原動力とは?意味や使い方から就活の面接で伝わる答え方まで

就職活動のエントリーシートや面接では、「あなたの原動力は何ですか」と問われる場面が少なくありません。多くの学生がこの質問に一瞬詰まってしまうのは、言葉の意味自体はなんとなく分かっていても、自分自身の原動力を言葉にした経験がほとんどないからです。

就活キャリア研究所では、原動力という言葉の意味を整理したうえで、自分の原動力を見つける具体的な手順と、ES・面接で伝わる形にまとめる方法を解説します。読み終えるころには、この質問を「答えにくい質問」ではなく「自分を語れる材料」として扱えるようになるはずです。

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目次

原動力とは|意味とビジネス・就活で使われるニュアンス

原動力という言葉は、辞書的な意味とビジネス・就活の場で使われる意味とで、少しニュアンスが異なります。まずは両方を整理しておきましょう。

辞書における原動力の意味

デジタル大辞泉では、原動力について「熱・水力・風力など、機械に運動を起こさせる力」という意味と、「物事の活動のもととなる力」という意味の2つが説明されています(コトバンク「原動力」)。「経済発展の原動力」「優勝の原動力」といった使い方が例に挙げられている通り、後者の「何かを動かすもとになる力」という意味が、日常会話やビジネスの文脈で使われる原動力に当たります。

機械を動かす物理的な力という意味から転じて、人や組織を動かす目に見えない力を指すようになったと理解しておくと、就活の場での使われ方も飲み込みやすくなります。

就活の場で使われる「原動力」のニュアンス

就活のES・面接で使われる原動力は、「なぜ自分はそこまで頑張れるのか」という行動の源になっている考え方や価値観を指すことがほとんどです。目標を達成したときの高揚感かもしれませんし、誰かに感謝されたときの手応えかもしれません。

大切なのは、原動力が特定の一つの出来事ではなく、複数の経験に共通して現れるパターンだという点です。単発のエピソードを語るだけでは、面接官には「その場限りの頑張り」にしか見えず、原動力としての説得力は生まれません。

なぜ面接やESで「原動力」を聞かれるのか

原動力という質問は、志望動機や自己PRに比べて答えにくいと感じる学生が多い一方、企業側にとっては採用の可否を左右するほど重視される質問でもあります。まず、企業がこの質問を投げかける理由を押さえておきましょう。

企業が見極めたいのは入社後も力を発揮し続けられるかどうか

厚生労働省が公表している調査によると、大学を卒業して就職した人のうち、就職後3年以内に離職する割合は33.8パーセントにのぼります(厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」)。離職理由はさまざまですが、入社時に本人が思い描いていたやりがいと、実際の業務で得られる手応えがずれていたケースは少なくないと考えられます。

企業が原動力を尋ねるのは、応募者が何によって力を発揮するタイプなのかを知り、それが自社の業務内容や評価の仕組みと噛み合うかどうかを確かめたいからです。原動力と業務内容が噛み合っているほど、入社後も高いパフォーマンスを長く発揮しやすいと考えられており、この一致度は早期離職を防ぐ手がかりとしても注目されています。

「原動力」と「志望動機」「自己PR」の違い

志望動機は「なぜこの会社で働きたいのか」という企業選びの理由を説明するものです。自己PRは「自分にはどんな強みがあるか」という能力の側面を伝えるものになります。これに対して原動力は、その強みや志望動機の奥にある「なぜそこまで頑張れるのか」という、より根っこの部分を説明する言葉です。

同じ人でも、志望する業界や職種が変わればアピールする強みは変わることがあります。しかし原動力は、環境が変わっても比較的一貫して現れやすい性質があるため、面接官はこの質問を通じて、応募者の本質的な部分を見ようとしていると考えるとよいでしょう。

