半導体製造装置業界の大手企業ランキング|上位10社が担う工程と平均年収

「半導体製造装置の大手といえば東京エレクトロン」。業界研究を始めると、まずこの名前を思い浮かべる人は多いはずです。ところが2位から下は、どの会社を半導体製造装置の会社と数えるかで顔ぶれが変わります。東証の業種区分に半導体製造装置の欄がなく、装置のほかに大きな事業を持つ会社も多いためです。

各社が金融庁のEDINETに提出した、2026年10月27日時点で最新の有価証券報告書で連結の売上高を比べると、1位は東京エレクトロンの2兆4,435億円、2位はアドバンテストの1兆1,286億円です。1位の売上高は2位の2倍を超えています。3位はSCREENホールディングスの6,057億円、4位はディスコの4,368億円です。

本記事では、半導体製造装置の事業が売上の半分を超える上場会社の上位10社を、有価証券報告書の原文の数字で並べます。

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目次

半導体製造装置業界の大手企業ランキング上位10社

半導体製造装置業界の大手企業を連結の売上高が大きい順に並べると、上位10社は次のとおりです。数字は各社の有価証券報告書の「主要な経営指標等の推移」にある連結の数字で、ローツェは2026年2月期、レーザーテックは2026年6月期、ほかの8社は2026年3月期です。億円未満は切り捨てています。

  1. 東京エレクトロン:2兆4,435億円
  2. アドバンテスト:1兆1,286億円
  3. SCREENホールディングス:6,057億円
  4. ディスコ:4,368億円
  5. KOKUSAI ELECTRIC:2,350億円
  6. レーザーテック:2,304億円
  7. 東京精密:1,668億円
  8. ローツェ:1,287億円
  9. 芝浦メカトロニクス:880億円
  10. TOWA:543億円

対象にしたのは、有価証券報告書の「事業の内容」で半導体の製造装置を主な事業に挙げ、売上の内訳でも半導体製造装置の事業が連結の売上高の半分を超えると確かめられる東証上場の会社です。検査装置と搬送装置もここに含めています。10社とも、日本取引所グループの東証上場銘柄一覧(2026年9月末)でプライム市場の会社です(日本取引所グループ)。

売上高1兆円を超える2社

東京エレクトロンとアドバンテストは、連結の売上高が1兆円を超えています。東京エレクトロンは半導体製造装置の開発・製造・販売・保守サービスを主な事業とし、セグメントは「半導体製造装置」の1つだけです。連結の従業員数は20,236人です(東京エレクトロン有価証券報告書)。

アドバンテストは、半導体の検査に使うテストシステム事業の売上高が1兆193億円で、全体の90.3%を占めます。連結の従業員数は7,241人です(アドバンテスト有価証券報告書)。

売上高2,000億〜6,000億円台の4社

SCREENホールディングスは、半導体製造装置のほかに印刷関連機器、ディスプレー製造装置と成膜装置、プリント基板関連機器の事業を持ちます。半導体製造装置事業の売上高は4,853億円で、全体の80.1%です。連結の従業員数は6,884人です(SCREENホールディングス有価証券報告書)。

ディスコは、精密加工装置の売上高が2,739億円で全体の62.7%、装置に取り付けて使う精密加工ツールが949億円です。連結の従業員数は5,547人です(ディスコ有価証券報告書)。

KOKUSAI ELECTRICは、日立国際電気の成膜プロセスソリューション事業を前身とする会社です。2023年10月に東京証券取引所プライム市場に上場しました。セグメントは半導体製造装置事業の1つだけで、連結の従業員数は2,609人です(KOKUSAI ELECTRIC有価証券報告書)。

レーザーテックは、半導体関連装置の売上高が1,680億円で全体の72.9%、サービスが586億円です。連結の従業員数は1,335人です(レーザーテック有価証券報告書)。

売上高500億〜1,000億円台の4社

東京精密は半導体製造装置事業の売上高が1,278億円で全体の76.6%、計測機器事業が389億円です。連結の従業員数は2,890人です(東京精密有価証券報告書)。

ローツェは、半導体関連装置の売上高が1,063億円で全体の82.6%を占め、連結の従業員数は4,435人です(ローツェ有価証券報告書)。芝浦メカトロニクスは、半導体向けの売上高が758億円で全体の86.1%、連結の従業員数は1,269人です(芝浦メカトロニクス有価証券報告書)。TOWAは、半導体製造装置事業の売上高が498億円で全体の91.7%、連結の従業員数は2,211人です(TOWA有価証券報告書)。

