感銘を受けるの意味と使い方|志望動機の例文と言い換え表現

志望動機やエントリーシートを書いていて、「感銘を受けました」という一文をつい使ってしまう方は多いのではないでしょうか。丁寧で使いやすい言葉である反面、書き方次第では採用担当者にありきたりな印象を与えてしまうこともあります。

この記事では「感銘を受ける」の正しい意味と、感動や共感との違いを整理したうえで、志望動機や面接、内定後のお礼メールといった就活の具体的な場面での使い方、言い換え表現、避けたい注意点まで解説します。言葉の意味を正確に理解し、自分の体験に基づいた一文に落とし込む方法を身につけていきましょう。

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目次

「感銘を受ける」の意味とは

「感銘を受ける」は、物事や人の言動によって心に深く刻まれるような強い印象を受けることを意味します。一時的な感情の高まりというよりも、その後の考え方や行動に影響を与えるほどの強い印象を指す点が特徴です。

「感銘」という言葉の成り立ち

「感銘」は「感」と「銘」という二つの漢字からできています。「銘」は本来、金属や石に文字を刻み込むことを意味する字で、簡単には消えない痕跡を表します。「感銘を受ける」という言葉に、単なる感情の動きではなく記憶に深く刻まれるほどの印象という意味合いが含まれているのは、この「銘」という漢字の性質によるところが大きいといえます。

たとえば、著名な経営者の講演を聞いて仕事に対する姿勢が変わった、先輩社員の対応を見て働き方の理想像が具体的になったといった経験は、「感銘を受けた」と表現するにふさわしい場面です。

「感動する」「共感する」との違い

「感動する」は映画や音楽、スポーツの試合など、対象を問わず心が動かされたときに幅広く使える言葉です。一方「感銘を受ける」は、相手の姿勢や考え方、実績など、ある程度の重みを持つ内容に対して使われることが多く、軽い驚きや一時的な高揚感を表すのには向きません。

「共感する」は相手の考えや感情に自分も同じように感じられるという、対等な立場での一致を表す言葉です。これに対して「感銘を受ける」は、自分にはなかった視点や行動力を相手から一方的に受け取り、心を動かされたというニュアンスが強くなります。就活の場面で使う際は、「共感しました」よりも一段深く、自分の考え方に影響を与えられたことを伝えたいときに選ぶとよいでしょう。

似た言葉に「感心する」がありますが、こちらは相手の技術や気配りなど、部分的な行動に対して「よくできている」と評価するニュアンスが中心です。「感銘を受ける」はそれよりも対象が大きく、相手の姿勢や生き方そのものに影響を受けたときに使う言葉だと捉えると、使い分けに迷いにくくなります。

志望動機やESで使うときに気をつけたいこと

「感銘を受ける」が伝わる文の分かれ目を示す図解。NGな書き方(抽象的・根拠なし・使い回し感)と伝わる書き方(具体的事実・自分の解釈・行動の言及)を対比

「感銘を受ける」は丁寧な言葉ですが、志望動機やエントリーシートでは使い方次第で評価を下げてしまう場合があります。ここでは、この表現が持つ落とし穴と、具体性を足すための考え方を紹介します。

「感銘を受けました」だけで終わると何が起こるか

「貴社の企業理念に感銘を受けました」という一文だけで志望動機を締めくくってしまうと、採用担当者には何に、どのように感銘を受けたのかが伝わりません。多くの応募者が似たような言い回しを使うため、具体的な裏付けがない文章はどの企業にも当てはめられる使い回しの文章に見えてしまいます。

企業名を入れ替えるだけで成立してしまう志望動機は、読み手にその企業でなければならない理由が伝わりません。これは「感銘を受ける」という言葉自体の問題ではなく、感銘を受けた対象や理由が具体的に書かれていないことが原因です。

具体性を足すための3つの視点

「感銘を受けました」の説得力を高めるには、次の3つの視点を順番に押さえると文章が組み立てやすくなります。

STEP1

出来事の特定
何を見て、読んで、聞いて感銘を受けたのかを、具体的な出来事や発言まで絞り込みます。「経営理念」ではなく、経営者インタビューの中の具体的な一言や、決算資料に書かれた事業方針など、実際に触れた情報源まで特定することが重要です。

