自動車部品業界の大手企業ランキング|デンソー首位の10社とトヨタ依存度

「自動車部品の大手といえば、デンソーやアイシンに続いて、豊田自動織機やジェイテクト、小糸製作所が並ぶはず」。どれも自動車部品を作る売上高の大きな会社なので、そう考える人もいるでしょう。ところが、東京証券取引所で輸送用機器に分類される部品メーカーを並べると、ジェイテクトと小糸製作所は別の業種なので入りません。豊田自動織機は2026年6月に上場を廃止しています。

輸送用機器に分類され、日本自動車部品工業会の正会員でもある上場企業41社を、2026年10月時点で最も新しい有価証券報告書の連結売上高で並べると、1位はデンソーの7兆5,399億円、2位はアイシンの5兆1,177億円、3位はトヨタ紡織の2兆370億円です。上位10社のうち7社は、トヨタ自動車が筆頭株主です。

本記事では、上位10社の顔ぶれから、順位が分かりにくい理由、会社を見比べる4つの視点、有価証券報告書で確かめる手順まで、順にお伝えします。

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目次

自動車部品業界の大手企業ランキングと上位10社の売上高

自動車部品の上場企業を連結売上高の大きい順に並べると、上位10社は次のとおりです。億円未満は切り捨てています。

  1. デンソー:7兆5,399億円
  2. アイシン:5兆1,177億円
  3. トヨタ紡織:2兆370億円
  4. 豊田合成:1兆1,467億円
  5. フタバ産業:6,779億円
  6. 東海理化電機製作所:6,447億円
  7. カヤバ:4,815億円
  8. テイ・エス テック:4,423億円
  9. 愛三工業:3,308億円
  10. 日本精機:3,278億円

対象は、日本取引所グループの東証上場銘柄一覧(2026年9月末)で33業種が輸送用機器の80社です。このうち、日本自動車部品工業会の2026年10月時点の会員企業一覧に正会員として載る41社を並べています。決算期は10社とも2026年3月期です。売上高の欄の名前は会社ごとに違い、デンソー、アイシン、トヨタ紡織、豊田合成、テイ・エス テック、日本精機は売上収益の額を並べています。

(参考:東証上場銘柄一覧(日本取引所グループ)、会員企業一覧(日本自動車部品工業会))

売上高が1兆円を超える4社

デンソーは、エアコンなどのサーマルシステムやインジェクタなどのパワトレインシステムの製品を作り、連結の従業員は154,716人です。トヨタ自動車への販売は1兆9,916億円で、売上収益の26.4%を占めます。アイシンは、トランスミッションやeAxleなどのパワートレイン関連、ブレーキなどの走行安全関連、パワースライドドアなどの車体関連の製品を作り、連結の従業員は113,292人です。

トヨタ紡織は、シートと内外装の事業を持ち、連結の従業員は45,521名です。豊田合成は、エアバッグやハンドルなどのセーフティシステム製品、インストルメントパネルなどの内外装部品、ウェザストリップ製品を作り、連結の従業員は41,304人です。

売上高が4,000億円を超える4社

フタバ産業は、ボデー系部品と排気系部品を手がけ、連結の従業員は10,104名です。東海理化電機製作所は、HMI製品、スマートシステム、シートベルト、シフトレバーなどを作り、連結の従業員は19,381人です。

カヤバは、四輪車用の油圧緩衝器などのAC事業に加え、建設機械メーカーなどに産業用油圧機器を売るHC事業と航空機器事業を持ち、連結の従業員は13,418人です。テイ・エス テックは、二輪車用シートと四輪車用シート、内装品などを作り、連結の従業員は13,558名です。

売上高が3,000億円台の2社

愛三工業は、燃料ポンプモジュールやスロットルボデー、キャニスタなどを作り、連結の従業員は8,712名です。日本精機は、四輪車用計器やヘッドアップディスプレイ、二輪車用計器などの車載部品を作り、連結の従業員は13,246名です。9位の愛三工業と10位の日本精機の差は29億円あまりで、11位はユニプレスの3,219億円です。

自動車部品のランキングが分かりにくい3つの理由

自動車部品の大手のランキングが分かりにくいのは、上場企業の業種区分に自動車部品がなく、上場をやめる会社が続き、売上高に部品以外の事業も入るからです。

東証の業種に自動車部品の区分がないから

東証の33業種の輸送用機器には、トヨタ自動車や本田技研工業などの自動車メーカーのほか、造船や鉄道車両の会社も入っています。反対に、自動車部品を作っていても輸送用機器に入らない会社があります。日本自動車部品工業会の正会員のうち、ジェイテクトは機械、小糸製作所は電気機器、住友電気工業は非鉄金属、日本発條は金属製品、日本特殊陶業はガラス・土石製品に分類されています。

電動パワーステアリングなどを作るジェイテクトの2026年3月期の売上収益は1兆9,249億円、自動車照明器などを作る小糸製作所の売上高は9,476億円です。2社を加えて並べ直すと、ジェイテクトは4位、小糸製作所は6位に入ります。

