学習塾業界の大手企業ランキング|上場14社の売上高と講師の雇い方

「学習塾の大手といえば、河合塾や明光義塾」。駅前の看板やテレビCMでよく見る名前なので、業界研究をこうした塾から始める人は多いはずです。ところが、河合塾の公式サイトに載るコースを運営する2つの法人は上場しておらず、明光義塾を運営する会社の売上高には、フランチャイズ教室の授業料が入っていません。

2026年10月28日時点で最新の有価証券報告書をもとに、東京証券取引所に上場する学習塾の会社14社を売上高で並べると、1位は東進ハイスクールや四谷大塚を運営するナガセの641億円です。2位は早稲田アカデミーの376億円、3位は森塾と湘南ゼミナールを運営するスプリックスの351億円で、4位のリソー教育グループまでの4社が300億円を超えます。

本記事では、14社の売上高と事業を有価証券報告書の原文から並べ、ランキングが分かりにくい理由、塾の会社を見比べる視点、自分で確かめる手順まで、就活キャリア研究所の視点で順にお伝えします。

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目次

学習塾業界の大手企業ランキング上場14社

学習塾業界の大手企業を、上場している塾の会社の売上高の大きい順に並べると、次のとおりです。数字は各社の有価証券報告書にある「主要な経営指標等の推移」の売上高(ナガセは営業収益)で、億円未満を切り捨てています。

  1. ナガセ:641億円
  2. 早稲田アカデミー:376億円
  3. スプリックス:351億円
  4. リソー教育グループ:342億円
  5. 明光ネットワークジャパン:248億円
  6. 市進ホールディングス:186億円
  7. ステップ:158億円
  8. 成学社:151億円
  9. 学究社:130億円
  10. 秀英予備校:107億円
  11. 早稲田学習研究会:69億円
  12. 城南進学研究社:56億円
  13. 昴:33億円
  14. クリップコーポレーション:28億円

対象は、日本取引所グループが公表している2026年9月末の東証上場銘柄一覧に載る会社のうち、有価証券報告書の「事業の内容」で学習塾の運営を挙げ、学習塾を含む事業区分(セグメント)の売上高が全体の半分を超える会社です(日本取引所グループ)。

決算期は、ナガセ、早稲田アカデミー、成学社、学究社、秀英予備校、城南進学研究社、クリップコーポレーションの7社が2026年3月期です。リソー教育グループ、市進ホールディングス、昴の3社は2026年2月期、スプリックスとステップは2025年9月期、明光ネットワークジャパンは2025年8月期です。

早稲田学習研究会は決算期を3月から5月に変えたため、最新の2026年5月期は14か月の決算で、売上高は79億円です(早稲田学習研究会有価証券報告書)。ほかの会社と同じ12か月で比べるため、順位には2025年3月期の売上高を使っています(早稲田学習研究会有価証券報告書)。ステップ、早稲田学習研究会、昴の3社は子会社がなく、連結財務諸表を作成していないため単体の売上高です。ほかの11社は連結の売上高です。

売上高300億円を超える4社

1位のナガセから4位のリソー教育グループまでの4社は、売上高が300億円を超えます。

ナガセは、高校生向けの東進ハイスクール・東進衛星予備校・早稲田塾や、小・中学生向けの四谷大塚などを運営しています。2026年3月期の営業収益のうち、高校生部門が294億円、小・中学生部門が133億円です。水泳教室のイトマンスイミングスクールなどのスポーツ事業部門も177億円あります(ナガセ有価証券報告書)。

早稲田アカデミーは、小学1年生から高校3年生までを対象とした進学塾を、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県で直営しています。個別指導の部門では、フランチャイズ方式の教室も運営しています(早稲田アカデミー有価証券報告書)。

スプリックスは、先生1人に生徒2人までの個別指導塾「森塾」を直営249校舎で運営しています。2020年12月に全株式を取得した湘南ゼミナールは、集団指導を主とする「湘南ゼミナール」を200校舎で運営しています。2025年9月期の売上高は、森塾が185億円、湘南ゼミナールが92億円です(スプリックス有価証券報告書)。

リソー教育グループは2025年9月1日に持株会社体制に移り、子会社のTOMASが個別指導塾「TOMAS」を首都圏を中心に直営しています。2026年2月期の売上高のうち、学習塾事業が178億円、伸芽会の幼児教育事業が57億円、名門会の家庭教師派遣教育事業が51億円です。議決権の51.08%は、親会社のヒューリックが持っています(リソー教育グループ有価証券報告書)。

売上高100億〜200億円台の6社

5位の明光ネットワークジャパンから10位の秀英予備校までの6社は、売上高が100億円台から200億円台に並びます。

明光ネットワークジャパンは、個別指導塾「明光義塾」を直営とフランチャイズで展開しています。2025年8月期の報告書では、明光義塾の教室数は1,660教室、在籍生徒数は99,820名です(明光ネットワークジャパン有価証券報告書)。