半導体製造装置業界のランキングが分かりにくい3つの理由

半導体製造装置業界のランキングが分かりにくいのは、業種の区分、装置以外の事業の大きさ、決算期と業績の波の3つが、会社ごとにそろわないからです。

東証の業種区分に半導体製造装置の欄がないから

東証の33業種区分には「半導体製造装置」という区分がなく、上位10社は次の3つの業種に分かれて入っています(日本取引所グループ)。

  • 電気機器:東京エレクトロン、アドバンテスト、SCREENホールディングス、KOKUSAI ELECTRIC、レーザーテック、芝浦メカトロニクス
  • 機械:ディスコ、ローツェ、TOWA
  • 精密機器:東京精密

2026年9月末の一覧で電気機器は228社、機械は209社あり、業種で絞り込んでも半導体製造装置の会社だけは取り出せません。ランキングを見るときは、まずどの基準で会社を集めた一覧かを確かめてください。

装置以外の事業の大きさが会社ごとに違うから

半導体製造装置を作っていても、売上の半分以上を別の事業で得ている会社があります。アルバックは真空総合メーカーで、2026年6月期の半導体及び電子部品製造装置の売上高は883億円、連結の売上高2,691億円の32.8%です(アルバック有価証券報告書)。堀場製作所は測定機器の製造・販売を主な業務とし、マスフローコントローラーなどを扱う先端材料・半導体の事業は、2025年12月期の連結の売上高の47.0%です(堀場製作所有価証券報告書)。

装置に組み込む部品や、装置に取り付けて使う器具を作る会社もあります。フェローテックは、半導体やFPDの製造装置などに使われる真空シールや石英製品などを作る会社で、2026年3月期の半導体等装置関連事業の売上高は1,851億円です(フェローテック有価証券報告書)。日本マイクロニクスは、売上の97.7%を占めるプローブカード事業の主な製品を「半導体計測器具」と書いています(日本マイクロニクス有価証券報告書)。本記事のランキングには、この4社を入れていません。

決算期と業績の波がそろわないから

決算月は、ローツェが2月、レーザーテックが6月、ほかの8社が3月で、数字を締めた時期が会社ごとに違います。KOKUSAI ELECTRICとアドバンテストは国際会計基準(IFRS)で連結財務諸表を作っていて、KOKUSAI ELECTRICは売上を「売上収益」として載せています(KOKUSAI ELECTRIC有価証券報告書)(アドバンテスト有価証券報告書)。

売上高は年によって大きく動きます。2024年3月期の連結の売上高は、前の期と比べて東京エレクトロンが17.1%(東京エレクトロン有価証券報告書)、KOKUSAI ELECTRICが26.4%減りました(KOKUSAI ELECTRIC有価証券報告書)。アドバンテストは2024年3月期に13.2%減った後に伸び、2026年3月期の売上高は2024年3月期の2.3倍です(アドバンテスト有価証券報告書)。1年分の順位だけで判断せず、報告書に載っている5年分の推移もあわせて見てください。

半導体製造装置大手を装置の役割で分ける4つのタイプ

半導体製造装置大手の4つのタイプを示した図(回路の形成・検査・測定・切断・封止・ウエハ搬送)

上位10社は、有価証券報告書が挙げる主な装置が製造工程で何をするかで、次の4つのタイプに分けられます。ローツェの有価証券報告書は、半導体の製造工程を、ウエハ上に処理を行う「前工程」と、ウエハから個々のICチップに分割してパッケージに組み込む「後工程」に分けて説明しています(ローツェ有価証券報告書)。

  1. 回路の形成:東京エレクトロン、SCREENホールディングス、KOKUSAI ELECTRIC、芝浦メカトロニクス
  2. 検査・測定:アドバンテスト、レーザーテック、東京精密
  3. 切断・封止:ディスコ、TOWA
  4. ウエハ搬送:ローツェ

回路を形成する装置の会社

回路を形成する装置は、前工程でウエハの上に回路を作るための装置です。KOKUSAI ELECTRICの有価証券報告書は、前工程を、成膜やエッチング、洗浄などの工程を繰り返してシリコンウェーハ上に回路を作る工程と説明しています。同社の主力は成膜の装置で、熱処理の装置も作っています(KOKUSAI ELECTRIC有価証券報告書)。

東京エレクトロンは、コータ/デベロッパ、エッチング装置、成膜装置、洗浄装置などを開発しています。ウェーハプローバや先端パッケージ向けの装置も手がけ、扱う工程の幅が広い会社です(東京エレクトロン有価証券報告書)。SCREENホールディングスは、2001年3月に滋賀県彦根市の彦根事業所で300ミリウエハ対応洗浄装置の量産体制を整えました(SCREENホールディングス有価証券報告書)。

芝浦メカトロニクスは、洗浄装置やエッチング装置、アッシング装置などに加えて、ダイボンディング装置やフリップチップボンディング装置も作っています。半導体向けの売上高758億円のうち、ボンディング装置を扱うメカトロニクスシステム事業の分は295億円です(芝浦メカトロニクス有価証券報告書)。

