住友御三家とは|商事電工NEC3社の顔ぶれと旧御三家との違い

就職活動で企業研究を進めていると、「住友御三家」という言葉に行き当たることがあります。三井、三菱と並ぶ三大財閥のひとつである住友グループのなかで、とりわけ中核的な位置づけにあるとされる3社を指す呼び方です。

ただ、この言葉を少し掘り下げてみると、単に「住友グループの主要企業3社」という説明だけでは足りない事情が見えてきます。実は現在「御三家」と呼ばれている顔ぶれは、かつて別の3社を指していた時期があり、ある企業がグループを離れたことで入れ替わりが起きているのです。

この記事では、住友御三家が具体的にどの3社を指すのか、なぜ「新」という言葉が付くようになったのか、そして就職活動で御三家を調べる際にどのような視点を持つと理解が深まるのかを、順を追って整理していきます。

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目次

住友御三家とは、住友商事・住友電気工業・NECを指す言葉

現在「住友御三家」と呼ばれているのは、住友商事、住友電気工業、そして日本電気(NEC)の3社です。より正確には「住友新御三家」という呼び方が使われる場面も多く、両者はほぼ同じ意味で使われていると考えて差し支えありません。

この3社に共通しているのは、住友グループの社長会である白水会に名を連ね、グループ全体の方向性や事業精神を語るうえで中心的な役割を担ってきたという点です。売上規模や知名度だけでなく、グループ内での歴史的な位置づけによって「御三家」という呼称が定着してきました。

  1. 住友商事 ― 総合商社として国内外の事業をつなぐ
  2. 住友電気工業 ― 電線から自動車部品まで手がける製造業
  3. NEC ― ITシステムを担う情報通信企業(社名に「住友」は入らない)

3社の事業領域は、総合商社、電線・部品メーカー、情報通信企業とかなり異なります。それでも同じ「御三家」としてまとめて語られるのは、資本関係の強さや人事交流の量だけでなく、住友家が江戸時代から積み重ねてきた事業精神を共有する集団だという意識が重視されてきたためです。

なぜ「新」御三家と呼ぶのか、一度入れ替わった顔ぶれ

住友御三家の旧から新への顔ぶれを示す図解。旧御三家は住友銀行・住友金属工業・住友化学、新御三家は住友商事・住友電気工業・NEC

「住友御三家」にわざわざ「新」の字が付くようになった背景には、かつて別の3社が御三家と呼ばれていた時期があるという事情が関係しています。多くの解説記事は現在の3社紹介にとどまりがちですが、この入れ替わりの経緯を知っておくと、御三家という言葉の重みがより具体的につかめます。

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戦前は住友財閥として、住友銀行や住友金属工業、住友化学などが持株会社のもとで一体的に経営されていました。

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戦後の財閥解体で持株会社が解散し、各社は資本的に独立した企業として再出発します。

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高度成長期には、住友銀行(現・三井住友銀行)、住友金属工業、住友化学の3社が「住友御三家」と呼ばれるようになりました。

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2012年、住友金属工業が新日本製鐵と合併して新日鐵住金となり、住友グループから離れることになります。

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その空いた枠を、以前から白水会の中核を担ってきた住友商事、住友電気工業、NECの3社が埋める形で、「住友新御三家」という呼び方が定着していきました。

御三家という言葉は、企業の序列で1位を示す称号ではなく、住友の歴史を体現してきた企業への敬称に近いものだと捉えると、意味がつかみやすくなります。ランキング形式で語られることも多い言葉ですが、由来をたどると、そこには単純な優劣とは違う文脈があります。

御三家3社の素顔、事業の中身で見る立ち位置

ここからは、御三家3社がそれぞれどのような事業を手がけているのかを見ていきます。名前は知っていても、事業内容まで正確に説明できる就活生は意外と多くありません。

住友商事、総合商社としての立ち位置

住友商事は、三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、丸紅と並び、国内の総合商社を代表する5社の一角に数えられる企業です。金属、機械、生活関連、資源・化学品、メディア・デジタルなど幅広い分野で、国内外の事業に投資し、そのビジネスを実際に動かす役割を担っています。

