武田薬品工業子会社ランキング|海外子会社の従業員数と売却した国内子会社

「武田薬品工業の子会社に入れば、日本で武田グループの一員として働けるのでは」。以前は日本製薬のように、国内で武田薬品工業の子会社として事業を行う会社があったため、そう考える人もいるかもしれません。ところが、武田薬品工業の2026年3月期の有価証券報告書は「日本においては、当社が研究開発、製造および販売を行っています」と書いています。報告書の「関係会社の状況」に社名が載る連結子会社41社は、どれも日本の外にある会社です。

同じ報告書で従業員数が分かる連結子会社を多い順に並べると、米国のバイオライフ・プラズマ・サービシズが9,272人で最も多く、武田ファーマシューティカルズU.S.A.の3,867人、米州武田開発センターの3,544人が続きます。従業員数が分かる14社のうち、武田薬品工業単体の従業員4,792人を上回るのは、バイオライフ・プラズマ・サービシズだけです。

本記事では、従業員数で並べた子会社のランキングから、売却された国内のグループ会社、日本で働く場合に分かる武田薬品工業の数字、公開資料で確かめる手順まで、就活キャリア研究所の視点で順にお伝えします。

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目次

武田薬品工業の子会社の従業員数ランキング

武田薬品工業の子会社を従業員数で並べると、上位3社はいずれも米国の会社です。従業員数と主な所在地は、2026年3月期の有価証券報告書の「主要な設備の状況」に、主な設備を持つ連結子会社として載っている2026年3月31日時点のものです(EDINET)。

この表に載る連結子会社は15社で、ドイツの武田Singen Real Estate GmbH & Co. KGだけは従業員数が書かれていません。残る14社の順位は次のとおりです。

  1. バイオライフ・プラズマ・サービシズ LP 9,272人 米国イリノイ州
  2. 武田ファーマシューティカルズU.S.A., Inc. 3,867人 米国マサチューセッツ州
  3. 米州武田開発センター Inc. 3,544人 米国マサチューセッツ州
  4. 武田マニュファクチャリング・オーストリア AG 2,982人 オーストリア
  5. バクスアルタUS Inc. 2,782人 米国ジョージア州
  6. 武田 GmbH 1,746人 ドイツ
  7. バクスアルタ・ベルギー・マニュファクチャリング S.A. 1,129人 ベルギー
  8. 武田マニュファクチャリング・イタリア S.p.A. 821人 イタリア
  9. シャイアー・ヒューマン・ジェネティック・セラピーズ Inc. 799人 米国マサチューセッツ州
  10. バクスアルタ・マニュファクチャリング S.à r.l. 649人 スイス
  11. 武田マニュファクチャリングU.S.A., Inc. 575人 米国イリノイ州
  12. 武田オーストリア GmbH 487人 オーストリア
  13. 武田アイルランド Limited 479人 アイルランド
  14. 武田マニュファクチャリング・シンガポール Pte. Ltd. 383人 シンガポール

14社のうち、設備の内容が「研究設備等」なのは米州武田開発センター、「管理販売設備等」なのは武田ファーマシューティカルズU.S.A.で、残る12社は「生産設備等」です。従業員数で並ぶ14社の多くは、生産設備を持つ会社です。

バイオライフ・プラズマ・サービシズ

バイオライフ・プラズマ・サービシズは、米国イリノイ州バンノックバーンを主な所在地とする会社で、武田薬品工業がほかの子会社を通じて議決権の100%を持っています。有価証券報告書は、グループの血漿収集施設を「バイオライフ」と書いています。

日本赤十字社によると、血漿は血液の成分の1つで、血漿分画製剤は一部を除き血漿を原料にしなければ製造できません(日本赤十字社)。武田薬品工業の報告書もヒト血漿を血漿分画製剤の重要な原材料と書いており、2026年3月期の血漿分画製剤の売上収益は1兆575億円でした。バイオライフの公式サイトは、2026年10月時点で米国内の血漿提供センターを238か所と案内しています(BioLife Plasma Services)。従業員数の1位は、薬を売る会社ではなく、薬の原料となる血漿を集める会社です。

武田ファーマシューティカルズU.S.A.