自分の原動力を見つける3つのステップ

大学生が自室の机で過去のノートや写真を見返しながら原動力を振り返っている様子

原動力は、頭の中で「自分は何にやる気を感じるのだろう」と考えるだけではなかなか見えてきません。過去の経験を実際に手を動かして書き出す作業を通じて、初めて言語化できるものです。ここでは3つのステップに分けて手順を紹介します。

STEP1

過去の経験を時系列で書き出す
就活が本格化してから慌てて記憶をたどるのではなく、幼少期から大学生活までを一つの年表のように並べて書き出してみましょう。部活動やアルバイト、サークル、勉強、家庭の出来事など、ジャンルを限定せずに幅広く挙げることがポイントです。楽しかった経験だけでなく、苦しかった経験や挫折も含めて書き出しておくと、次のステップで見えてくる情報量が大きく変わります。

STEP2

感情が大きく動いた場面に線を引く
書き出した経験の中から、達成感や悔しさ、安心感といった感情が特に大きく動いた場面に印をつけていきます。原動力は「頑張れた理由」そのものよりも、「その時どう感じたか」という感情の記録に強く現れる傾向があります。良かった経験だけでなく、うまくいかずに悔しかった場面にも同じくらい注目してみてください。

STEP3

共通するパターンを言葉にする
印をつけた場面を並べて眺め、そこに共通して現れているものを探します。「目標の数字を達成できたときが一番嬉しかった」という場面が複数あれば達成そのものが原動力かもしれませんし、「誰かに感謝されたときに一番力が出た」という場面が続いているなら、人の役に立つ実感が原動力になっている可能性があります。この共通点を一文で言い切れるようになった時点で、ようやく原動力を自分の言葉として説明できる状態になります。

3つのステップに共通しているのは、結論を先に決めてから経験を当てはめるのではなく、経験を先に並べてから結論を導き出す順序です。この順序を守るだけで、後から出てくる原動力の説得力は大きく変わります。

原動力の代表的な4つのタイプ

原動力の4タイプ(達成型・貢献型・競争型・探究型)を示す図解

自己分析を進めていくと、原動力にはいくつかの典型的なパターンがあることに気づきます。ここでは代表的な4つのタイプを紹介しますが、これは自分をどこかに当てはめて終わらせるためのものではなく、パターンを知ることで自分自身の経験を振り返りやすくするための材料として使ってください。

達成したい思いから生まれる「達成型」と、誰かの役に立ちたい「貢献型」

達成型は、設定した目標をクリアすること自体に強い満足感を覚えるタイプです。数字や記録といった分かりやすい指標が伴う場面で力を発揮しやすく、目標が見えないと途端にやる気を維持しづらいという特徴も併せ持っています。

一方の貢献型は、誰かの役に立てているという実感が原動力になるタイプです。人材サービスを手がけるランスタッド株式会社が社員インタビューとして公開している記事では、ある社員が自身の原動力を「人のために」という想いだと語り、周囲に支えられながら挑戦を続けてきた経緯を紹介しています(ランスタッド株式会社「原動力は『人のために』という想い」)。数字の達成そのものよりも、目の前の相手が喜ぶ姿から力をもらうタイプの原動力は、こうした実例からもイメージしやすいでしょう。

誰かに勝ちたい「競争型」と、知りたい欲求が原動力になる「探究型」

競争型は、他者との比較や勝ち負けが原動力になるタイプです。ライバルの存在を認識した瞬間に集中力が高まる人も多く、営業成績や大会の順位のように、他人と比べられる基準がある環境で力を発揮しやすい傾向があります。

探究型は、物事の仕組みを理解したいという知的好奇心そのものが原動力になるタイプです。答えが出ないまま考え続けること自体を苦にせず、地道な検証や調査を継続できる粘り強さにつながりやすいという特徴があります。4つのタイプはどれか一つだけに当てはまるとは限らず、場面によって複数の原動力が入れ替わりながら現れることも珍しくありません。