総合商社という業態自体、貿易の仲介から事業投資へと役割を大きく変えてきた歴史があります。住友商事の場合も同様で、単なる「モノを右から左に流す」会社ではなく、事業そのものを育てる投資家に近い立場になってきている点は、志望動機を考えるうえでも押さえておきたいところです。

住友電気工業、電線から車載部品まで広がる製造の力

住友電気工業は、電線・ケーブルの製造を祖業としながら、自動車向けのワイヤーハーネス(車内の配線をまとめた部品)や光ファイバー、半導体材料など、幅広い分野に事業を広げてきたメーカーです。目立たない部品でありながら、自動車や通信インフラのなかで欠かせない役割を果たしています。

電線という一見地味な事業から出発し、時代の変化に合わせて自動車、エレクトロニクス、通信という成長分野へと軸足を広げてきた経緯は、単一事業に依存しない経営の粘り強さを示す例といえるでしょう。

NEC、社名に「住友」が付かない理由

御三家のなかでNECだけは、社名に「住友」の文字が入っていません。この点を疑問に思う就活生は少なくないでしょう。

NECの沿革をたどると、1899年に外国資本との合弁企業として設立された後、1920年に住友電気工業との間で株式を持ち合う関係が生まれ、1930年代から1940年代にかけて住友との資本関係を深めていったことが分かります。一時は社名を住友通信工業と改めた時期もあったほどです。戦後の財閥解体で資本関係は解消され、社名も日本電気に戻りましたが、その後も白水会への参加という形で、住友グループとのつながりは維持されてきました。

つまりNECが御三家に数えられるのは、現在の株式保有関係によるものというより、100年以上にわたる人的なつながりと、住友グループの一員としての自己認識が積み重ねられてきた結果だと理解しておくと納得しやすくなります。

御三家を支える仕組み、白水会と新居浜4社の役割

御三家という言葉だけを見ていると、住友グループが3社だけで成り立っているように誤解してしまいがちです。実際には、御三家を含めたグループ全体を束ねる仕組みが別に存在しています。

白水会とは何か

白水会は、住友グループの中核企業の社長が集う社長会で、現在は19社が参加しています。会員企業の社長が就任する際には、住友の事業精神の原点とされる家訓「文殊院旨意書」のレプリカを住友家の当主から受け取る慣習があり、春には住友家の別邸で祠堂祭、秋には都内で御招宴が催されるなど、単なる経営者同士の集まりを超えた儀礼的な結びつきを保っています。

なお、住友グループ広報委員会にはさらに広い33社が参加しており、白水会の19社はいずれもこの広報委員会にも名を連ねています。御三家は、その白水会のなかでもとりわけ発言力が強いとされる3社という位置づけです。

新居浜4社との役割の違い

住友グループを語るとき、御三家とあわせてよく登場するのが「新居浜4社」です。住友金属鉱山、住友化学、住友重機械工業、住友林業の4社を指し、いずれも別子銅山の鉱業から派生した事業を祖業としています。別子銅山は1691年に採掘が始まり、1973年まで280年以上にわたって住友一社によって経営された鉱山で、化学工業や重機械工業、林業といった事業は、この銅山経営の過程で枝分かれしてきました。

御三家が「現在のグループを代表する顔ぶれ」だとすれば、新居浜4社は「住友グループの源流を今に伝える顔ぶれ」といえます。どちらが上でどちらが下という関係ではなく、代表性と歴史性という異なる軸で語られていると理解しておくと、序列の話に惑わされずに済みます。