市進ホールディングスは、「市進学院」「個太郎塾」「茨進」などの学習塾を運営しています。2026年2月期の売上高のうち、教育サービス事業が156億円、介護福祉サービス事業が30億円です。親会社の学研ホールディングスが、議決権の49.7%を持っています(市進ホールディングス有価証券報告書)。

ステップは神奈川県藤沢市に本店を置き、小学5年生から中学3年生向けの高校受験コースと、現役高校生向けの大学受験コースを運営しています(ステップ有価証券報告書)。成学社は「開成教育セミナー」や「個別指導学院フリーステップ」を、大阪府を中心とした近畿圏などで展開しています(成学社有価証券報告書)。

学究社は、中学・高校受験の進学塾「ena」を関東圏などで運営しています(学究社有価証券報告書)。秀英予備校は静岡市に本店を置き、小学生から高校生までの小中学部と、高校生と高卒生の高校部を運営しています(秀英予備校有価証券報告書)。

売上高100億円に満たない4社

11位の早稲田学習研究会から14位のクリップコーポレーションまでの4社は、売上高が100億円に届きません。

早稲田学習研究会は、集団指導塾「W早稲田ゼミ」などを運営しています。2026年5月期の売上高の割合は、埼玉県が40%、群馬県が34%、栃木県が19%です(早稲田学習研究会有価証券報告書)。

城南進学研究社は、個別指導塾「城南コベッツ」や映像授業教室「河合塾マナビス」などを運営しています。2026年3月期の売上高の構成比は、児童教育部門が33.5%、映像授業部門が30.8%で、個別指導部門は直営とフランチャイズを合わせて19.8%です(城南進学研究社有価証券報告書)。

昴は鹿児島市に本店を置き、事業は学習塾事業の単一セグメントです(昴有価証券報告書)。名古屋市に本店を置くクリップコーポレーションは、学習塾の教育事業のほか、サッカー教室や弁当の宅配も手がけています(クリップコーポレーション有価証券報告書)。

学習塾業界のランキングが分かりにくい3つの理由

学習塾業界のランキングが一覧ごとに違って見えるのは、上場していない予備校や塾があること、学習塾以外の事業が大きい会社があること、フランチャイズ教室の売上の扱いが会社ごとに違うことの3つが重なるからです。

上場していない予備校や塾があるから

河合塾の公式サイトは、学校法人河合塾と株式会社河合塾進学研究社のコースを載せています(河合塾)。この2つの法人は、2026年9月末の東証上場銘柄一覧に載っていません(日本取引所グループ)。

個別指導塾の東京個別指導学院は、2025年2月期の有価証券報告書では、ベネッセホールディングスが議決権の62.0%を持つ子会社でした(東京個別指導学院有価証券報告書)。日本取引所グループの上場廃止銘柄一覧によると、同社は支配株主等による買収で、2026年1月8日に上場を廃止しています(日本取引所グループ)。上場していない法人の数字は、この順位と同じ物差しでは並べられません。

学習塾以外の事業が大きい会社があるから

京進は、中学・高校受験の「TOPΣ」や個別指導の「スクール・ワン」などの学習塾を運営しています。ただし、決算期を変えて9か月の決算になった2026年2月期の売上高202億円のうち、学習塾事業は77億円で、保育・介護事業の92億円を下回ります(京進有価証券報告書)。

進学会ホールディングスは、子会社が学習塾を経営しています。2026年3月期の売上高67億円のうち、教育関連事業は10億円です。資金運用事業を行う子会社のSG総研の売上高は36億円で、この事業では有価証券の配当金や売却益、評価益を売上高に計上しています(進学会ホールディングス有価証券報告書)。

市進ホールディングスの親会社の学研ホールディングスも、教室や塾の事業を持っています。2025年9月期の売上高1,991億円のうち、教育分野は953億円で半分に届かず、サービス付き高齢者向け住宅などの医療福祉分野が950億円あります(学研ホールディングス有価証券報告書)。塾を運営する会社でも、売上高の半分以上が塾の売上とは限りません。

フランチャイズ教室の売上が入らないから

明光ネットワークジャパンの2025年8月期の売上高248億円のうち、明光義塾フランチャイズ事業の売上高は41億円です。この41億円はロイヤルティ収入や商品の売上などで、フランチャイズ教室の授業料などの売上231億円は含まれていません。直営教室の売上と合わせた明光義塾の教室の売上は376億円で、会社の売上高を上回ります(明光ネットワークジャパン有価証券報告書)。

