介護業界のホワイト企業の選び方|情報公表制度と処遇改善の見方

介護の仕事に就くとき、あるいは別の会社へ移ろうと考えるとき、まず気になるのが「働きやすい会社をどう見分けるか」という点ではないでしょうか。

介護の仕事は、訪問して自宅で支える形もあれば、施設に入居している方を支える形もあり、働く場所によって一日の流れがまったく異なります。夜勤の有無や職員の配置も事業所ごとに差があるため、求人票に並んだ条件だけでは実態がつかみにくいという事情もあります。

この記事では、働きやすい会社に共通する特徴と、その特徴を国が用意している制度や公的なデータで確認する具体的な方法について、就活キャリア研究所の視点で整理しました。

\ 採用サイトには載せきれない /

企業情報・採用情報を掲載したい

事業内容や働く環境を第三者の中立的な視点でご紹介し、社名で検索する学生・求職者に貴社の正確な情報を届けます。

就活キャリア研究所への掲載について詳しく見る

目次

介護業界で働きやすい事業所を探すのが難しい理由

会社選びに入る前に、この分野が置かれている状況を押さえておくと、求人票の読み方が変わってきます。

若い世代ほど辞めやすい傾向が数字に出ている

介護労働安定センターの令和7年度「介護労働実態調査」では、訪問介護員と介護職員を合わせた2職種の離職率は12.4%で横ばい、採用率は14.6%と2年ぶりの上昇になったと公表されています(介護労働安定センター)同じ調査では、離職率は29歳以下で17.3%と他の年齢層より高く、若い世代の定着が課題だと指摘されています。業界全体の平均を知っておくと、応募先の状況を落ち着いて評価できます。

働く場所によって一日の流れが変わる

訪問して支える仕事と、施設で入居者を支える仕事では、移動の有無も夜勤の有無も変わります。同じ「介護職」という言葉でも、配属される事業所の種類によって生活の組み立て方はまったく違ってきます。応募時にどの形態の事業所なのかを具体的に確認しておくと、入社後のギャップを減らせます。

求人票の条件だけでは実態が読み取りにくい

年間休日数や月給の欄は、あくまで事業所が示した条件です。夜勤の回数や研修の中身、相談したいときの窓口までは書かれていないことがほとんどです。だからこそ、公表されている制度やデータをたどって裏側を確かめる作業が意味を持ちます。

介護業界のホワイト企業に共通する特徴

介護の事業所を見極める4つの視点(公表情報・昇給の仕組み・職場環境・夜勤の回数)を示すインフォグラフィック

求人票や面接だけでは判断しづらい会社の実態も、いくつかの共通したチェックポイントに注目すると見えてきます。ここでは代表的な特徴を整理します。

  1. 公表されている運営状況を確認できる
  2. 昇給の仕組みが整理されている
  3. 職場環境の改善に取り組んでいる
  4. 夜勤の回数と手当が明示されている
  5. 研修や資格取得の支援がある
  6. 面接での質問に具体的な回答が返ってくる

公表されている運営状況を確認できる

厚生労働省の介護サービス情報公表システムでは、事業所ごとの情報が公開されています。「事業所の詳細」では法人情報、所在地等、従業者、サービス内容、営業時間や定休日、利用料などを閲覧でき、「運営状況」では利用者の権利擁護、サービスの質の確保への取組、相談・苦情等への対応、外部機関等との連携、事業運営・管理、安全・衛生管理等、従業者の研修等が確認できます(厚生労働省)とくに従業者の研修等の欄は、人を育てる姿勢が表れやすい部分です。

昇給の仕組みが整理されている

介護職員等処遇改善加算では、キャリアパス要件として「資格や勤続年数等に応じた昇給の仕組みの整備」が挙げられています(厚生労働省)加算を受けている事業所であれば、何をどこまで身につけると給与が上がるのかが制度として整理されているはずです。面接で昇給の条件を尋ねたときに具体的な説明が返ってくるかどうかは、確かめておきたい点です。

職場環境の改善に取り組んでいる

同じ加算の職場環境等要件は28項目から選ぶ形になっており、7項目以上を実施する区分と、13項目以上を実施したうえで取り組みの見える化まで行う区分が設けられています(厚生労働省)。どの区分の加算を受けているかは、職場づくりにどれだけ手をかけているかの目安になります。

