法律関係の仕事の全体像と種類|資格の有無で選ぶキャリアの築き方

就職活動で「法律関係の仕事」と聞くと、多くの人がまず弁護士を思い浮かべます。ですが実際に業界を調べてみると、司法試験合格が必須の仕事もあれば、資格なしで挑戦できる仕事もあり、想像していたよりもずっと幅の広い選択肢が並んでいることに気づくはずです。

就活キャリア研究所では、法律関係の仕事を「資格の有無」という一本の軸で整理し、それぞれの仕事内容や就くまでの道のり、向いている人の特徴までをまとめました。法学部の学生はもちろん、法律の知識をキャリアに活かしたいと考えている方の企業研究・進路検討に役立ててください。

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目次

法律関係の仕事は資格の有無で4つに分けられる

法律関係の仕事を法曹三者・専門士業・公務員・資格不要の仕事の4つに分類し、資格の要否という軸で整理した図解

法律関係の仕事と一口にいっても、就くために必要な条件はまったく異なります。まずは全体像をつかむために、大きく4つのグループに分けて考えてみましょう。

司法試験合格が必須の「法曹三者」

弁護士・検察官・裁判官は、まとめて「法曹三者」と呼ばれます。いずれも司法試験に合格し、その後の司法修習を修了することが共通の条件です。法律関係の仕事の中では最も難関とされる領域であり、専門性の高さと社会的な責任の重さが直結している点が特徴といえるでしょう。

国家資格を活かす専門士業

司法書士や行政書士、弁理士、社会保険労務士といった仕事は、法曹三者ほどの難易度ではないものの、それぞれ国家資格を必要とする専門職です。企業に勤める道もあれば、資格取得後に独立開業を目指す道もあり、キャリアの自由度が高い点が魅力です。

公務員として法律に関わる仕事

裁判所事務官や検察事務官、法務省の職員などは、国家公務員として法律に関わる働き方です。資格試験ではなく公務員試験に合格することが入口になるため、法曹三者や専門士業とは異なる準備が必要になります。

資格がなくても始められる法律事務

企業の法務部やパラリーガルのように、資格を持たなくても挑戦できる法律関係の仕事も存在します。実務経験を積みながら資格取得を目指すという選択肢があるのは、この領域ならではの利点です。

司法試験に合格して働く法曹三者の仕事

ここからは、先ほど整理した4つのグループを一つずつ詳しく見ていきます。まずは法律関係の仕事の中でも代表格である、法曹三者から確認しましょう。

弁護士

弁護士は、民事事件や刑事事件で依頼者の代理人として活動するほか、契約書のチェックや法律相談など企業活動を支える役割も担っています。企業内で働くインハウスロイヤーという働き方も広がっており、法律事務所に所属する以外のキャリアパスも選びやすくなってきました。

弁護士になるには、法科大学院を修了するか予備試験に合格したうえで司法試験に合格し、その後1年間の司法修習を経て弁護士登録を行う必要があります。資格取得までの道のりが長く、学生時代からの計画的な準備が欠かせない仕事です。

検察官

検察官は、犯罪の捜査や起訴・不起訴の判断を担う国家公務員です。検察庁に所属し、警察から送致された事件を精査したうえで、裁判にかけるかどうかを判断する重い責任を負います。弁護士と同じく司法試験合格と司法修習の修了が必要で、司法修習の成績が任官の可否に関わるとされています。

裁判官

裁判官は、法廷で提出された証拠や主張をもとに判決を下す仕事です。司法修習を終えた後、判事補として任官し、経験を積みながら判事へと進んでいきます。全国の裁判所に配属される仕組み上、転勤を前提としたキャリアになりやすい点も、他の法曹三者とは異なる特徴です。

国家資格を活かして働く専門士業

法曹三者ほどの難関ではないものの、法律関係の仕事には専門性の高い国家資格が数多く存在します。それぞれの仕事内容と資格の特徴を見ていきましょう。

司法書士

司法書士は、不動産登記や商業登記の手続きを代理する専門家です。住宅の売買や会社設立の場面で必ずといっていいほど関わる仕事であり、社会の経済活動を法的な手続き面から支えています。認定司法書士になると、簡易裁判所での訴訟代理も担えるようになり、業務の幅がさらに広がります。