ナガセも「東進衛星予備校」や「四谷大塚NET」をフランチャイズで展開しています。衛星事業のロイヤリティー収入は、加盟校で生徒が入学し、受講を申し込んだ時に売上に計上されます(ナガセ有価証券報告書)。教室数で並べた一覧と売上高の順位が合わないときは、フランチャイズ教室の扱いを確かめましょう。

学習塾の会社を見比べる4つの視点

学習塾の会社を見比べる4つの視点を示した図(対象の学年・指導の形・講師の雇用・年齢と勤続)

学習塾の会社の違いは、売上高の順位よりも、次の4つを有価証券報告書で見比べると見えてきます。

  1. 対象の学年:どの学年の生徒で売上を立てているかを見る
  2. 指導の形:1人の先生が何人の生徒を教えるかを見る
  3. 講師の雇用:従業員数と臨時雇用者数の比を見る
  4. 年齢と勤続:年収と平均年齢・勤続年数を並べて見る

対象の学年

同じ学習塾でも、売上の中心になる学年は会社ごとに違います。ナガセは2026年3月期の高校生部門が294億円で、小・中学生部門の133億円の2倍を超えます(ナガセ有価証券報告書)。ステップは2025年9月期の小中学生部門が125億円、高校生部門が33億円です(ステップ有価証券報告書)。

秀英予備校は2026年3月期の小中学部が93億円、高校部が13億円です(秀英予備校有価証券報告書)。高校生の大学受験を教えたいのか、中学生の高校受験を支えたいのかで、合う会社は変わります。

指導の形

1人の先生が教える生徒の数も、ブランドごとに違います。リソー教育グループの「TOMAS」は、ひと部屋に生徒1人と先生1人の個別指導を中心にしています(リソー教育グループ有価証券報告書)。スプリックスの「森塾」は先生1人に生徒2人までの個別指導で、湘南ゼミナールは集団指導型を主としています(スプリックス有価証券報告書)。

映像授業を中心にする教室もあります。城南進学研究社では、映像授業教室「河合塾マナビス」の映像授業部門が売上高の30.8%を占めます(城南進学研究社有価証券報告書)。面接では、配属される教室がどの指導の形で授業をしているかを尋ねてみてください。

講師の雇用

有価証券報告書の従業員数には、時間講師などの臨時雇用者は入らず、別の数字で書かれています。早稲田アカデミー単体の従業員は1,044人で、時間講師やパート事務などの臨時雇用者は年間平均6,445人です(早稲田アカデミー有価証券報告書)。ナガセ単体も、従業員486人に対し、パートタイマーを含む臨時雇用者が年間平均5,487人います(ナガセ有価証券報告書)。

ステップは、正社員と嘱託社員の954人のうち820人が小中学生部門と高校生部門の教務部門に属し、パートタイマーと各種契約社員は年間平均197人です(ステップ有価証券報告書)。早稲田学習研究会も、正社員を中心とした教師による授業を特徴に挙げています(早稲田学習研究会有価証券報告書)。正社員として教壇に立ちたいなら、従業員数と臨時雇用者数の比を見比べましょう。

臨時雇用者の数え方も会社ごとに違います。明光ネットワークジャパンは1日8時間・20日間の勤務に、スプリックス、秀英予備校、成学社は1日8時間の勤務に換算した人数で書いています。換算した人数は、換算していないほかの会社の人数とそのままでは比べられないため、並べるときは表の下の注記を読んでください。

年齢と勤続

平均年間給与は、平均年齢や平均勤続年数と並べて読むと意味が変わります。報告書を出した会社自身が塾を運営している12社の数字を、平均年間給与の高い順に並べると次のとおりです。

  1. ナガセ:38.3歳・12.0年・891万7,862円
  2. ステップ:39.5歳・12.5年・726万1,750円
  3. 早稲田学習研究会:36.5歳・7.3年・614万3,000円
  4. 早稲田アカデミー:39歳2か月・9年8か月・611万2,860円
  5. 明光ネットワークジャパン:36.9歳・7.7年・554万4,128円
  6. スプリックス:29.9歳・3.6年・508万5,757円
  7. 成学社:38.5歳・7.8年・502万1,000円
  8. 秀英予備校:37.8歳・12.5年・495万円
  9. 学究社:36.4歳・8.0年・486万6,780円
  10. 城南進学研究社:39.6歳・10.3年・442万6,641円
  11. 昴:43.2歳・13.8年・421万2,000円
  12. クリップコーポレーション:37.0歳・7.7年・378万2,176円

時点は、明光ネットワークジャパンが2025年8月31日、スプリックスとステップが2025年9月30日、昴が2026年2月28日、早稲田学習研究会が2026年5月31日、ほかの7社が2026年3月31日です。ステップの数字は短縮勤務の人を除く正社員の平均で、譲渡制限付株式による株式報酬を含みます(ステップ有価証券報告書)。早稲田学習研究会の数字は、14か月分の給与を12か月分に換算した金額です(早稲田学習研究会有価証券報告書)。