工業会の正会員には三菱電機や富士通のような電機メーカーも入っているため、正会員かどうかだけでは部品メーカーに絞れません。

2026年に上場をやめた部品メーカーがあるから

日本自動車部品工業会の正会員のうち、太平洋工業は2026年4月13日、豊田自動織機は2026年6月1日、ユタカ技研は2026年6月10日に上場を廃止しました。理由は、太平洋工業がMBO、豊田自動織機とユタカ技研が他社による買収で、いずれも公開買付けと株式併合によるものです。

(参考:上場廃止銘柄一覧(日本取引所グループ))

NOKは2026年9月29日に上場を廃止し、NOKとイーグル工業が共同株式移転で設立した持株会社のNOK Groupが、10月1日にプライム市場に上場しました。NOK Groupは9月末の上場銘柄一覧に載っていないため、上の順位には入れていません。

NOKの2026年3月期の連結売上高は7,384億円で、うちシール事業が3,673億円、電子部品事業が3,451億円です。上の順位に入れると、豊田合成に次ぐ5位に当たります。2026年9月以前に作られたランキングには、その後に上場をやめた会社が入っていることがあります。

売上高に自動車部品以外の事業が入るから

カヤバの売上高4,815億円のうち、自動車部品のAC事業は3,440億円で、産業用油圧機器のHC事業が1,238億円、航空機器事業が67億円です。提出会社の従業員で見ると、HC事業の1,639人がAC事業の1,606人を上回ります。

日本精機の売上収益3,278億円には、自動車販売事業の270億円や、空調・住設機器のコントローラーなどの民生部品事業の138億円が入り、車載部品事業は2,672億円です。車載部品事業だけで比べると、日本精機の2,672億円は11位のユニプレスの3,219億円を下回ります。

自動車部品の大手を見比べる4つの視点

自動車部品の大手を見比べる4つの視点を示した図(主な販売先・大株主・海外で働く人・年齢と勤続)

自動車部品の大手の違いは、売上高の順位よりも、次の4つを見比べると見えてきます。

  1. 主な販売先:どの自動車メーカーへの販売が大きいかを見る
  2. 大株主:自動車メーカーが株を持っているかを見る
  3. 海外で働く人:日本の拠点で働く人の割合を見る
  4. 年齢と勤続:平均年間給与と並べて見る

主な販売先

主な販売先の割合を見ると、その会社の売上がどの自動車メーカーとの取引に支えられているかが分かります。上位10社のうち、トヨタ自動車への販売が売上高の20%を超えるのは次の7社です。

  • 愛三工業:48.9%
  • フタバ産業:30.6%
  • アイシン:29.5%
  • デンソー:26.4%
  • トヨタ紡織:23.5%
  • 豊田合成:22.5%
  • 東海理化電機製作所:21.6%

割合は各社の報告書の「主な相手先別の販売実績」で、トヨタ自動車1社への販売です。豊田合成は、トヨタ自動車の子会社への販売を含めると58.0%になります。

本田技研工業との取引が大きい会社もあります。テイ・エス テックは、本田技研工業とその関係会社への販売が連結売上収益の86.4%を占め、日本精機は本田技研工業グループへの販売が29.6%です。カヤバのトヨタ自動車への販売は、同じ企業集団への販売を含めて10.5%です。

大株主

大株主を見ると、その会社が自動車メーカーとどこまで資本で結びついているかが分かります。上位10社のうちトヨタ自動車が筆頭株主の会社は7社で、持株比率は豊田合成の21.71%から東海理化電機製作所の34.38%までです。デンソーは22.24%、アイシンは22.34%、トヨタ紡織は32.43%です。

テイ・エス テックは本田技研工業が21.88%を持つ筆頭株主で、日本精機も筆頭株主は本田技研工業の6.53%です。カヤバでは信託銀行が筆頭株主で、トヨタ自動車は2番目の6.81%です。数字はいずれも2026年3月31日時点の「大株主の状況」で、自己株式を除いた発行済株式に対する割合です。

海外で働く人

連結の従業員のうち日本の拠点で働く人の割合は、会社ごとに大きく違います。アイシンは113,292人のうち日本の拠点が63,954人で半分を超え、デンソーは154,716人のうち76,417人です。

テイ・エス テックは13,558名のうち日本の拠点が2,282名で、米州の8,086名を大きく下回ります。豊田合成も41,304人のうち米州が14,740人で、日本の11,670人より多くなっています。

年齢と勤続

上位10社の平均年間給与を高い順に並べ、平均年齢と平均勤続年数を添えると次のとおりです。金額は報告書を出した会社自身の従業員の平均で、グループ全体の平均ではありません。

  • デンソー:915万2,532円(44.8歳・22.9年)
  • テイ・エス テック:779万6,981円(41.4歳・17.6年)
  • アイシン:777万2千円(40.7歳・17.3年)
  • トヨタ紡織:775万1,383円(41.3歳・17.6年)
  • 愛三工業:764万5,998円(44.6歳・21.7年)
  • 東海理化電機製作所:752万6,286円(43.6歳・21.5年)
  • 豊田合成:745万3,067円(44.1歳・20.2年)
  • カヤバ:709万969円(41.9歳・17.4年)
  • フタバ産業:682万1千円(38.9歳・16.0年)
  • 日本精機:624万3千円(43.7歳・18.3年)

