工営株式会社は、2023年7月3日に単独株式移転でID&Eホールディングスを設立し、その傘下に入りました(ID&Eホールディングス有価証券報告書)。そのID&Eホールディングスの株式は、2025年5月13日をもって上場廃止となっています(ID&Eホールディングス)。この記事は上場企業の有価証券報告書の数字で並べているため、日本工営のグループは順位に入れていません。

上場している建設コンサルタントは十数社で、業界全体から見れば一握りです。国土交通省の集計では、建設コンサルタント登録規程に基づく登録業者は令和7年度末(2026年3月31日)現在で3,917業者あり、資本金1億円以上の業者でも335業者、全体の8.6%です(国土交通省)。上場の有無をどう扱うかで、一覧の顔ぶれは大きく変わります。

得意な部門が会社ごとに違うから

建設コンサルタントの登録は、河川、砂防及び海岸・海洋部門や道路部門、下水道部門、地質部門といった部門ごとに行われ、1つの業者が最大21部門に登録できます。令和7年度末現在、1部門だけに登録している業者は1,783業者で全体の45.5%を占め、部門別では道路部門の1,759業者が最も多くなっています(国土交通省)。

上場企業の間にも同じ違いがあります。日水コンとNJSは上下水道を、いであは環境を事業の柱に掲げ、応用地質は地質調査の会社として設立されています。売上高の順位が近くても、担当する社会資本の種類が違えば、入社後に携わる仕事はまるで別物になります。

決算期と年収の範囲がそろっていないから

上位10社の決算の締めの月は、9月末、12月末、5月末の3通りに分かれています。2025年9月期のオリエンタルコンサルタンツホールディングスと、2026年5月期のE・Jホールディングスでは、比べている1年間が8か月ずれます。

平均年間給与の範囲もそろっていません。純粋持株会社であるオリエンタルコンサルタンツホールディングスの数字は12人の平均で706万8,000円、E・Jホールディングスは23人の平均で901万5,541円です。E・Jホールディングスの報告書には、従業員数が最も多い株式会社エイト日本技術開発の数字も載っており、1,224人の平均で837万9,716円です(E・Jホールディングス有価証券報告書)。

川崎地質のように、平均年間給与を期末に在籍する正社員だけで計算していると注記している会社もあります(川崎地質有価証券報告書)。同じ「平均年間給与」の欄でも、誰の平均なのかは注記を読むまで分かりません。

建設コンサルタント大手を見比べる4つの視点

建設コンサル大手を見比べる4つの視点を示した図(事業の区分・海外の比重・売上の推移・平均年齢)

建設コンサルタント大手の違いは、売上高の順位よりも、次の4つを有価証券報告書で見比べると見えてきます。4つとも同じ報告書の中で確かめられます。

  1. 事業の区分:どの事業に人が多いかを見る
  2. 海外の比重:海外の事業で働く人数を見る
  3. 売上の推移:5期分の増減を見る
  4. 平均年齢:年収と勤続年数を合わせて見る

事業の区分ごとの従業員数

事業の区分ごとの従業員数を見ると、同じ建設コンサルタントでもどの仕事に人を置いているかが分かります。オリエンタルコンサルタンツホールディングスの連結3,635人のうち、インフラ・マネジメントサービス事業が3,025人、環境マネジメント事業が375人です(オリエンタルコンサルタンツホールディングス有価証券報告書)。

いであは部門ごとの人数まで記載しており、連結1,105人のうち、環境コンサルタント事業の6部門が計556人、河川、水工、道路、橋梁からなる建設コンサルタント事業の4部門が計255人です(いであ有価証券報告書)。社名に「建設」が付かない会社でも、建設分野の部門で働く人が数百人いることが、この欄から読み取れます。

海外の事業で働く人数

海外の仕事に関わりたい人は、海外の事業区分の人数を確かめてください。建設技術研究所は、連結4,087人のうち海外建設コンサルティング事業が1,286人で、約3割を占めます(建設技術研究所有価証券報告書)。NJSは連結1,471人のうち海外業務が502人です(NJS有価証券報告書)。

応用地質は連結2,718人のうち国際事業が474人です(応用地質有価証券報告書)。海外の区分に数えられた人が日本の会社の社員か、海外の子会社の社員かは、この欄だけでは分かりません。日本から海外の仕事にどう関わるかは、面接で配属の例を尋ねて確かめましょう。

5期分の売上高の推移

「主要な経営指標等の推移」の5期分を見ると、上位の多くが売上高を伸ばしていることが分かります。建設技術研究所は2021年12月期の744億円から2025年12月期の1,010億円へ、オリエンタルコンサルタンツホールディングスは2021年9月期の683億円から2025年9月期の953億円へ増えました。応用地質も、2021年12月期の516億円から2025年12月期の762億円に伸びています。

一方で、オオバは2025年5月期の180億円から2026年5月期は170億円に減っています(オオバ有価証券報告書)。1期だけの数字で判断せず、5期の並びで伸び方を確かめてください。