リソー教育グループは持株会社で、報告書を出した会社の従業員132人は、すべて特定のセグメントに区分できない全社(共通)に属します(リソー教育グループ有価証券報告書)。市進ホールディングスも持株会社で、報告書を出した会社の従業員は56人です(市進ホールディングス有価証券報告書)。2社の平均年間給与は持株会社で働く人の数字なので、上の並びに入れていません。

2026年3月31日以後に終わる事業年度の報告書からは、子会社の経営管理を主な業務とする会社は、外国会社を除く連結子会社で従業員数が最も多い「最大人員会社」の平均給与なども載せます(金融庁)。2社の2026年2月期の報告書は、その前のものです。

有価証券報告書で学習塾の会社を確かめる手順

学習塾業界の大手企業ランキングについて公開されている情報を確かめている場面のイラスト

上場している塾の会社の数字は、次の3つの手順で確かめられます。

STEP1

金融庁のEDINETで会社名を入れて書類を検索し、書類の種類が「有価証券報告書」で、事業年度が最も新しいものを開きます(金融庁)。表紙の事業年度の期間が12か月かどうかも確かめます。

STEP2

「事業の内容」と、セグメントごとの販売実績で、学習塾の売上が全体のどれだけを占めるかを確かめます。フランチャイズ教室がある会社は、ロイヤルティなどの売上と教室の売上が分けて書かれているかも見ます。

STEP3

「従業員の状況」で、平均年齢、平均勤続年数、平均年間給与と、臨時雇用者の人数を確かめます。表の下の注記で、臨時雇用者の数え方と平均年間給与の対象も読みます。

会社が東証に上場しているかどうかは、日本取引所グループの東証上場銘柄一覧で確かめられます。一覧は、毎月第3営業日に前月末のデータが載ります(日本取引所グループ)。上場をやめた会社は、上場廃止銘柄一覧に廃止の理由とともに載ります(日本取引所グループ)。

学習塾業界の大手企業でよくある質問

学習塾で売上高が一番大きい会社はどこ?

上場している塾の会社では、ナガセです。2026年3月期の連結の営業収益は641億円です(ナガセ有価証券報告書)。上場していない法人を含めた順位は、有価証券報告書だけでは決められません。

東京個別指導学院が入っていないのはなぜ?

2026年1月8日に上場を廃止したためです。日本取引所グループの上場廃止銘柄一覧では、廃止の理由は支配株主等による買収とされています(日本取引所グループ)。

平均年収が一番高い塾の会社はどこ?

報告書を出した会社自身が塾を運営している12社では、ナガセです。2026年3月31日時点の平均年間給与は891万7,862円で、平均年齢は38.3歳、平均勤続年数は12.0年です(ナガセ有価証券報告書)。持株会社の2社は、対象が違うため比べていません。

塾講師のアルバイトは従業員数に入るの?

14社とも、臨時雇用者の人数を従業員数とは別に書いています。早稲田アカデミーは、時間講師を臨時雇用者に含めると注記しています(早稲田アカデミー有価証券報告書)。城南進学研究社も、講師とアルバイトを臨時雇用者に含めています(城南進学研究社有価証券報告書)。

売上高の中身と講師の雇い方を確かめて選ぼう

学習塾業界の大手企業は、上場している塾の会社で比べると、ナガセが営業収益641億円で1位です。早稲田アカデミー、スプリックス、リソー教育グループの3社が300億円台で続きます。河合塾の公式サイトに載るコースを運営する2つの法人や、2026年1月に上場を廃止した東京個別指導学院は、この物差しでは並べられません。

会社ごとの違いが表れるのは、順位よりも中身です。どの学年の生徒で売上を立てているか、1人の先生が何人を教えるか、正社員と時間講師をどう組み合わせているか。気になる会社の有価証券報告書で事業の内容と従業員の状況を開き、自分が教えたい生徒と働き方に合うかを確かめてみてください。

この記事の調査・執筆

就活キャリア研究所編集部

就活キャリア研究所編集部

就活キャリア研究所編集部は、就職・転職活動に役立つ企業情報やキャリアに関する情報を調査・発信する編集チームです。
企業の公式サイトや採用ページ、公開資料などをもとに、事業内容・年収・福利厚生・働く環境・口コミ・評判などを幅広く調査しています。
また、自己分析や面接対策、キャリア形成に関する情報も発信し、就活生や転職希望者が自分に合った企業・仕事を見つけられるよう、正確性と客観性を重視した記事制作に取り組んでいます。

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