10社とも2026年3月31日時点の数字で、賞与と基準外賃金を含みます。売上高1位のデンソーは平均年間給与でも1位で、2位のテイ・エス テックとは135万円あまりの差があります。テイ・エス テックの数字は、連結の従業員13,558名のうち、提出会社の1,649名の平均です。

前の年度からの増減率は、愛三工業がプラス7.5%、デンソーがプラス6.1%、アイシンがプラス5.4%と大きく、トヨタ紡織はマイナス0.2%でした。平均年齢が38.9歳と最も若いフタバ産業は、平均勤続年数も16.0年で最も短く、平均年間給与の差には年齢と勤続年数の差も入っています。

有価証券報告書で自動車部品の大手を確かめる手順

自動車部品業界の大手企業ランキングについて公開されている情報を確かめている場面のイラスト

この記事の数字は、次の3つの手順で確かめられます。

STEP1

日本取引所グループの東証上場銘柄一覧を開き、33業種区分が「輸送用機器」の会社を探します。気になる会社が日本自動車部品工業会の会員かどうかは、工業会の会員企業一覧で確かめます。工業会の一覧では、東海理化電機製作所は「(株)東海理化」、三櫻工業は「三桜工業(株)」のように、東証の銘柄名と社名の書き方が違う会社があります。

STEP2

金融庁のEDINETで会社名を入れて書類を検索し、事業年度が最も新しい有価証券報告書を開きます。「主要な経営指標等の推移」で連結売上高を、「生産、受注及び販売の実績」で主な相手先とその割合を確かめます。

STEP3

同じ報告書の「第4 提出会社の状況」で、「大株主の状況」の筆頭株主と、「従業員の状況等」の平均年間給与・平均年齢・平均勤続年数を見ます。連結の従業員数と提出会社の従業員数もあわせて見比べます。

2026年3月31日以後に終わる事業年度の報告書から、「従業員の状況」は「第1 企業の概況」から「第4 提出会社の状況」に移りました。2025年10月期のハイレックスコーポレーションのように、それより前に終わった事業年度の報告書では、前の位置に載っています。

(参考:「企業内容等の開示に関する内閣府令」等の改正の公布について(金融庁))

豊田自動織機のように上場をやめた会社や、Astemoのように上場していない部品メーカーの働き方は、厚生労働省の職場情報総合サイト「しょくばらぼ」で社名を検索すると分かる場合があります。掲載されていない会社もあります。

自動車部品業界の大手企業でよくある質問

自動車部品業界で売上高が一番大きい会社はどこですか

デンソーです。2026年3月期の連結の売上収益は7兆5,399億円で、2位のアイシンの5兆1,177億円を上回ります。この記事の順位は、東証で輸送用機器に分類され、日本自動車部品工業会の正会員でもある上場企業41社で並べたものです。

上位10社で平均年収が最も高いのはどこですか

デンソーです。2026年3月31日時点の提出会社の平均年間給与は915万2,532円で、賞与と基準外賃金を含みます。対象は提出会社の従業員43,889人で、平均年齢は44.8歳、平均勤続年数は22.9年です。

ジェイテクトや小糸製作所は自動車部品メーカーではないのですか

2社とも日本自動車部品工業会の正会員で、自動車部品を作っています。ジェイテクトは電動パワーステアリングなどの自動車事業のほかに産機・軸受と工作機械の事業を持ち、東証の業種は機械です。小糸製作所は自動車照明器のほかに航空機部品や鉄道車両部品も扱い、業種は電気機器です。

豊田自動織機は上場していますか

上場していません。豊田自動織機の株式は、他社による買収で公開買付けと株式併合が行われ、2026年6月1日にプライム市場で上場廃止となりました。2026年9月末の東証上場銘柄一覧にも載っていません。

売上高の順位の次は販売先と株主を確かめよう

東証で輸送用機器に分類される自動車部品の大手を連結売上高で並べると、デンソー、アイシン、トヨタ紡織、豊田合成の4社が1兆円を超えます。ただし、ジェイテクトや小糸製作所は業種が違うためこの順位に入らず、豊田自動織機は2026年6月に上場を廃止しています。

上位10社のうち7社はトヨタ自動車が筆頭株主で、テイ・エス テックは売上の大半を本田技研工業のグループに頼っています。気になる会社の有価証券報告書を開き、主な相手先と大株主、提出会社の従業員の状況を自分の目で読んでから比べてください。

この記事の調査・執筆

就活キャリア研究所編集部

就活キャリア研究所編集部

就活キャリア研究所編集部は、就職・転職活動に役立つ企業情報やキャリアに関する情報を調査・発信する編集チームです。
企業の公式サイトや採用ページ、公開資料などをもとに、事業内容・年収・福利厚生・働く環境・口コミ・評判などを幅広く調査しています。
また、自己分析や面接対策、キャリア形成に関する情報も発信し、就活生や転職希望者が自分に合った企業・仕事を見つけられるよう、正確性と客観性を重視した記事制作に取り組んでいます。

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