会社四季報どれがいい?就活生が選ぶべき四季報の版と読み方

「会社四季報 どれがいい」と検索してこのページにたどり着いた方の多くは、投資の勉強ではなく就職活動のために情報を集めているのではないでしょうか。実はここに大きな見落としがあります。書店で会社四季報を手に取っても、就活で本当に役立つデータの大半は載っていません。就活生が調べるべきなのは、同じ東洋経済新報社が出している別の本、就職四季報です。この記事では会社四季報と就職四季報の違いを整理したうえで、就職四季報のどの版を選べばよいのか、さらに数字の裏側まで読み取るコツまで、企業研究の実務目線で解説していきます。

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目次

「会社四季報」と「就職四季報」は別物として意識する

東洋経済新報社は四季報と名の付く出版物をいくつも発行しており、名前が似ているために混同されがちです。まずはこの2つの立ち位置の違いをはっきりさせておきましょう。

会社四季報は投資家のための季刊誌

会社四季報は年4回、株式投資家に向けて発行される情報誌です。上場している企業のほぼすべてを対象に、業績や財務の状況を数値と短いコメントでまとめています。読者として想定されているのは個人投資家や機関投資家であり、内容は株価や業績予想を判断材料にすることに主眼が置かれています。就活生が読んでも、離職率や有休消化率といった働き方に関わる情報はほとんど出てきません。

就職四季報は就活生のための年刊誌

一方の就職四季報は、年に一度発行される就活生専用の情報誌です。上場企業を中心に、採用人数や配属先、離職率、有休消化率、平均年収といった、働き方や選考に直結するデータを企業への取材をもとに掲載しています。会社四季報が「株価がどう動くか」を扱うのに対し、就職四季報は「この会社でどう働くことになるか」を扱っていると考えると分かりやすいと思います。

検索結果で情報が混ざりやすい理由

「会社四季報」で検索すると、投資家向けの解説記事と就活生向けの解説記事が同じ検索結果に並ぶことがあります。会社四季報という名称の知名度が高く、就職四季報より先に耳にする学生が多いためでしょう。就職活動の文脈で四季報を調べているのであれば、検索窓に「就職四季報」と入れ直すだけで、必要な情報にたどり着く速度は大きく変わります。

就活で見るべきは「就職四季報」のどの版か

就職四季報5つの版(総合版・優良中堅版・女性活躍版・インターン版・プラスワン)の使い分けを示す図解

就職四季報にはいくつかの版があり、対象にする企業や読者が版ごとに異なります。自分の就活の進め方に合わせて選ぶことで、同じ1冊でも得られる情報の質は変わってきます。

総合版 大手・人気企業を効率よく比較したい人向け

総合版は就職四季報のなかで最も基本となる1冊です。編集部が業界ごとに選んだ大手・人気企業を中心に、採用実績校や選考フロー、平均年収などのデータを1社ずつ見開きでまとめています。これから業界を横断して比較検討したい段階の学生には、まず総合版から手に取ることをおすすめします。

優良・中堅企業版 知名度だけで選びたくない人向け

優良・中堅企業版は、総合版には載りきらない中堅企業や地方の有力企業、成長中のベンチャー企業までを対象にしています。知名度だけで企業を絞り込んでしまうと、自分に合った働き方ができる会社を見落とすことがあります。総合版で気になる業界を見つけたあと、その業界の中堅企業まで視野を広げたいときに開く一冊です。

働きやすさ・女性活躍版 女性のキャリアを具体的に考えたい人向け

以前は女子版と呼ばれていたこの版は、現在は働きやすさ・女性活躍版という名称になっています。女性の管理職比率や育児休業の取得実績、時短勤務の運用状況など、女性のキャリア形成に関わるデータを重点的に掲載しているのが特徴です。将来のライフイベントと働き方を具体的にすり合わせたい学生にとって、総合版だけでは見えない情報を補ってくれます。