検査・測定装置の会社

検査・測定装置の会社は、作った半導体が正しく動くかや、製造に使うマスクに欠陥がないかを調べる装置を作っています。アドバンテストは、SoC半導体デバイス向けとメモリ半導体デバイス向けのテストシステムを主力にしています(アドバンテスト有価証券報告書)。

レーザーテックは、光応用技術を使った検査・測定装置の会社で、代表的な製品に半導体マスク欠陥検査装置やマスクブランクス欠陥検査/レビュー装置、EUVマスク欠陥検査装置などがあります(レーザーテック有価証券報告書)。東京精密の半導体製造装置事業は、ウェーハプロービングマシンやウェーハダイシングマシンなどの加工・検査装置を扱い、切断の装置も作っています(東京精密有価証券報告書)。

切断・封止する装置の会社

切断・封止する装置の会社は、回路を作り終えたウエハをチップに分け、樹脂で包む後工程の装置を主力にしています。ディスコは、主に半導体シリコンウェーハ加工用の切断・研削装置と精密ダイヤモンド砥石を作っています。装置にはダイシングソー、レーザソー、グラインダ、ポリッシャなどがあります(ディスコ有価証券報告書)。

TOWAの半導体製造装置事業は、半導体製造用精密金型、モールディング装置、シンギュレーション装置などを扱います。同社は1980年2月に半導体樹脂封止装置の試作に成功しています(TOWA有価証券報告書)。

ウエハを搬送する装置の会社

ウエハを搬送する装置の会社として上位10社に入るのは、ローツェです。主力の半導体関連装置は、発塵が歩留まりに大きく影響する前工程で使う無塵搬送ロボットと、そのロボットや各種ユニットで組んだ無塵搬送装置です。

ローツェの有価証券報告書は、半導体関連装置の主力工場をベトナムの子会社と書いています。半導体関連装置の製造設備を持つハイフォン市のRORZE ROBOTECHの従業員は2,972人(2025年12月31日時点)で、提出会社の259人の10倍を超えます(ローツェ有価証券報告書)。応募する会社の社員が、どの国のどの会社で働いているかも確かめておきたいところです。

半導体製造装置大手10社の平均年間給与

上位10社の提出会社の平均年間給与を高い順に並べると、次のとおりです。括弧の中は提出会社の従業員数と平均年齢で、ローツェは2026年2月28日時点、レーザーテックは2026年6月30日時点、ほかの8社は2026年3月31日時点の数字です。平均年間給与は、10社とも賞与と基準外賃金を含む金額です。

  1. レーザーテック:1,881万1,567円(534人・40.1歳)
  2. ディスコ:1,879万5,641円(3,687人・37.2歳)
  3. 東京エレクトロン:1,380万4,159円(2,309人・43.1歳)
  4. アドバンテスト:1,097万7,033円(2,033人・45.68歳)
  5. SCREENホールディングス:1,080万2千円(653人・42.0歳)
  6. ローツェ:1,039万1,228円(259人・42.6歳)
  7. KOKUSAI ELECTRIC:960万7,105円(1,193人・44.1歳)
  8. 芝浦メカトロニクス:953万954円(621人・43.8歳)
  9. 東京精密:827万6,412円(1,428人・38.5歳)
  10. TOWA:738万6,835円(716人・39.2歳)

10社のうち平均年齢が最も低いのはディスコの37.2歳で、平均年間給与は1位のレーザーテックとの差が1万5,926円です。ディスコの平均年間給与は、前の事業年度より12.4%増えました(ディスコ有価証券報告書)。1年分の数字だけで比べず、前の年の報告書の数字とも並べてみてください。

有価証券報告書の平均年間給与は、報告書を出した会社自身の従業員の平均で、子会社の従業員は入りません。東京エレクトロンは、子会社の東京エレクトロン九州や東京エレクトロン宮城などが製造した製品を仕入れて販売しています。提出会社の従業員2,309人は、連結の20,236人の約1割です(東京エレクトロン有価証券報告書)。

SCREENホールディングスは、2014年10月に持株会社体制へ移り、半導体製造装置事業を子会社のSCREENセミコンダクターソリューションズに引き継がせました。同社の報告書には、従業員数が最も多い子会社としてこの会社の数字も載っていて、従業員1,373人、平均年間給与は1,139万4千円です(SCREENホールディングス有価証券報告書)。同じグループでも、どの会社に入るかで平均年間給与の数字は変わります。