武田ファーマシューティカルズU.S.A.は、報告書が米国の主要な子会社に挙げる会社の1つで、所在地は米国マサチューセッツ州ケンブリッジです。武田薬品工業は同社に医薬品を販売しており、同社の設備の内容は「管理販売設備等」です。

報告書に損益の数字が載っている子会社は、売上収益が連結の売上収益の10%を超える武田ファーマシューティカルズU.S.A.だけです。2026年3月期の売上収益は2兆3,028億円で、同社の子会社2社を含む数字です。

米州武田開発センター

米州武田開発センターは、武田薬品工業から医薬品の開発と許可の取得を委託されている会社で、所在地は米国マサチューセッツ州ケンブリッジです。

同社の研究設備はケンブリッジにあります。報告書によると、ケンブリッジとレキシントンにある研究開発サイトは、武田グループの研究開発部門のグローバル本部です。消化器系・炎症性疾患とオンコロジーの研究開発は、このサイトが中心になっています。

日本の事業を担う武田薬品工業本体

日本の研究開発・製造・販売は、子会社ではなく武田薬品工業が自ら行っています。2026年3月31日時点の単体の従業員は4,792人で、従業員数が分かる子会社14社と比べると、1位のバイオライフ・プラズマ・サービシズに次ぐ規模です。

国内の拠点ごとの従業員数

有価証券報告書の「主要な設備の状況」には、武田薬品工業の国内の拠点ごとの従業員数も載っています。2026年3月31日時点で多い順に並べると、次のとおりです。

  • グローバル本社(東京都中央区ほか):1,065人
  • 光工場(山口県光市):1,051人
  • 営業拠点(東京都中央区ほか):1,010人
  • 湘南研究所(神奈川県藤沢市):604人
  • 大阪工場(大阪市淀川区):462人
  • 本社(大阪市中央区ほか):395人
  • 成田工場(千葉県成田市):206人

湘南研究所は湘南ヘルスイノベーションパークの中にあり、報告書はニューロサイエンス研究の拠点と書いています。大阪工場には血漿分画製剤の新しい製造設備を建てる計画があり、当初950億円だった投資予定総額を1,530億円に増やした後、建設費がさらに増える懸念が分かったため、計画の内容と着手・完了の時期を再検討しています。

売却された国内のグループ会社

武田薬品工業は、国内で事業を行っていたグループ会社の株式を、2017年から2025年にかけて相次いで他社に譲渡しました。報告書の沿革に載る2017年以降の主な譲渡は次のとおりです。

  • 2017年4月:試薬などの事業を営む和光純薬工業を富士フイルムに譲渡
  • 2021年3月:武田コンシューマーヘルスケアをBlackstoneに譲渡
  • 2024年7月:日本製薬をアリナミン製薬に譲渡
  • 2025年3月:関連会社だった武田テバファーマをTeva Pharmaceutical Industriesに譲渡

武田コンシューマーヘルスケアは、この譲渡で武田薬品工業との資本関係がなくなり、アリナミン製薬に社名を変えました(アリナミン製薬)。日本製薬は2021年4月に株式交換で武田薬品工業の完全子会社になり、2022年10月に大阪工場を除く血漿分画製剤の事業を武田薬品工業へ会社分割で移した後に売却されています。

報告書は、2026年3月期と、2026年4月1日から提出日までの間に、重要な事業売却はなかったと書いています。古い資料に武田のグループ会社として載っている会社は、新しい有価証券報告書の沿革で、株式が譲渡されていないかを確かめてください。

国内の特例子会社エルアイ武田

武田薬品工業の公式サイトの「国内事業所一覧」で、子会社・関連会社の欄に載っているのは株式会社エルアイ武田の1社です。エルアイ武田は特例子会社で、印刷・清掃・包装補助などの業務を行っています(武田薬品工業)。

特例子会社は、障害者の雇用に特別の配慮をした子会社です。一定の要件を満たすと、その子会社の従業員を親会社に雇用されているものとみなして、障害者の実雇用率を計算できます。民間企業の法定雇用率は2.7%です(厚生労働省)。

エルアイ武田の会社概要によると、2026年4月時点の従業員は122名で、そのうち92名が障がいのある社員です。設立は1995年6月16日、資本金は2,000万円です(エルアイ武田)。

武田薬品工業で年収が分かる範囲

武田薬品工業の有価証券報告書で平均年間給与が分かるのは、武田薬品工業単体だけです。154社ある連結子会社の年収は、この報告書には載っていません。

武田薬品工業単体の平均年間給与

武田薬品工業の平均年間給与は、2026年3月31日時点で1,144万5千円です。単体の従業員4,792人の平均で、平均年齢は44.0歳、平均勤続年数は14.8年です。賞与と基準外賃金を含み、前の事業年度からの増減率はプラス3.7%です。