企業研究・インターンシップ版 まだ本格的に動いていない学生向け

企業研究・インターンシップ版は、総合版などの秋発売とは時期がずれ、大学3年生以下を対象に例年5月ごろに発売されます。本格的な就職活動が始まる前の段階で、インターンシップ選びや業界研究の材料として使うことを想定した内容です。早い時期から企業研究を始めたい学生は、この版から動き出すとスタートダッシュがしやすくなります。

プラスワン まずは無料で試したい人向け

プラスワンは紙の書籍ではなく、就職四季報のオンライン版です。書籍を購入しなくても閲覧できるコンテンツが用意されており、学生向けのコラムなども読むことができます。いきなり書籍を買う前に、どのような情報が載っているのか感触をつかみたい場合は、まずプラスワンを覗いてみるとよいでしょう。詳しい内容は就職四季報の公式サイトで確認できます。

目的別に選ぶなら、この組み合わせが現実的

版の特徴が分かっても、5冊すべてを買う必要はありません。ここでは目的別に、優先して手に取るべき組み合わせを整理します。

STEP1

今の就活のフェーズを確認します。インターン準備の段階であれば企業研究・インターンシップ版、本選考が近い段階であれば総合版が起点になります。

STEP2

志望企業の顔ぶれを見て、追加する版を決めます。大手中心であれば総合版のみで足りることが多く、中堅・地方企業も候補に入れるなら優良・中堅企業版を足します。

STEP3

自分に必要な切り口をもう1冊で補います。女性としての働き方を具体的に検討したいなら働きやすさ・女性活躍版、まずは費用をかけずに様子を見たいならプラスワンから始めます。

総合版と優良・中堅企業版はどちらも上場企業を扱っていますが、掲載される企業の顔ぶれが異なるため、併用すると視野が一気に広がります。予算や時間が限られている場合は、まず総合版とプラスワンの組み合わせから始めて、業界を絞り込んだ段階で優良・中堅企業版を追加するという進め方も現実的です。

「会社四季報」を覗く価値がある就活生もいる

ここまで就職四季報を中心に説明してきましたが、会社四季報を開く意味がまったくないわけではありません。志望する業界によっては、投資家向けの情報が企業研究の質を上げてくれる場面があります。

金融・商社など投資家目線が問われる業界を志望する人

証券会社や銀行、総合商社といった業界を志望する場合、面接やグループディスカッションで企業の業績や株価動向について話題にのぼることがあります。会社四季報に書かれている業績予想や財務のコメントに目を通しておくと、企業研究の説明に厚みが増しますし、投資家目線での受け答えができるようになります。

業界研究の地図代わりに使う

会社四季報には業界ごとに企業を整理した誌面があり、同じ業界内でどの企業がどんな立ち位置にあるかを俯瞰する材料として使えます。志望企業1社だけを深掘りするのではなく、その企業が業界内でどう評価されているかを知りたいときには、就職四季報だけでなく会社四季報側の情報も補助線として役に立ちます。

四季報を読むときに見落とされがちなポイント

大学生が自室の机で就職情報誌を広げてノートにメモを取っている後ろ姿のイラスト

就職四季報は数字が並んでいるため、なんとなく眺めて終わってしまう学生も少なくありません。ですが、数字そのものより「なぜその数字なのか」を考えながら読むと、得られる情報の量は大きく変わってきます。

NAの意味を知らずに読み飛ばしていないか

就職四季報の誌面には「NA」という表記が登場します。これはNo Answerの略で、取材に対して企業側から回答がなかったことを示しています。

離職率や平均年収など、良い数字であれば公表した方が得になる項目がNAになっている場合は、公表したくない事情がある可能性を疑ってみる価値があります。すべてのNAが悪材料というわけではありませんが、他社が回答している項目でNAが続く企業については、選考の場で理由を確認してみるとよいと思います。

