秋田で入ってはいけない運送会社一覧|荷役の労災と雪の日の勤務の見方

「秋田で入ってはいけない運送会社の一覧があれば、応募する前に避けられるのに」。求人票には給与や休日は書かれていても、事故や違反の記録までは書かれていないため、うわさに頼るしかないと考える人もいるでしょう。ところが、国土交通省と東北運輸局は行政処分を受けた運送会社の名前と処分の中身を公開しており、秋田県内の営業所に絞って自分で調べられます。

東北運輸局の令和7年度の集計では、秋田運輸支局の管内で行政処分等の対象になった一般貨物自動車運送事業の営業所は14か所でした(東北運輸局)。秋田労働局によると、令和7年に県内の道路貨物運送業で起きた休業4日以上の労働災害は80件で、事故の型では墜落・転落の25件が最も多く、交通事故(道路)は5件でした(秋田労働局)。運送会社を選ぶときは、処分の件数より理由を読み、荷の積み卸しの安全対策も確かめておきましょう。

本記事では、処分の記録の読み方から、新しく入る運転者が受ける指導、荷台の昇り降りの決まり、雪で遅れた日の勤務時間、令和8年10月14日に1,090円になった秋田県の最低賃金まで、就活キャリア研究所の視点で順にお伝えします。

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目次

秋田の運送会社が外から見分けにくい3つの理由

秋田の運送会社が外から見分けにくいのは、処分の件数が会社の数と一致せず、運輸と労働の記録が別々の場所に載り、けがの多くが交通事故以外で起きているからです。

処分の件数が会社の数と一致しないから

国土交通省の行政処分情報の検索は、過去5年間の処分等を載せており、都道府県は営業所の所在地で選ぶ仕組みです。載っているのは処分を行った時点の情報です(国土交通省)。

東北運輸局の令和7年度の集計で秋田運輸支局の行を見ると、一般貨物は14か所で、内訳は事業の停止が1件、車両使用停止が8件、警告が5件でした(東北運輸局)。月ごとの個表と照らすと14か所は14社の営業所で、そのうち3か所は秋田県の外に本社がある会社の、県内の営業所です(東北運輸局)。

軽自動車で運ぶ貨物軽自動車運送事業の表では、秋田運輸支局の行は65か所でした(東北運輸局)。ところが個表と照らすと、65か所はすべて同じ1つの事業者の営業所で、不適切な点呼の実施や記録を理由に処分を受けたものです(東北運輸局)。表の件数は会社の数ではないため、応募先の社名と、配属される営業所の所在地で記録を確かめましょう。

運輸の処分と労働の違反が別々に載るから

運送会社の記録は、担当する役所ごとに別の場所で公開されています。運行管理や車両の整備をめぐる処分は国土交通省と東北運輸局が、労働時間や労働災害の防止をめぐる労働基準関係法令の違反で送検などをした事案は、秋田労働局が公表しています。秋田労働局の公表事案の一覧には、令和8年10月1日現在、すべての業種を合わせて5件が載っています(秋田労働局)。

公表事案は、送検した事案などを公表日から概ね1年間掲載する決まりで、それより早く削除される場合もあります(厚生労働省)。運輸と労働のどちらか一方だけを見ても、会社の記録はそろいません。

けがの多くが交通事故以外で起きるから

秋田労働局の統計で、令和7年に県内の道路貨物運送業で起きた休業4日以上の労働災害80件を事故の型で分けると、多い順に墜落・転落が25件、動作の反動・無理な動作が18件、転倒が12件でした。交通事故(道路)は5件で、80件のうち75件は交通事故以外の型です。墜落・転落の25件のうち24件は、高さ2メートル未満からでした(秋田労働局)。

秋田労働局の統計は事故の型で分けたもので、どの作業中のけがかまでは分かりません。ただ、トラックの仕事には運転のほかに、荷台への昇り降りや荷の積み卸しがあります。荷台の昇り降りの決まりは労働安全衛生規則で定められており、運輸の処分の記録を見ても、会社がそれを守っているかは分かりません。

入ってはいけない運送会社に共通する4つの特徴

秋田で運送会社を見極める4つの視点を示した図(処分の理由・新人の指導・拘束時間・賃金の下限)

入ってはいけない運送会社かどうかは、処分の理由、新しく入る運転者への指導、勤務時間、賃金の4つを、会社が具体的に説明できるかで見分けられます。秋田で応募先を選ぶときに確かめたい特徴は、次の4つです。