連結の従業員は47,029人で、この平均に入るのは単体の4,792人だけです。従業員数はどちらも臨時従業員を除く正社員の数で、正社員のうちパートタイムで働く人はフルタイムに換算して数えています。1,144万5千円は武田薬品工業の社員の平均で、子会社の社員の年収を示す数字ではありません。

子会社の年収が載らない理由

子会社の年収が載らないのは、武田薬品工業の報告書に載る平均年間給与が提出会社である武田薬品工業の分だけで、「関係会社の状況」にも有価証券報告書を出している子会社が書かれていないためです。

金融庁が2026年2月20日に公表した改正で、2026年3月31日以後に終わる事業年度の報告書から、「従業員の状況」は「提出会社の状況」の中に移りました(金融庁)。子会社の経営管理を主な業務とする会社は、外国の会社を除く連結子会社のうち従業員数が最も多い会社の平均給与なども載せます。その会社の従業員数が連結の過半数に届かないときは、次に多い会社も含みます。

武田薬品工業は日本で研究開発・製造・販売を自ら行う会社で、報告書にこの数字は載っていません。この決まりで給与を載せる会社からは外国の会社が除かれるため、海外の子会社の給与はこの決まりの対象になりません。

女性管理職と男性の育休

武田薬品工業単体の管理職に占める女性の割合は22.5%、男性の育児休業取得率は89.7%です。男性の賃金に対する女性の賃金の割合は、全労働者で79.3%、正規雇用労働者で83.3%です。報告書は、女性の平均賃金が低い主な理由を、上級職の女性が少ないためと説明しています。

連結の女性管理職の割合は43%と書かれています。ただし、この数字はグループの従業員を1人以上直属の部下に持つ人を管理職とする武田独自の定義で、女性活躍推進法の定義とは異なります。単体の22.5%と連結の43%は、同じ物差しで比べられません。

武田薬品工業の子会社を比べる4つのポイント

武田薬品工業の子会社を比べる4つのポイントを示した図(所在地域・担う機能・議決権・設備の規模)

年収で比べられない武田薬品工業の子会社は、有価証券報告書で確かめられる次の4つのポイントで比べます。

  1. 所在する地域
  2. 担う機能
  3. 議決権の持ち方
  4. 設備の規模

所在する地域

「関係会社の状況」に社名が載る連結子会社41社を地域で分けると、米国が12社、欧州およびカナダが18社、中南米が4社、中国が4社、韓国とシンガポールが各1社、ロシアが1社です。

2026年3月期の売上収益を顧客の所在地で分けると、米国が2兆1,648億円、欧州およびカナダが1兆1,462億円、日本が4,331億円、中南米が2,541億円、中国が1,951億円です。日本の売上収益は全体の4兆5,057億円の1割に届かず、売上の半分近くを米国が占めています。

担う機能

子会社の「主要な事業の内容」は、武田グループが医薬品事業の1つのセグメントで成り立っているため、どの会社も「医薬品事業」です。仕事の中身は、「関係会社の状況」の関係内容と、「主要な設備の状況」の設備の内容から読み取ります。

関係内容の「当社」は、武田薬品工業のことです。武田薬品工業は、武田ファーマシューティカルズU.S.A.と武田オーストリアに医薬品を販売し、スイスの武田ファーマシューティカルズ・インターナショナルと武田アイルランドに医薬品の製造を委託しています。米州武田開発センターには医薬品の開発と許可の取得を委託し、バクスアルタUSからは医薬品を仕入れています。社債の償還を武田薬品工業が保証している武田U.S.ファイナンシングのように、資金の調達にかかわる会社もあります。

議決権の持ち方

「関係会社の状況」に社名が載る41社の議決権の所有割合は、すべて100%です。違いが出るのは、武田薬品工業が直接持っているか、ほかの子会社を通じて持っているかです。

武田薬品工業が議決権の100%を直接持つのは、武田ファーマシューティカルズ・インターナショナル、武田アイルランドと、アイルランドのシャイアーの名が付く2社の計4社です。バクスアルタ・マニュファクチャリングは、30.5%を直接、69.5%をほかの子会社を通じて持っています。残る36社は、武田薬品工業がほかの子会社を通じて議決権のすべてを持つ会社です。

設備の規模

「主要な設備の状況」の子会社の表は、設備の帳簿価額の合計が大きい順に並んでいます。1位は米国ジョージア州のバクスアルタUSで4,930億円、2位は武田ファーマシューティカルズU.S.A.の2,355億円、3位はバイオライフ・プラズマ・サービシズの1,953億円です。帳簿価額は国際会計基準(IFRS)に基づく金額です。