開示度の星の数が示すもの

各企業のページには「開示度」という指標が星の数で示されています。これは企業が就職四季報の取材にどれだけ積極的に情報を出しているかを相対的に評価したものです。

星の数が多い企業は、採用に関する情報公開に前向きな姿勢を持っていると読み取れます。星の数だけで企業の良し悪しを決めつけることはできませんが、他の情報と組み合わせる判断材料として活用できます。

離職率・有休消化率は前後の数字とセットで見る

離職率や有休消化率は単独の数字だけで判断すると誤った印象を持ちやすい項目です。離職率が低くても、母数となる社員数が極端に少なければ数字の振れ幅は大きくなりますし、有休消化率が高くても、繁忙期と閑散期で差が大きい業界であれば実態は数字ほど単純ではないこともあります。掲載されている数値は、業界内の他社や過去の号との比較で初めて意味を持つと考えておくと、読み違いを防げるはずです。

四季報だけで終わらせない企業研究の進め方

就職四季報は企業研究の出発点として優れた資料ですが、これだけで完結させてしまうのはもったいない使い方です。

有価証券報告書やIRページとの併用

上場企業であれば、有価証券報告書や決算説明資料をIRページで公開しています。就職四季報の数字はあくまで取材時点の要約であるため、より詳しい財務情報や中期経営計画を知りたい場合は、企業のIRページまで足を伸ばすと理解が一段深まります。

OB訪問や説明会で「NAの理由」を直接聞く

就職四季報を読んでNAや開示度の低さが気になった企業については、OB訪問や説明会の場で率直に質問してみることをおすすめします。数字として出てこなかった情報も、対話の中でなら聞き出せることがありますし、その企業がどう答えるかという姿勢そのものが、社風を判断する材料になります。

四季報選びに迷ったら、まず一冊で試してみる

「会社四季報 どれがいい」という疑問の答えは、就活生であれば会社四季報の号数を選ぶことではなく、就職四季報のどの版から手に取るかを決めることにあります。本格的な就職活動を控えているなら総合版、まだ準備段階なら企業研究・インターンシップ版、費用をかけずに様子を見たいならプラスワンが最初の一冊として現実的です。数字を眺めるだけで終わらせず、NAや開示度の背景まで読み解く姿勢を持てば、就職四季報は単なる企業データベース以上の武器になってくれるでしょう。

会社四季報と就職四季報は両方買うべきですか?

基本的には就職四季報だけで十分です。金融・商社など投資家目線が求められる業界を志望する場合や、業界全体を俯瞰したい場合に限り、会社四季報を補助的に参照する価値があります。

就職四季報はいつ頃発売されますか?

総合版・優良・中堅企業版・働きやすさ・女性活躍版は例年秋に発売されます。企業研究・インターンシップ版はそれより早く、例年5月ごろに発売される点に注意してください。

費用をかけずに就職四季報の情報を知る方法はありますか?

オンライン版のプラスワンであれば、書籍を購入しなくても一部のコンテンツを閲覧できます。書籍を買う前に情報の雰囲気を確かめたい場合は、まずプラスワンを利用してみるとよいでしょう。

この記事の監修者

株式会社ネット風評被害対策 代表取締役 内村淳

大学卒業後、サッカー選手を経て、大手風評対策会社に入社。
3年半にわたりナショナルクライアントを含む数々の炎上事案・ブランドイメージ毀損対策に従事。
その後、ネット誹謗中傷対策に特化した法律事務所に1年間従事し、法的観点からの対応知見を習得。
IT技術と法的アプローチの双方に携わってきた経験を持つ。
現在は15年以上の経験とノウハウをもとにネット風評被害対策専門会社を設立。あらゆるネット風評被害対策支援に加え、企業向けコンサルティングや同業他社へのサービス提供も行う。
日々進化するAI検索エンジンのアルゴリズムを徹底解析し、AI検索時代に適応した次世代の風評対策に注力している。

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