行政書士

行政書士は、官公署に提出する書類の作成や許認可申請の代理を担う仕事です。飲食店の営業許可や建設業の許可申請、会社設立に必要な書類作成など、扱う分野が非常に幅広く、開業後は得意分野を絞って専門性を高めていく人が多い資格でもあります。

弁理士

弁理士は、特許や商標、意匠といった知的財産権の出願手続きを代理する仕事です。発明の技術内容を正確に理解したうえで書類化する必要があるため、理系のバックグラウンドを持つ人が活躍しやすい分野だとされています。企業の知的財産部門でキャリアを積んでから独立するケースも見られます。

社会保険労務士

社会保険労務士は、労働保険や社会保険の手続き代行、就業規則の作成、労務相談など、企業の人事・労務面を法律の側面から支える仕事です。働き方に関する法改正が続く中で、企業からの相談ニーズは根強く、人事部門でのキャリアと親和性の高い資格といえます。

公務員として法律に関わる仕事

資格試験ではなく公務員試験を経て、法律に関わる仕事に就く道もあります。安定した身分のもとで法律実務に触れられる点が、この領域の大きな特徴です。

裁判所事務官・検察事務官

裁判所事務官は、裁判所職員採用試験に合格することで目指せる仕事です。裁判の進行に必要な記録の作成や当事者への連絡など、裁判官を支える実務を幅広く担当します。検察事務官も同様に国家公務員試験を経て採用され、検察官の捜査活動を補助する役割を担います。

法務省や国税庁などの行政職

国家公務員採用試験に合格した後、法務省の矯正・保護関連部門や、国税専門官として国税庁の関連機関で働く道もあります。いずれも法律や制度の運用に直接関わる仕事であり、企業ではなく行政の立場から社会を支えたい人に向いています。

資格がなくても挑戦できる法律関係の仕事

法律事務所でパラリーガルが資料と六法全書を見比べながらメモを取っている様子

ここまで紹介してきた仕事の多くは資格や試験が前提でしたが、法律関係の仕事のすべてがそうではありません。資格がなくても挑戦でき、実務を通じて専門性を磨いていける仕事もあります。

企業の法務部

企業の法務部は、契約書の審査やコンプライアンス対応、社内規程の整備などを担う部門です。弁護士資格がなくても配属される新卒採用のルートがあり、実務の中で契約や法令の知識を身につけながらキャリアを築いていけます。

働きながら資格取得を目指す人も一定数おり、社会保険労務士や行政書士の資格を業務に活かす道も開けています。まず現場で実務経験を積んでから、専門資格の取得を検討するという順序も選択肢の一つです。

パラリーガル(法律事務職員)

パラリーガルは、法律事務所で弁護士の業務を補助する職種です。判例のリサーチや書類作成の補助、依頼者対応など、法律実務の周辺業務を幅広く担当します。資格は必須ではありませんが、法律の知識と正確な事務処理能力が求められる仕事です。

弁護士を目指しながら法律事務所でパラリーガルとして働き、実務経験を積む人もいれば、パラリーガルとしての専門性を高めてキャリアを重ねていく人もいます。資格がない段階から法律の現場に飛び込める貴重な入口だといえるでしょう。

法律関係の仕事に向いている人の特徴

法律関係の仕事は分野によって業務内容が大きく異なりますが、共通して求められる資質もあります。自分の適性を確かめる材料として参考にしてみてください。

まず欠かせないのが、物事を筋道立てて考える論理的な思考力です。法律は条文や判例という「ルール」に基づいて判断を積み重ねる世界であり、感覚や勢いだけで結論を出す姿勢とは相性がよくありません。あわせて、細部を見落とさない几帳面さも重要です。契約書や申請書類は一字一句の解釈が結果を左右することがあり、粗さが許されにくい仕事だからです。