STEP2

感じた理由の言語化
なぜその出来事が自分の心を動かしたのかを、自分の過去の経験や価値観と結びつけて説明します。ここが抜けると、単なる感想文で終わってしまいます。

STEP3

今後の行動への接続
その感銘が、入社後にどのような形で自分の行動につながるのかを一文加えます。感銘を受けたで終わらせず、その先の貢献意欲まで書くことで説得力が増します。

抽象的な理念への共感ではなく、具体的な事実を一つ挙げるだけでも、文章全体の説得力は大きく変わります

実際にNG例とOK例を比べると、違いがつかみやすくなります。「貴社の企業理念に感銘を受けました。ぜひ貴社で働きたいです。」という一文は、理念の何に触れたのかが書かれていないため、どの企業にも当てはまってしまいます。一方で「説明会で伺った、若手一人ひとりに裁量を持たせるという具体的な方針に感銘を受けました。前職での経験を活かし、早期に成果を出せるよう努めます。」であれば、感銘を受けた出来事と入社後の行動が一文の中でつながっており、その企業だからこそ書ける志望動機になります。

場面別の例文で使い方を確認する

大学生が自室の机でノートパソコンとノートを広げ、志望動機を考えている様子のイラスト

「感銘を受ける」は使う場面によって、丁寧さの度合いや文の締めくくり方を調整する必要があります。ここでは志望動機、面接、内定後のお礼メールという3つの場面に分けて、それぞれの例文を紹介します。

  1. 志望動機・エントリーシート
  2. 面接での回答
  3. 内定後のお礼メール

志望動機・エントリーシートの例文

書き言葉であるエントリーシートでは、感銘を受けた出来事と、その後の行動への接続までを一つの段落にまとめる書き方が適しています。

「貴社の採用ページで公開されている現場社員のインタビューを読み、専門知識のない顧客にも粘り強く説明を重ねる姿勢に感銘を受けました。前職の窓口業務で培った、相手の理解度に合わせて説明を調整する力を、貴社の顧客対応の現場で発揮していきたいと考えています。」

面接での回答例文

面接では書き言葉よりもやや柔らかい言い回しにし、聞き手が情景を思い浮かべやすい話し方を意識します。

「説明会で伺った、若手にも早い段階から裁量を持たせるという方針に感銘を受けました。前職では意見を出す機会が限られていたため、自分の考えを形にできる環境で挑戦したいと思い、志望いたしました。」

内定後のお礼メールでの例文

内定後のお礼メールでは、選考を通じて感じたことを振り返りながら、入社への意欲を伝える文章に「感銘を受ける」を使うと自然にまとまります。

「選考を通じて、面接官の皆様が候補者一人ひとりの経歴に丁寧に向き合ってくださる姿勢に感銘を受けました。この度は内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。」

言い換え・類語表現のバリエーション

「感銘を受ける」を繰り返し使うと単調な印象になるため、場面や感情の強さに応じて言い換えを使い分けると文章に厚みが出ます。

フォーマルな場で使いやすい言い換え

書き言葉として無難に使えるのは、深い感銘を受けました強く心を打たれました深く感動いたしましたといった表現です。いずれも「感銘を受ける」と同程度の重みを持ちながら、語尾や助詞を変えることで文章のリズムを整えられます。

感情の強さで使い分ける言い換え

感情の強さによって言葉を選び分けると、文章全体に抑揚がつきます。軽めの印象を伝えたい場合は興味深く感じました心惹かれましたが適しており、より強い印象を伝えたい場合は胸を打たれました強い感銘を受けましたが候補になります。同じ段落の中で似た表現を繰り返すと単調になるため、直前の文で使った言葉を避けながら選ぶとよいでしょう。

使う際に避けたい表現・注意点

「感銘を受ける」を使うときは、次の点に注意すると失敗を避けられます。

まず、「とても感銘を受けました」のように強調語を重ねる書き方です。「感銘」という言葉自体に強い印象という意味が含まれているため、「とても」を重ねると意味が重複して冗長な印象になります。程度を伝えたい場合は、「深く」や「強く」といった一語を添える程度にとどめると自然です。

