就職活動を始めると、真っ先に耳にする言葉のひとつが「エントリー」です。企業の採用サイトや就職情報サイトを開けば、いたるところに「エントリーはこちら」というボタンが並んでいます。
ただ、エントリーが具体的に何をする行為なのか、選考への応募とどう違うのかを正確に理解しないまま、とりあえずボタンを押している人も少なくありません。プレエントリーやインターンエントリーなど似た言葉も多く、どこがどう違うのか混乱してしまう場面もあるでしょう。
この記事では、就活における「エントリー」の意味を整理したうえで、プレエントリーやインターンエントリーとの違い、具体的なやり方、気をつけたいポイント、よくある疑問についてまとめました。
「エントリーとは」何を意味するのか
就活における「エントリー」とは、気になる企業に対して興味があるという意思を伝える最初のアクションを指します。エントリーの時点では、まだ選考に参加することが確定しているわけではありません。企業から会社説明会や採用情報の案内を受け取るための入り口、と捉えると理解しやすいでしょう。
この「入り口」という性格を押さえておくと、エントリーと選考を混同しにくくなります。実際の流れとしては、エントリーをしたあとに会社説明会への参加やエントリーシート(ES)の提出を経て、面接などの選考に進んでいくのが一般的です。エントリーはあくまで最初の一歩であり、そこから内定までにはいくつかの段階が控えています。
逆に言えば、エントリーをしたからといって、必ずしもそのまま選考に進まなければならないわけではありません。情報収集の一環として気になる企業に幅広くエントリーしておき、そのうえで実際に選考を受けるかどうかをあとから絞り込んでいく、という使い方もできます。
そもそも英語の「entry」は、入場や記入、参加登録などを意味する言葉です。日本の就活で使われる「エントリー」もこの語源に近く、まずは選考という舞台に上がるための入り口に立つ、という意味合いが強い表現だと考えると理解しやすいでしょう。
エントリーの位置づけがあいまいに感じられるのは、企業側の事情も関係しています。採用担当者としては、いきなり本格的な選考に絞り込むのではなく、まずは幅広く興味を持ってくれた学生とゆるやかにつながっておきたいという狙いがあります。エントリーというゆるやかな入り口を用意しておくことで、学生と企業の双方が過度に身構えずに接点を持てる、という側面もあるのです。
プレエントリー・インターンエントリーとの違い

エントリーという言葉には、プレエントリーやインターンエントリーなど、いくつかの派生表現があります。それぞれが指す内容は少しずつ異なるため、順番に整理していきます。
プレエントリーとは
プレエントリーは、多くの就職情報サイトで使われている用語で、企業の情報を優先的に受け取るための登録を意味します。プレエントリーをした企業からは、説明会の案内や採用情報のメールが届くようになりますが、この段階ではまだ本格的な選考への参加を約束したわけではありません。気になる企業を早めにリストアップし、情報を取りこぼさないための仕組みだと考えるとよいでしょう。
インターンエントリーとは
インターンエントリーは、その名の通りインターンシッププログラムへの参加を申し込むためのエントリーです。就職活動そのものへのエントリーとは目的が異なり、多くの場合は大学3年生の夏や秋など、本格的な就活が始まる前の時期に募集が行われます。インターンシップに参加したからといって、その企業の本選考への優遇が自動的に決まるわけではない点にも注意が必要です。
本エントリーとの関係
プレエントリーやインターンエントリーで情報収集を進めたあと、実際に選考へ進みたいと決めた企業に対して行うのが、いわゆる本エントリーです。本エントリーの段階では、多くの企業でエントリーシートの提出などが同時に求められます。
つまりエントリーという言葉は、使われる場面によって「情報を受け取るための入り口」を指すこともあれば、「選考に進む意思表示」を指すこともあります。どちらの意味で使われているのかを、そのつど確認する姿勢が欠かせません。
エントリーの具体的なやり方

エントリーの方法は、大きく分けて2つのルートがあります。それぞれの特徴を押さえておくと、企業ごとに合った進め方を選びやすくなります。
就職情報サイト経由でエントリーする
ひとつは、就職情報サイトを通じてエントリーする方法です。サイトに会員登録してマイページを作成すると、気になる企業のページに表示されている「エントリー」のボタンから、まとめて情報登録ができるようになります。複数の企業を横断的に比較検討しながら進められる点が、このルートの特徴です。
企業の採用ホームページから直接エントリーする
もうひとつは、企業自身の採用ホームページから直接エントリーする方法です。就職情報サイトには掲載されていない独自の採用ページを持つ企業も多く、志望度の高い企業については、就職情報サイトと合わせて企業サイトも確認しておくと情報の見落としを防げます。企業によっては、独自のIDやパスワードを新たに作成する必要がある点も覚えておきたいところです。