  1. 処分の理由と改めたことを説明できない
  2. 新しく入る運転者への指導の予定がない
  3. 拘束時間の上限を超える運行を組んでいる
  4. 賃金が秋田県の最低賃金を下回る

処分の理由と改めたことを説明できない

処分には重さの段階があります。国土交通省の基準では、一般貨物と特定貨物の事業者への行政処分は、軽いものから順に自動車等の使用停止処分、事業停止処分、許可の取消処分です。これに至らないものとして、勧告と警告があります(国土交通省)。

処分には違反点数も付きます。処分日車数の10日車までごとに1点が付き、点数は管轄区域ごとに原則3年間累計されます。累積点数が81点以上になると、原則として許可の取消処分です。累積点数が30点以下の事業者でも、1つの営業所に270日車以上の処分日車数が付くと、原則として事業停止処分の対象になります(国土交通省)。

東北運輸局は、累積違反点数が20点を超える事業者の概要も公開しています。令和8年9月末時点で載っている12事業者のうち、秋田運輸支局の管内は1事業者でした(東北運輸局)。面接で処分歴を尋ねたときに、いつ、どの違反で、その後に何を改めたかを答えられるかで、管理の姿勢が分かります。

新しく入る運転者への指導の予定がない

秋田の処分の理由で最も多かったのは、運転者への指導と監督の不備です。令和7年度の個表で秋田県内の一般貨物の14か所を見ると、13か所に「運転者の指導監督義務違反」が、6か所に点呼の実施や記録の違反が挙がっています(東北運輸局)。

運送事業者は、主な道路の状況や安全な運転の技術、法令で守るべきことについて運転者を指導・監督し、日時や内容などを記録して営業所で3年間保存しなければなりません(e-Gov法令検索)。国土交通省の指針は、この指導と監督を毎年行うよう求めています(国土交通省)。

新しく雇われた運転者には、さらに特別な指導があります。同じ指針では、一般貨物の事業者などが運転者として新たに雇い入れた人に、法令や運転に関する事項を15時間以上、添乗などによる安全運転の実技を20時間以上指導します。乗務の前に行うのが原則で、やむを得ない場合は乗務を始めてから1か月以内です(国土交通省)。

ただし、乗務の前3年間にほかの一般貨物の事業者などで運転者として常時選任されていた人は、この特別な指導の対象から外れます。軽貨物の事業者で初めて乗務する人への特別な指導は、内容と時間が別に定められています。初任運転者のための適性診断は、乗務の前3年間に受けていない人が対象です(国土交通省)。未経験から入るなら、乗務の前にこの指導と適性診断を受ける日程が組まれているかを尋ねておきましょう。

拘束時間の上限を超える運行を組んでいる

トラック運転者の拘束時間は、1日13時間以内が原則で、延長する場合の上限は15時間です。休息期間は継続11時間以上を与えるよう努めることを基本に、継続9時間を下回らないこととされています。1か月は284時間、1年は3,300時間が原則です(厚生労働省)。これらの数字には、労使協定による1か月と1年の延長や、1週間の運行がすべて450km以上の長距離で休息を住所地以外で取る場合、2人で乗る場合、休息期間を分けて取る場合などの例外があります。

運送事業者は、国土交通大臣の告示で定める基準に従って運転者の勤務時間と乗務時間を決め、守らせなければなりません(e-Gov法令検索)。秋田の令和7年度の個表では、14か所のうち6か所に、この基準(乗務時間等基準告示)を守らなかった違反が挙がっています(東北運輸局)。

令和7年に全国の労働基準監督署などが監督指導したトラックの事業場3,175か所のうち、改善基準告示の違反は1,812か所で、1日の最大拘束時間の違反が1,408か所と最も多くなっています。違反が疑われる事業場を選んだ監督指導なので、運送会社全体の違反率ではありません(厚生労働省)。出社する始業の時刻と退社する終業の時刻を代表的な運行で尋ね、上の数字に当てはめると、無理のある運行かどうかの目安がつかめます。

賃金が秋田県の最低賃金を下回る

秋田県最低賃金は、令和8年10月14日から時間額1,090円です。改定前の1,031円から59円上がりました(秋田労働局)。

最低賃金と比べるのは、毎月支払われる基本的な賃金です。時間外・休日・深夜の割増賃金、賞与、精皆勤手当、通勤手当、家族手当などは含めません(厚生労働省)。時間外労働の対価として払われる固定残業代も、除いてから計算します。