就活生が御三家を研究するときに押さえたい視点

就活生が大学の図書館でノートパソコンと企業研究のノートを広げてメモを取っている様子のイラスト

ここまで見てきた背景を踏まえて、実際にエントリーシートや面接で御三家について語る場合に、どのような視点を持っておくと説得力が増すのかを整理します。

御三家という言葉を序列としてそのまま使わない

御三家に入っていないから格下だと考えるのは早計です。ここまで見てきたとおり、御三家はグループの歴史的な経緯のなかで生まれた呼称であり、新居浜4社をはじめとする他の企業にも、それぞれ固有の強みと役割があります。面接の場で「御三家だから志望しました」とだけ語ってしまうと、企業研究の浅さを見透かされかねません。

むしろ大切なのは、御三家という括りを入り口にしながら、志望する1社が住友グループのなかでどのような役割を担っているのか、事業内容のレベルまで踏み込んで説明できるようにしておくことです。

事業精神という共通言語を知っておく

住友グループの企業を横断的に見ていくと、多くの会社が「事業精神」という言葉を経営理念のなかで用いていることに気づきます。江戸時代の商家の心得として住友家の始祖が残した「文殊院旨意書」に由来し、住友商事の経営理念にも受け継がれている考え方です。

この事業精神は、「住友の事業は住友自身の利益だけでなく、国家や社会の利益にもかなうものでなければならない」という趣旨の言葉に集約されます。業界も事業内容も異なる御三家3社が、なぜ同じグループとして結束していられるのかを説明する際、この共通の価値観に触れられると、企業研究の解像度が一段上がります。

住友御三家に関するよくある質問

住友御三家と住友新御三家は同じ意味ですか

ほぼ同じ意味で使われています。もともとの御三家(住友銀行、住友金属工業、住友化学)から顔ぶれが入れ替わったことを強調する場合に「新」を付けて呼ぶことが多く、現在の記事や求人情報で「住友御三家」とだけ書かれている場合も、住友商事、住友電気工業、NECの3社を指しているのが一般的です。

御三家に入っていない住友グループ企業は格下なのですか

そうとは言い切れません。住友金属鉱山や住友生命保険、住友不動産など、御三家に含まれない企業のなかにも、それぞれの業界で高い実績を持つ企業が数多くあります。御三家という呼称は、グループを代表する顔ぶれという意味合いが強く、事業の優劣や企業としての格を直接示すものではありません。

御三家を目指すにはどの業界の研究から始めればよいですか

3社の事業内容がそれぞれ異なるため、志望する会社によって研究すべき業界は変わってきます。住友商事であれば総合商社業界全体の役割の変化を、住友電気工業であれば自動車部品や電線業界の動向を、NECであればITシステム業界の全体像を押さえておくと、御三家という括りだけに頼らない、深みのある企業研究につながります。

まとめ

住友御三家は、住友商事、住友電気工業、NECの3社を指す言葉であり、かつては住友銀行、住友金属工業、住友化学が同じ呼び名で語られていた時期があります。住友金属工業がグループを離れたことで顔ぶれが入れ替わり、現在の3社が「新御三家」として中核を担うようになった、という経緯を押さえておくと、この言葉への理解がぐっと深まります。

御三家という呼称は序列そのものではなく、住友グループの歴史とともに変化してきた敬称に近いものです。就職活動で御三家に触れる際は、顔ぶれを覚えるだけで終わらせず、なぜその3社が中核とされてきたのか、それぞれの事業がどのような役割を担っているのかまで踏み込んで語れるようにしておくと、企業研究の深さが伝わりやすくなります。

この記事の著者情報

株式会社ネット風評被害対策 代表取締役 内村淳

ネット風評被害対策の専門家として15年以上の実績を持つ。
風評被害誹謗中傷対策・サジェスト対策・逆SEO対策・SNS炎上対応など、企業のWebリスク解決を累計10,000社以上支援。
ネット誹謗中傷対策に特化した法律事務所に1年間従事し、法的観点からの対応知見を習得。IT技術と法的アプローチの双方に携わってきた経験を持つ。
あらゆるネット風評被害対策支援に加え、企業向けコンサルティングや同業他社へのサービス提供も行う。
現在、日々進化するAI検索エンジンのアルゴリズムを徹底解析し、AI検索時代に適応した次世代の風評対策に注力している。

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