有価証券報告書で半導体製造装置大手を確かめる手順

半導体製造装置業界の大手企業ランキングについて公開されている情報を確かめている場面のイラスト

半導体製造装置大手の数字は、金融庁のEDINETで公開されている有価証券報告書を、次の3つの手順で読むと確かめられます。

STEP1

金融庁のEDINETで会社名を入れて書類を検索し、最新の有価証券報告書を開きます(金融庁)。「主要な経営指標等の推移」で、連結の売上高と5年分の推移を確かめます。同じ事業年度の訂正報告書が出ていれば、訂正された箇所もあわせて確かめます。

STEP2

「経理の状況」のセグメント情報と収益認識関係の注記で、半導体向けの装置の売上がいくらあるかを確かめます。芝浦メカトロニクスは「SPE(半導体)」、ディスコは「精密加工装置」という行で、この売上を載せています。

STEP3

「従業員の状況」で提出会社の平均年間給与と従業員数を確かめ、「主要な設備の状況」で事業所ごとの所在地と従業員数を確かめます。持株会社の報告書では、「最大人員会社の状況」で、従業員数が最も多い国内の連結子会社の平均年間給与も見ます。この欄の記載は、2026年3月31日以後に終わる事業年度から求められています(金融庁)。

半導体製造装置業界の大手企業でよくある質問

日立ハイテクが入っていないのはなぜですか

日立ハイテクは、日立製作所が2020年5月に完全子会社にした会社で、日立製作所が議決権の100%を持っています。日立製作所の報告書には、日立ハイテクの那珂地区(茨城県ひたちなか市)の設備が「半導体関連製造装置及び計測・分析装置等生産設備」と書かれています(日立製作所有価証券報告書)。本記事は上場している会社の有価証券報告書で比べているため、東証上場銘柄一覧に載っていない日立ハイテクは対象に入れていません(日本取引所グループ)。

キヤノンやニコン、荏原製作所が入っていないのはなぜですか

3社とも半導体製造装置を作っていますが、半導体以外の事業の売上の方が大きいからです。キヤノンは、半導体露光装置やFPD露光装置などを扱うインダストリアルの事業が3,579億円で、2025年12月期の連結の売上高の7.7%です(キヤノン有価証券報告書)。ニコンは、FPD露光装置と半導体露光装置の精機事業が1,672億円で、2026年3月期の24.7%です(ニコン有価証券報告書)。荏原製作所は、真空ポンプやCMP装置などの精密・電子の事業が3,422億円で、2025年12月期の35.7%です(荏原製作所有価証券報告書)。

装置はどこの国の会社に売っているのですか

10社とも、日本向けの売上は連結の売上高の4分の1に届きません。日本の割合は東京エレクトロンが9.8%で、最大の顧客はSamsung Electronicsの3,680億円です(東京エレクトロン有価証券報告書)。アドバンテストは2.2%で、最大の顧客はNVIDIAグループの2,437億円です(アドバンテスト有価証券報告書)。10社で日本の割合が最も大きい芝浦メカトロニクスでも24.2%です(芝浦メカトロニクス有価証券報告書)。

東京エレクトロンの工場はどこにありますか

東京エレクトロンが販売する装置は、主に国内の製造子会社の工場で作られています。人数が多い拠点は、東京エレクトロン九州の本社(熊本県合志市)の2,219人と、東京エレクトロン宮城の本社など(宮城県黒川郡大和町など)の2,217人です。東京エレクトロン テクノロジーソリューションズの工場も、山梨県韮崎市(2拠点で1,963人)と岩手県奥州市(849人)にあります。提出会社の従業員2,309人のうち、1,382人は東京都港区の本社にいます(東京エレクトロン有価証券報告書)。

売上高の順位より担う工程で会社を選ぼう

半導体製造装置業界の大手企業は、連結の売上高で見ると東京エレクトロンとアドバンテストが1兆円を超え、3位以下のSCREENホールディングスやディスコとは大きな差があります。

同じ半導体製造装置の会社でも、回路の形成、検査・測定、切断・封止、ウエハ搬送と、主力の装置が担う工程は会社ごとに違います。気になる会社の有価証券報告書で、売上の内訳と従業員の状況、主要な設備の状況を開き、関わりたい装置をどの会社がどこで作っているかを確かめてみてください。

この記事の調査・執筆

就活キャリア研究所編集部

就活キャリア研究所編集部

就活キャリア研究所編集部は、就職・転職活動に役立つ企業情報やキャリアに関する情報を調査・発信する編集チームです。
企業の公式サイトや採用ページ、公開資料などをもとに、事業内容・年収・福利厚生・働く環境・口コミ・評判などを幅広く調査しています。
また、自己分析や面接対策、キャリア形成に関する情報も発信し、就活生や転職希望者が自分に合った企業・仕事を見つけられるよう、正確性と客観性を重視した記事制作に取り組んでいます。

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