バクスアルタUSは、従業員数では2,782人で5位です。設備の大きさで並べた順位と、従業員数で並べた順位は一致しません。工場の大きさを見たいのか、働く人の多さを見たいのかで、使う数字を選びます。

公開資料で武田薬品工業の子会社を確かめる手順

武田薬品工業子会社ランキングについて公開されている情報を確かめている場面のイラスト

武田薬品工業の子会社を自分で調べるときは、有価証券報告書、武田薬品工業の公式サイト、厚生労働省のサイトを次の順に開きます。

STEP1

金融庁のEDINETで「武田薬品工業」の有価証券報告書を開きます(EDINET)。「関係会社の状況」で社名・住所・議決権の所有割合を、「主要な設備の状況」で子会社の従業員数と主な所在地を確かめます。平均年間給与は、「提出会社の状況」の中の「従業員の状況等」に載っています。

STEP2

武田薬品工業の公式サイトの「国内事業所一覧」で、国内の本社・工場・研究所と、子会社・関連会社の欄を確かめます(武田薬品工業)。STEP1の報告書の拠点ごとの従業員数と見比べると、配属先の規模が分かります。

STEP3

厚生労働省の職場情報総合サイト「しょくばらぼ」で社名を検索し、働き方や採用状況の情報が載っているかを見ます(厚生労働省)。掲載されていない会社もあります。

報告書の表に社名が見つからない海外の会社は、連結子会社の「その他113社」か、持分法適用関連会社等の10社にまとめられている可能性があります。報告書だけではどちらに入るかを確かめられないため、会社説明会などで武田薬品工業との資本関係を尋ねてください。

この記事の数字は、武田薬品工業が2026年6月17日に提出した第149期(2026年3月期)の有価証券報告書によるものです。翌年の報告書が出たら、同じ欄を開いて数字を見比べてください。

武田薬品工業の子会社に関するよくある質問

武田薬品工業の子会社は何社ありますか

2026年3月31日時点で、パートナーシップを含む連結子会社が154社、持分法適用関連会社等が10社です(EDINET)。連結子会社のうち「関係会社の状況」に社名が載るのは41社で、残りの113社は「その他」とまとめて書かれています。

アリナミン製薬や日本製薬は武田薬品工業の子会社ですか

どちらも子会社ではありません。武田コンシューマーヘルスケアの株式は2021年3月にBlackstoneへ譲渡され、同社はアリナミン製薬に社名を変えました。日本製薬は2024年7月にアリナミン製薬へ譲渡されています(アリナミン製薬)。

武田薬品工業の子会社の平均年収は分かりますか

有価証券報告書では分かりません。武田薬品工業の報告書に子会社の平均年間給与は載っておらず、「関係会社の状況」にも有価証券報告書を出している子会社は書かれていません。1,144万5千円は、武田薬品工業単体の従業員4,792人の平均です。子会社の給与の水準は、会社説明会や面接で給与の決め方とあわせて尋ねてください。

武田グループの従業員は何人ですか

2026年3月31日時点で、連結の従業員は47,029人、武田薬品工業単体の従業員は4,792人です(EDINET)。どちらも臨時従業員を除く正社員の数で、正社員のうちパートタイムで働く人はフルタイムに換算して数えています。

子会社の名前より先に本体の役割を確かめよう

武田薬品工業の有価証券報告書の「関係会社の状況」に社名が載る連結子会社41社は、どれも日本の外にある会社です。従業員数で並べると、米国で血漿を集めるバイオライフ・プラズマ・サービシズが9,272人で最も多く、日本の研究開発・製造・販売は武田薬品工業の4,792人が担っています。国内で事業を行っていた日本製薬や武田コンシューマーヘルスケアは、すでに売却されています。

志望する会社が武田グループのどこに位置するのか、日本で働くのか海外の会社に入るのかを、報告書の「関係会社の状況」と「主要な設備の状況」で確かめてみてください。武田グループで働く場所を選ぶときは、子会社の名前より先に、武田薬品工業本体が日本で何を担っているかを見ておきましょう。

この記事の調査・執筆

就活キャリア研究所編集部

就活キャリア研究所編集部

就活キャリア研究所編集部は、就職・転職活動に役立つ企業情報やキャリアに関する情報を調査・発信する編集チームです。
企業の公式サイトや採用ページ、公開資料などをもとに、事業内容・年収・福利厚生・働く環境・口コミ・評判などを幅広く調査しています。
また、自己分析や面接対策、キャリア形成に関する情報も発信し、就活生や転職希望者が自分に合った企業・仕事を見つけられるよう、正確性と客観性を重視した記事制作に取り組んでいます。

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