面接・ESで原動力を伝えるときのポイント

自分の原動力が見えてきたら、次はそれをES・面接でどう伝えるかという段階に進みます。同じ原動力を持っていても、伝え方一つで面接官に届く説得力は大きく変わります。

エピソード→原動力→再現性の順で構成する

伝わりやすい構成には共通の型があります。まず具体的な経験のエピソードを一つ挙げ、その経験の中でどんな感情が動いたのかを説明し、最後にその原動力が入社後の業務でも同じように発揮できる根拠を添えるという順序です。

たとえば「アルバイト先で新しい提案が採用され、売上が伸びたことに大きなやりがいを感じた」というエピソードを語るだけで終わらせず、「自分の考えが形になって周囲に良い変化を生み出す瞬間に原動力を感じる」という抽象化を挟み、それが志望先の業務内容とどう重なるのかまで言い切ることで、単なる思い出話から「入社後の活躍が想像できる話」に変わります。

避けたいNGな伝え方

「負けず嫌いです」「成長意欲があります」といった一言だけで終わる回答は、原動力としての説得力を持ちません。言葉自体は間違っていなくても、具体的な経験の裏付けがなければ、面接官には誰にでも当てはまる建前にしか聞こえないためです。

もう一つ避けたいのが、志望動機やガクチカと矛盾する原動力を語ってしまうことです。「協調性を大切にしてきた」と自己PRで述べながら、原動力の質問では「一人で結果を出すことに強いこだわりがある」と語ってしまうと、面接官はどちらが本当の姿なのか判断に迷います。複数の質問への回答を通して、一貫した人物像が浮かび上がるように準備しておくことが欠かせません。

よくある質問

原動力が見当たらないときはどうすればいいですか

大きな成功体験がなくても原動力は見つけられます。派手な結果よりも、地味な作業でも続けられたことや、時間を忘れて取り組んでいたことに注目してみましょう。継続できていたという事実そのものに、何らかの原動力が働いていた可能性があります。

原動力と長所・強みは同じものですか

厳密には別の概念です。長所や強みは「何が得意か」という能力の側面を指すのに対し、原動力は「なぜそれを頑張れるのか」という動機の側面を指します。同じ経験を振り返っても、強みとして語るか原動力として語るかで、面接官への伝わり方は変わってきます。

転職の面接でも原動力は聞かれますか

新卒の就活だけでなく、転職の面接でも原動力を尋ねられる場面は多くあります。社会人経験がある分、学生時代のエピソードよりも実際の業務で感じたやりがいや悔しさを材料にできるため、より具体的で説得力のある説明がしやすくなるでしょう。

まとめ

原動力とは、物事を動かす力という辞書的な意味から転じて、就活の場では「なぜそこまで頑張れるのか」という行動の源を指す言葉として使われています。企業がこの質問を投げかけるのは、応募者の原動力と実際の業務が噛み合うかどうかを確かめ、入社後も長く力を発揮できる人材かどうかを見極めたいからです。

自分の原動力は、過去の経験を書き出し、感情が動いた場面に線を引き、共通するパターンを言葉にするという手順を踏むことで見えてきます。達成型・貢献型・競争型・探究型といった代表的なタイプを参考にしながら、エピソードから原動力、そして再現性へとつなげる構成でES・面接に臨めば、あなた自身の言葉で語れる回答に仕上がっていくはずです。

この記事の著者情報

株式会社ネット風評被害対策 代表取締役 内村淳

ネット風評被害対策の専門家として15年以上の実績を持つ。
風評被害誹謗中傷対策・サジェスト対策・逆SEO対策・SNS炎上対応など、企業のWebリスク解決を累計10,000社以上支援。
ネット誹謗中傷対策に特化した法律事務所に1年間従事し、法的観点からの対応知見を習得。IT技術と法的アプローチの双方に携わってきた経験を持つ。
あらゆるネット風評被害対策支援に加え、企業向けコンサルティングや同業他社へのサービス提供も行う。
現在、日々進化するAI検索エンジンのアルゴリズムを徹底解析し、AI検索時代に適応した次世代の風評対策に注力している。

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