次に、複数の企業に提出する書類で同じ体験談を使い回すことです。感銘を受けた出来事は、その企業の情報を基にした固有のエピソードであるはずなので、使い回しが利く内容になっている時点で具体性が不足しているサインといえます。

最後に、目上の人に対して使う場合の注意点です。「感銘を受ける」は自分が影響を受けたことを述べる表現であり、相手を評価する言葉ではないため、上司や面接官に対して使っても失礼にはあたりません。ただし、社交辞令のように多用すると軽く聞こえてしまうため、本当に印象に残った場面に絞って使うことが大切です。

また、「感銘を受ける」はあらたまった書き言葉に寄った表現であるため、友人との会話など砕けた場で使うと大げさに聞こえることがあります。日常会話では「感動した」で十分伝わる場面が多く、志望動機や面接、ビジネスメールといったフォーマルな場面で使う言葉として覚えておくと使い分けやすくなります。

英語で伝えたいときの表現

海外の企業とやり取りする場面や英語の職務経歴書では、「I was deeply impressed by」「I was truly moved by」という言い回しが「感銘を受ける」に近いニュアンスになります。日本語と同様に、後ろに感銘を受けた対象を具体的な名詞で補うことで、説得力のある文章になります。

「感銘を受ける」に関するよくある質問

「感銘を受けました」は目上の人に使っても失礼になりませんか

失礼にはあたりません。「感銘を受ける」は自分が影響を受けたことを伝える表現であり、相手を評価したり判断したりする言葉ではないため、上司や面接官に対しても問題なく使えます。ただし使いすぎると社交辞令のように聞こえるため、本当に印象に残った場面で使うことをおすすめします。

「感銘を受ける」と「感動する」はどちらがビジネス向きですか

どちらもビジネスシーンで使えますが、ニュアンスが異なります。「感動する」は幅広い場面で使える一般的な表現であるのに対し、「感銘を受ける」は相手の考え方や実績など、ある程度重みのある内容に対して使われることが多く、志望動機や面接など改まった場面ではより適した表現といえます。

志望動機で「感銘を受けました」と書くと評価が下がりますか

言葉そのものが評価を下げるわけではありません。評価が下がるのは、感銘を受けた理由や具体的な出来事が書かれておらず、どの企業にも使い回せる文章になっている場合です。何に、なぜ感銘を受けたのかを具体的に書き添えれば、説得力のある志望動機として評価される表現です。

「感銘を受けました」と「感銘を受けております」はどう使い分けますか

「感銘を受けました」は、面接や説明会など特定の出来事によって感銘を受けたことを伝える表現です。一方「感銘を受けております」は、以前からその企業の姿勢や取り組みに関心を持ち、継続的に敬意を抱いている状態を表します。選考の中で得た具体的な出来事を語るなら「受けました」、以前から注目していた企業への思いを伝えるなら「受けております」を選ぶと、伝えたい内容に合った表現になります。

「感銘を受ける」は、正しい意味を理解し、感銘を受けた出来事と理由を具体的に書き添えるだけで、説得力の伴う言葉に変わります。志望動機や面接で使う際は、今回紹介した3つの視点や例文を参考に、自分の体験に基づいた一文に仕上げてみてください。

この記事の著者情報

株式会社ネット風評被害対策 代表取締役 内村淳

ネット風評被害対策の専門家として15年以上の実績を持つ。
風評被害誹謗中傷対策・サジェスト対策・逆SEO対策・SNS炎上対応など、企業のWebリスク解決を累計10,000社以上支援。
ネット誹謗中傷対策に特化した法律事務所に1年間従事し、法的観点からの対応知見を習得。IT技術と法的アプローチの双方に携わってきた経験を持つ。
あらゆるネット風評被害対策支援に加え、企業向けコンサルティングや同業他社へのサービス提供も行う。
現在、日々進化するAI検索エンジンのアルゴリズムを徹底解析し、AI検索時代に適応した次世代の風評対策に注力している。

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