エントリーで気をつけたいポイント
エントリーを進めるうえでは、いくつか意識しておきたい点があります。まずは全体像を押さえておきましょう。
エントリー数は多すぎても少なすぎても良くない
エントリーする企業数を絞りすぎると、それだけ選択肢が狭まり、思わぬところで機会を逃してしまう恐れがあります。一方で、あまりに数を増やしすぎると、一社ごとの企業研究が追いつかなくなり、説明会やESの締め切り管理も難しくなっていきます。自分が無理なく企業研究を続けられる範囲で、エントリー数を調整していく姿勢が求められます。
締め切りや時期を必ず確認する
エントリーの受付期間は、企業ごとに異なります。同じ就職情報サイトに掲載されている企業でも、受付の開始時期や締め切りはまちまちで、気づいたときには受付が終了していた、という事態も起こり得ます。志望度の高い企業については、こまめにページを確認するか、通知機能を活用して締め切りを見逃さないようにしておくと安心です。
重複エントリーや放置しているエントリーに注意する
同じ企業に何度もエントリーを繰り返したり、一度エントリーしたきり案内を確認せず放置したりすると、企業側とのやり取りに支障が出ることもあります。エントリー後に届くメールや案内には、こまめに目を通しておくとよいでしょう。
エントリー管理表をつくっておくと安心
エントリーする企業が増えてくると、どの企業にいつエントリーしたか、締め切りがいつか、といった情報を頭の中だけで管理するのは難しくなっていきます。表計算ソフトやメモアプリなどを使い、企業名・エントリー日・締め切り・現在の状況を一覧化しておくと、締め切りの見落としや連絡漏れを防ぎやすくなるでしょう。この管理表は、そのままエントリーシートの提出状況や面接日程の管理にも流用できるため、就活全体を通して役立つ土台になります。
ここまでのポイントをまとめると、次の4点になります。
- エントリー数は自分が企業研究を続けられる範囲に調整する
- 企業ごとに異なる締め切りをこまめに確認する
- エントリー後に届く案内を放置しない
- 企業名・締め切り・状況を一覧化した管理表をつくる
エントリーに関するよくある疑問
最後に、エントリーに関してよく聞かれる疑問を整理しておきます。
- エントリーとエントリーシート(ES)は同じものですか
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いいえ、エントリーとエントリーシートは別のものです。エントリーは企業への意思表示や情報登録を指すのに対し、エントリーシートは選考に進むために企業へ提出する応募書類を指します。多くの企業では本エントリーのタイミングでエントリーシートの提出もあわせて求めていますが、エントリーそのものにエントリーシートの提出が必ず含まれているわけではありません。
- エントリーしたら必ず選考を受けなければなりませんか
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エントリーをしたからといって、選考への参加が強制されるわけではありません。情報収集のために幅広くエントリーしておき、そのなかから実際に選考を受ける企業を選んでいく進め方も一般的です。ただし、エントリー後に案内が届いているにもかかわらず、返信や辞退の連絡を一切しないままにしておくのは、印象の面でも好ましくないでしょう。
- エントリーはいつから始まりますか
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新卒の就職活動では、大学3年生の3月ごろに採用に関する情報が公開され、それに合わせてエントリーの受付も始まるのが一般的な流れとされています。ただし、この時期はあくまで目安であり、企業や年度によって前後することがあります。インターンエントリーについては、これよりも早い大学3年生の夏ごろから始まるケースが多く見られます。
- 一括エントリーとは何のことですか
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一括エントリーとは、一度の操作で複数の企業に同時にエントリーできる機能を指します。効率よく多くの企業に情報登録できる便利な機能ですが、あまり志望度の高くない企業まで安易に含めてしまうと、あとから届く案内の管理が煩雑になることもあります。一括エントリーを使う際は、対象となる企業の一覧をひとつずつ確認してから登録すると安心です。
まとめ
エントリーとは、気になる企業に対して興味を伝える最初のアクションであり、選考への参加そのものを意味するわけではありません。プレエントリーやインターンエントリー、本エントリーといった言葉が指す内容の違いを理解しておくと、就活全体の流れを見通しやすくなります。
エントリーの方法や締め切り、エントリー数のバランスなど、押さえておきたいポイントは複数ありますが、ひとつずつ整理しながら進めていけば、就活の入り口でつまずくことは少なくなるはずです。