もう一つ見落とされがちなのが、地道な学習を続けられる姿勢です。法律関係の仕事の多くは資格取得や試験合格が前提となるため、短期間の集中力よりも、長期にわたって学習を継続できる粘り強さのほうが結果に直結します。加えて、依頼者や関係者の話を正確に聞き取り、専門用語を分かりやすく説明できるコミュニケーション能力も、実務では欠かせません。

就活生が法律関係の仕事に近づくためのステップ

法律関係の仕事は選択肢が多い分、進め方を整理しないまま情報収集だけを続けてしまいがちです。就職活動の段階でどんな順序で考えればよいか、実践的なステップに落とし込んでみましょう。

STEP1

自分が「法曹三者」「専門士業」「公務員」「資格不要の仕事」のどこに関心があるかを整理します。資格取得までの年数や難易度は領域ごとに大きく異なるため、まずは自分がどの立場で法律に関わりたいかを言語化することが出発点になります。

STEP2

資格取得が前提の仕事を目指す場合は、試験のスケジュールから逆算して学習計画を立てます。在学中に受験するのか、就職後に働きながら目指すのかによって、企業選びの軸そのものが変わってくる点にも注意しましょう。

STEP3

法律事務所のインターンや企業法務部門のインターン、公務員試験の説明会など、実際の現場に触れる機会を探します。書籍やウェブサイトの情報だけでは分からない業務の実感を得ることで、進路の解像度が一段と上がります。

法律関係の仕事によくある質問

法律関係の仕事に就くには法学部でなければなりませんか

必ずしも法学部出身である必要はありません。司法試験は法科大学院修了か予備試験合格が受験資格となるため、法学部以外の出身者でも予備試験のルートで法曹を目指せます。行政書士や社会保険労務士などの国家資格試験にも、出身学部を問う受験資格はありません。

資格がなくても法律関係の仕事に就けますか

就けます。企業の法務部やパラリーガルは資格を必須としない求人が多く、実務経験を積みながら知識を深めていくキャリアが可能です。将来的に専門資格の取得を目指す場合も、こうした仕事を通じて実務感覚を先に身につけておくことは大きな強みになります。

法律関係の仕事は文系と理系どちらが有利ですか

多くの法律関係の仕事は文系出身者が中心ですが、弁理士のように技術内容の理解が求められる分野では理系出身者が力を発揮しやすい傾向があります。自分の得意分野と親和性の高い領域を選ぶという視点も、進路を絞り込むうえで参考になるでしょう。

まとめ

法律関係の仕事は、司法試験合格が必須の法曹三者から、国家資格を活かす専門士業、公務員として関わる道、そして資格がなくても挑戦できる仕事まで、想像以上に幅広い選択肢で構成されています。まずは自分がどの立場で法律に関わりたいのかを整理し、そこから逆算して必要な準備を見極めることが、遠回りを避ける近道になります。

資格取得に時間がかかる仕事も多いからこそ、就職活動の段階で情報を集め、実際の現場に触れておく価値は大きいといえます。この記事で整理した4つの分類を手がかりに、自分に合った法律関係のキャリアを具体的に検討してみてください。

この記事の監修者

株式会社ネット風評被害対策 代表取締役 内村淳

大学卒業後、サッカー選手を経て、大手風評対策会社に入社。
3年半にわたりナショナルクライアントを含む数々の炎上事案・ブランドイメージ毀損対策に従事。
その後、ネット誹謗中傷対策に特化した法律事務所に1年間従事し、法的観点からの対応知見を習得。
IT技術と法的アプローチの双方に携わってきた経験を持つ。
現在は15年以上の経験とノウハウをもとにネット風評被害対策専門会社を設立。あらゆるネット風評被害対策支援に加え、企業向けコンサルティングや同業他社へのサービス提供も行う。
日々進化するAI検索エンジンのアルゴリズムを徹底解析し、AI検索時代に適応した次世代の風評対策に注力している。

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