月給制なら、対象になる月給を1か月平均の所定労働時間で割った額を1,090円と比べます。歩合給は、その期間の歩合給の総額を、歩合給を得るために働いた総労働時間で割って比べます(厚生労働省)。10月14日以降に働いた分の賃金は、求人が出た時期にかかわらず1,090円と比べます。

秋田の公的な情報で会社を確かめる手順

秋田で入ってはいけない運送会社一覧について公開されている情報を確かめている場面のイラスト

応募先の社名が決まったら、次の3つの手順で、運輸の処分と労働基準関係法令の違反の記録を順に調べます。

STEP1

国土交通省の行政処分情報の検索で、事業の種類に一般貨物か軽貨物、都道府県に秋田県を選び、事業者名を入れて調べます。都道府県は、本社ではなく営業所の所在地で選びます。掲載は処分の翌月末が目安です(国土交通省)。

STEP2

東北運輸局のトラック事業者の行政処分等の状況を開き、一般貨物と軽貨物の年度ごとの集計、月ごとの個表、累積点数が20点を超える事業者の概要に目を通します。個表には、営業所ごとに違反の内容が書かれています(東北運輸局)。

STEP3

秋田労働局の「労働基準関係法令に係る公表事案」のページから一覧のPDFを開き、応募先の社名がないかを探します(秋田労働局)。

3つとも何も出てこなくても、違反がなかったとは限りません。国の検索は過去5年分、労働局の公表事案は概ね1年分しか載らず、監査や監督指導を受けていない会社はそもそも記録に出ないからです。記録が見つかった会社も、すぐに候補から外さず、何を改めたかを面接で尋ねてから判断しましょう。

Gマークの一覧と事業の区分

処分の記録とは逆に、安全への取り組みが認められた事業所の一覧もあります。全日本トラック協会は、交通安全対策などへの取り組みを事業所単位で評価し、基準を満たした事業所を安全性優良事業所(Gマーク)として認定しています。2025年12月16日現在、安全性優良事業所は29,210事業所で、全事業所数の34.4%です(全日本トラック協会)。

都道府県別の2025年度申請分の一覧には、その年度に申請して認定された事業所だけが載っています。有効期間中のほかの事業所は2021〜2024年度申請分の一覧にあるため、秋田県の両方の一覧で配属先の営業所を探します(全日本トラック協会)。

事業の区分も確かめておきます。普通トラックで複数の荷主の荷物を運ぶ一般貨物自動車運送事業と、特定の荷主の荷物を運ぶ特定貨物自動車運送事業は許可の事業で、軽トラックで運ぶ貨物軽自動車運送事業は運輸支局長への届出の事業です(東北運輸局)。

荷役と雪の日の勤務で確かめたいこと

荷役と雪の日の勤務の扱いは処分の記録に出にくいため、法令の決まりを知ったうえで、面接で会社のやり方を尋ねて確かめます。

荷台の昇降設備と保護帽

最大積載量2トン以上のトラックに荷を積む作業や荷を卸す作業では、事業者は、床面と荷台の間などを安全に昇り降りするための設備を設けなければなりません。作業する人もその設備を使う決まりです(e-Gov法令検索)。昇降設備には、踏み台のような持ち運べるもののほか、トラックに付いている昇降用のステップも含まれます(厚生労働省)。

墜落による危険を防ぐ保護帽は、最大積載量5トン以上のトラックの積み卸しで着用させます。2トン以上5トン未満でも、平ボディ車やウイング車のように荷台の側面が開くトラックでは着用させ、テールゲートリフターが付いたトラックでは、リフターを使って積み卸すときに着用させます(e-Gov法令検索)。2トン以上5トン未満への対象の拡大は、令和5年10月から始まりました(厚生労働省)。車に踏み台やステップがあるか、保護帽を会社が用意するかは、応募の前に尋ねておきたい点です。

テールゲートリフターの特別教育

令和6年2月から、荷を積み卸す作業でテールゲートリフターを操作する業務は特別教育の対象です。教育は学科4時間と実技2時間で、操作にはスイッチのほか、キャスターストッパーの操作や昇降板の展開・格納も含まれます。施行の時点で6か月以上この業務に就いていた人は、一部の科目の時間を短くできます。厚生労働省の荷役作業の安全対策ガイドラインに基づく教育や、陸上貨物運送事業労働災害防止協会の講習を受けた人は、一部の科目を省けます(厚生労働省)。