平均年齢と平均勤続年数

平均年間給与は、平均年齢や平均勤続年数とあわせて読むと意味が変わります。2025年12月31日現在の提出会社の数字を3社で比べると、次のとおりです。建設技術研究所は42.22歳・12.31年で970万1,719円、日水コンは41.7歳・13.5年で877万3,415円、応用地質は45.4歳・17.1年で723万4,218円です。

応用地質は3社の中で平均年齢が最も高く、勤続年数も最も長い一方で、平均年間給与は最も低くなっています。年収の差は年齢だけでは説明できないので、職種の構成や給与制度を、説明会や面接で具体的に尋ねてみてください。

有価証券報告書で建設コンサルタントを確かめる手順

建設コンサルタント業界の大手企業ランキングについて公開されている情報を確かめている場面のイラスト

この記事の数字は、金融庁のEDINETで誰でも同じ報告書を開いて確かめられます。次の3つの手順でたどってください。

STEP1

金融庁のEDINETで会社名を入れて書類を検索し、書類の種類が「有価証券報告書」で、事業年度が最も新しいものを開きます(金融庁)。同じ事業年度の「有価証券報告書の訂正報告書」が出ていれば、訂正された箇所もあわせて確かめます。

STEP2

「第一部 企業情報」の「主要な経営指標等の推移」で、連結経営指標等の売上高、従業員数、決算年月を5期分確かめます。すぐ下に提出会社の経営指標等が続くため、連結の表と取り違えないようにしてください。

STEP3

「従業員の状況」で、提出会社の従業員数、平均年齢、平均勤続年数、平均年間給与と、その注記を確かめます。持株会社の報告書では、「最大人員会社の状況」に従業員数が最も多い子会社の数字が載っていることがあります。

訂正報告書の例を挙げると、建設技術研究所は2026年4月7日に第63期の有価証券報告書の訂正報告書を提出しています。訂正されたのは主要な経営指標等の推移にある第62期の株価収益率で、売上高と従業員数は訂正の前後で変わっていません(建設技術研究所訂正報告書)。

業界全体の登録業者数は、国土交通省が毎年度末の3月31日現在で集計し、「建設関連業者の登録状況」のページで公表しています(国土交通省)。資本金の階層別や都道府県別の業者数も載っているので、志望する地域の会社の数を知りたいときに使えます。

建設コンサルタントの大手企業でよくある質問

建設コンサルタントの大手企業について、就職活動で出やすい4つの疑問に、有価証券報告書と国の集計で答えます。

売上高が一番大きい上場の建設コンサルタントはどこですか

建設技術研究所です。2025年12月期の連結売上高は1,010億円で、2位のオリエンタルコンサルタンツホールディングスは2025年9月期に953億円です(建設技術研究所有価証券報告書)。2社は決算期が3か月ずれているため、次の報告書が出ると差が変わることがあります。

日本工営はなぜこのランキングに入っていないのですか

日本工営の親会社であるID&Eホールディングスの株式が、2025年5月13日をもって上場廃止となったためです(ID&Eホールディングス)。この記事は上場企業の有価証券報告書で並べているため、順位に入れていません。

建設コンサルタントの会社はいくつありますか

国土交通省の集計では、建設コンサルタント登録規程に基づく登録業者は令和7年度末現在で3,917業者です(国土交通省)。業界団体の建設コンサルタンツ協会の会員数は、令和8年9月30日現在で521社です(建設コンサルタンツ協会)。

平均年収が最も高いのはどの会社ですか

上位10社の提出会社の平均年間給与では、建設技術研究所の970万1,719円が最も高い数字です。対象は2025年12月31日現在の2,263人です(建設技術研究所有価証券報告書)。2番目のE・Jホールディングスの901万5,541円は持株会社23人の平均なので、事業会社の数字とは分けて見てください。

上場の有無と決算期をそろえて比べよう

建設コンサルタント業界の大手企業を上場企業の連結売上高で並べると、建設技術研究所とオリエンタルコンサルタンツホールディングスが900億円を超えて並び、応用地質が続きます。日本工営のグループは2025年に上場を廃止しており、有価証券報告書の数字で並べる一覧には入りません。

順位の次に見たいのは、会社ごとの得意な部門と、平均年間給与が誰の平均なのかです。気になる会社の有価証券報告書を開き、決算期と数字の範囲をそろえたうえで比べてみてください。

この記事の著者情報

株式会社ネット風評被害対策 代表取締役 内村淳

ネット風評被害対策の専門家として15年以上の実績を持つ。
風評被害誹謗中傷対策・サジェスト対策・逆SEO対策・SNS炎上対応など、企業のWebリスク解決を累計10,000社以上支援。
ネット誹謗中傷対策に特化した法律事務所に1年間従事し、法的観点からの対応知見を習得。IT技術と法的アプローチの双方に携わってきた経験を持つ。
あらゆるネット風評被害対策支援に加え、企業向けコンサルティングや同業他社へのサービス提供も行う。
現在、日々進化するAI検索エンジンのアルゴリズムを徹底解析し、AI検索時代に適応した次世代の風評対策に注力している。

著書: 『AI時代のネット風評被害対策』(Kindle出版) ↗

発信活動: ネット風評被害対策に関する情報をnoteでも発信しています。 note ↗

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