夜勤の回数と手当が明示されている

夜勤がある事業所では、月に何回入るのか、明けの日はどう扱われるのか、手当がいくら付くのかを応募の段階で書面で確認しておきたいところです。「シフトによる」とだけ説明されて具体的な例が示されない場合は、実際の組み方を尋ねてみましょう。

公的なデータで事業所を確かめる具体的な方法

介護施設の事務スペースでノートパソコンの研修予定を確認しながら手帳に書き込む職員のイラスト

気になる会社が見つかったら、応募する前に公開されている情報をたどっておくと判断材料が増えます。次の3つのステップで確認してみてください。

STEP1

厚生労働省の介護サービス情報公表システムで、気になる事業所の詳細と運営状況を確認します(厚生労働省)。従業者の人数や研修の状況まで公開されているため、求人票では分からない体制が見えてきます。

STEP2

介護職員等処遇改善加算のページで、加算の要件を確認します(厚生労働省)。どんな取り組みが求められているのかを知っておくと、面接で何を尋ねればよいかが具体的になります。

STEP3

厚生労働省の賃金構造基本統計調査で、職種や年齢層ごとの賃金の水準を確かめます(厚生労働省)。あわせて地域別最低賃金の一覧も見ておくと、時給制の求人を評価しやすくなります(厚生労働省)

会社選びに関するよくある質問

介護事業所の運営状況はどこで調べられますか

厚生労働省の介護サービス情報公表システムで確認できます(厚生労働省)。事業所の詳細のほか、利用者の権利擁護やサービスの質の確保への取組、従業者の研修等といった運営状況が公開されています。

介護業界の離職率はどのくらいですか

介護労働安定センターの令和7年度「介護労働実態調査」では、訪問介護員と介護職員を合わせた2職種の離職率は12.4%と公表されています(介護労働安定センター)。29歳以下では17.3%と、他の年齢層より高い水準です。

処遇改善の加算を受けている事業所は給与が高いのですか

加算は事業所が要件を満たしたうえで受けるもので、賃金の改善に充てられます。ただし配分の方法は事業所ごとに決まるため、自分の給与にどう反映されるかは面接で具体的に確認しておくとよいでしょう。

未経験でも介護の仕事に応募できますか

未経験を対象にした募集は多くあります。その場合は入社後の研修がどのくらいあるのか、資格取得の支援があるのかを確かめておくと、入社後の見通しが立てやすくなります。

条件の見た目より「確かめられる事実」で選ぼう

介護業界の事業所選びでは、年間休日数や月給といった目に見える条件につい目が向きがちです。ただ、実際の働きやすさを左右するのは、職員の体制や研修の中身、昇給の仕組みといった、求人票に書かれていない部分です。

公開されている事実は、誰でも同じ手順でたどれます。求人票の印象だけで決めてしまう前に、こうした事実を一つずつ確かめ、自分が続けられる働き方に近い会社を見極めていきましょう。

この記事の著者情報

株式会社ネット風評被害対策 代表取締役 内村淳

ネット風評被害対策の専門家として15年以上の実績を持つ。
風評被害誹謗中傷対策・サジェスト対策・逆SEO対策・SNS炎上対応など、企業のWebリスク解決を累計10,000社以上支援。
ネット誹謗中傷対策に特化した法律事務所に1年間従事し、法的観点からの対応知見を習得。IT技術と法的アプローチの双方に携わってきた経験を持つ。
あらゆるネット風評被害対策支援に加え、企業向けコンサルティングや同業他社へのサービス提供も行う。
現在、日々進化するAI検索エンジンのアルゴリズムを徹底解析し、AI検索時代に適応した次世代の風評対策に注力している。

著書: 『AI時代のネット風評被害対策』(Kindle出版) ↗

発信活動: ネット風評被害対策に関する情報をnoteでも発信しています。 note ↗

\ 気になる企業、ありませんか /

リサーチしてほしい企業を教えてください

「この会社の働き方や社風、実際どうなの?」——気になる企業名をお寄せください。編集部が公式情報・公開データを調査し、企業研究記事としてお届けします。

お問い合わせフォームから「リサーチ希望」とお送りください

目次