事業者は、特別教育を行ったときに受講者や科目などの記録を作り、3年間保存します(e-Gov法令検索)。リフター付きの車に乗る仕事なら、特別教育を入社後のいつ、誰の費用で受けるのかを尋ねましょう。

雪で遅れた日の拘束時間の扱い

秋田県は、令和8年4月1日現在、県の全域が豪雪地帯に指定されている10道県の1つです(国土交通省)。運送事業者は、異常気象などで輸送の安全に支障が出るおそれがあるときは、乗務員に適切な指示をするなど、安全を確保する措置をとらなければなりません(e-Gov法令検索)。

運行の遅れの中には、拘束時間などの数え方から除ける時間があります。警報が出ている異常気象に遭い、運転中に正常な運行が難しくなった場合や、運転中に災害や事故で道路が封鎖されたり渋滞したりした場合などは、その対応にかかった時間を、1日の拘束時間、2日平均の運転時間、連続運転時間から除けます。除けるのは、運転日報の記録に加えて、気象庁のホームページの気象情報の写しなどで確かめられる時間だけです(厚生労働省)。

1か月の拘束時間などからは除けず、休憩に当たらない限り労働時間として扱います。勤務の後は、通常どおりの休息期間を与えます。平常時の交通の状況などから前もって予測できる渋滞は、この扱いになりません(厚生労働省)。雪で遅れた時間を運転日報にどう記録し、翌日の出勤時刻をどう決めるかを尋ねると、勤務時間の管理の様子が見えてきます。

秋田の運送会社選びでよくある質問

秋田県で運送会社を選ぶときによく寄せられる4つの疑問に答えます。

秋田で処分を受けた運送会社の一覧はありますか

あります。国土交通省の行政処分情報の検索で都道府県に秋田県を選ぶと、秋田県内の営業所が過去5年間に受けた処分等を調べられます(国土交通省)。東北運輸局も、一般貨物と軽貨物の個表を月ごとに掲載しています(東北運輸局)。

秋田県の最低賃金はいくらですか

令和8年10月14日から時間額1,090円で、改定前は1,031円でした(秋田労働局)。地域別最低賃金は毎年見直されるため、応募の時点で全国の一覧を確かめてください(厚生労働省)。

2トン未満のトラックなら昇降設備はなくてよいですか

荷台の昇降設備を義務づける労働安全衛生規則の規定は、最大積載量2トン以上のトラックが対象です。ただし、高さが1.5メートルを超える箇所で作業を行うときは、別の規定で昇降の設備を設けることになっており、作業の性質上著しく困難なときだけが除かれます(e-Gov法令検索)。厚生労働省は、2トン未満のトラックでも荷台までの昇降設備を設けることを望ましい措置としています(厚生労働省)。

業務委託の配送でも最低賃金は守られますか

働き方の実態によります。最低賃金法は、対象の労働者を、労働基準法第9条に定める労働者から家事使用人などを除いた人としています(e-Gov法令検索)。業務委託の契約でも、労働基準法上の労働者に当たるかは、契約の形式や名称にかかわらず実態で判断されます(厚生労働省)。迷ったときは、最寄りの労働基準監督署に尋ねましょう。

処分の理由と荷役の決まりを確かめてから応募しよう

秋田で入ってはいけない運送会社を名指しした公的な一覧はありません。それでも、行政処分を受けた事業者は国土交通省と東北運輸局が、送検などの事案は秋田労働局が公開しており、秋田県の記録を自分で調べられます。令和7年度に秋田運輸支局の管内で処分等を受けた一般貨物の14か所のうち13か所では、運転者の指導監督義務違反が処分の理由に挙がっていました。

記録を調べたら、面接では処分の中身と改めたこと、乗務の前に受ける指導の日程、荷台の昇降設備と保護帽、雪で遅れた日の記録の付け方を尋ねてみてください。賃金は、令和8年10月14日からの最低賃金1,090円と比べます。公開された記録と面接での答えを並べて、長く働ける会社を選んでいきましょう。

この記事の調査・執筆

就活キャリア研究所編集部

就活キャリア研究所編集部

就活キャリア研究所編集部は、就職・転職活動に役立つ企業情報やキャリアに関する情報を調査・発信する編集チームです。
企業の公式サイトや採用ページ、公開資料などをもとに、事業内容・年収・福利厚生・働く環境・口コミ・評判などを幅広く調査しています。
また、自己分析や面接対策、キャリア形成に関する情報も発信し、就活生や転職希望者が自分に合った企業・仕事を見つけられるよう、正確性と客観性を重視した記事制作に取り組んでいます。

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