MS&ADインシュアランスグループ子会社ランキング|合併前の年収と社員数

「MS&ADの子会社なら、三井住友海上とあいおいニッセイ同和損保のどちらに入っても、年収はあまり変わらないだろう」。2社はどちらもグループの中核の損害保険会社で、2026年3月31日時点の従業員数も12,731人と12,515人でほぼ並ぶため、そう考えがちです。ところが、有価証券報告書に載っている同じ日の平均年間給与は、三井住友海上火災保険が814万8,828円、あいおいニッセイ同和損害保険が758万511円で、約57万円の差があります。

しかも2社は、2027年4月1日に合併して「三井住友海上あいおい損害保険株式会社」になる予定です。合併が予定どおり進めば、MS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社の傘下で中心にいる2社が1社になります。

本記事では、3社の年収ランキングと国内の保険会社5社の従業員数から、保険収益や出資の経路、合併の予定、公開資料で確かめる手順まで、就活キャリア研究所の視点で順にお伝えします。

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目次

MS&ADインシュアランスグループはどんな会社か

MS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社は、三井住友海上火災保険やあいおいニッセイ同和損害保険などを傘下に持つ保険持株会社です。株式は東京証券取引所のプライム市場と名古屋証券取引所のプレミア市場に上場しています(MS&ADホールディングス)。

三井住友海上が2008年に作った持株会社

MS&ADホールディングスは、2008年4月に三井住友海上火災保険が単独株式移転で設立した会社で、当時の社名は三井住友海上グループホールディングスでした。設立と同じ月に、東京証券取引所・大阪証券取引所・名古屋証券取引所の市場第一部に上場しています(EDINET)。

2010年4月には、株式交換によってあいおい損害保険とニッセイ同和損害保険が主要な連結子会社に加わり、同時に社名をMS&ADインシュアランスグループホールディングスに変えました。2社は同じ年の10月に合併し、あいおいニッセイ同和損害保険になっています。

子会社236社と関連会社36社

第18期(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の有価証券報告書によると、MS&ADホールディングスの関係会社は、2026年3月31日時点で子会社236社と関連会社36社です。グループの事業は、次の4つの区分に分かれています。

  • 国内損害保険事業
  • 国内生命保険事業
  • 海外事業
  • 金融サービス事業とデジタル・リスク関連サービス事業

「関係会社の状況」の表には、連結子会社のうち16社の社名が載り、残りは「その他220社」とまとめて書かれています。社名が載る16社のうち、国内の会社は6社で、保険会社5社と、リスクコンサルティングのMS&ADインターリスク総研です。連結の従業員は、2026年3月31日時点で46,856人です。

持株会社が直接出資する14社

MS&ADホールディングスが直接出資する主な会社として、グループの紹介ページは国内の保険会社5社と関連事業会社9社の14社を挙げています(MS&ADホールディングス)。保険会社5社は、損害保険の3社と生命保険の2社に分かれます。

関連事業会社には、MS&ADインターリスク総研のほか、グループの情報システムの企画から運用までを担うMS&ADシステムズや、海外のスタートアップに投資するMS&ADベンチャーズなどがあります。

14社のうち、自社の有価証券報告書を出しているのは三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険の2社です。2社とも有価証券報告書は出していますが、株式は上場していません。

MS&ADグループ3社の年収ランキング

MS&ADグループで有価証券報告書から平均年間給与が分かるのは3社で、持株会社のMS&ADホールディングスが最も高く、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険の順です。数字はどれも2026年3月31日時点の各社単体の値で、賞与と基準外賃金を含みます。

  1. MS&ADホールディングス 1,237万6,260円 従業員478人、平均年齢47.2歳、平均勤続年数21.7年、前の年度からの増減率はプラス8.2%。グループを統括する保険持株会社です。
  2. 三井住友海上火災保険 814万8,828円 従業員12,731人、平均年齢42.2歳、平均勤続年数14.8年、前の年度からの増減率はプラス0.3%。国内の連結子会社で従業員数が最も多い会社です。
  3. あいおいニッセイ同和損害保険 758万511円 従業員12,515人、平均年齢44.6歳、平均勤続年数16.4年、前の年度からの増減率はプラス5.8%。国内の連結子会社で従業員数が2番目に多い会社です。

3社の数字は、MS&ADホールディングスの有価証券報告書の「従業員の状況」から取りました(EDINET)。三井ダイレクト損害保険と生命保険の2社は、自社の有価証券報告書を出しておらず、持株会社の報告書にも平均年間給与が載らないため、ランキングには入りません。

持株会社の社員は全員が出向者

MS&ADホールディングスの有価証券報告書には、同社の従業員は全て子会社からの出向者だと書かれています。平均勤続年数の21.7年も、子会社で勤めた年数を通算した数字です。

持株会社の1,237万6,260円は、子会社から出向している478人の平均で、子会社の社員の平均とは数える人の範囲が違います。

三井住友海上とあいおいニッセイ同和損保の差

三井住友海上火災保険の平均年間給与は、あいおいニッセイ同和損害保険を56万8,317円上回っています。平均年齢はあいおいニッセイ同和損保が2.4歳高く、平均勤続年数も1.6年長いので、年齢と勤続年数の順は年収の順と逆です。

前の年度からの増減率は、あいおいニッセイ同和損保がプラス5.8%、三井住友海上がプラス0.3%でした。持株会社の有価証券報告書によると、三井住友海上は競合他社や外資系企業などに対して競争力のある業界トップ水準も見据えた処遇を目指しています。あいおいニッセイ同和損保は、幅広い層が魅力的と感じる報酬・処遇水準の実現を重視しています。

どちらの平均も、その会社の就業人員の平均で、休職者と臨時従業員は含みません。応募する職種で給与がどう決まるかは、平均の数字からは分からないため、説明会や面接で確かめます。

国内の保険会社5社を社員数で比べる

MS&ADホールディングスが直接出資する国内の保険会社5社を従業員数で並べると、損害保険の2社が1万2,000人台で並び、残りの3社は3,000人に届きません。数字は持株会社の有価証券報告書の「従業員の状況」にある2026年3月31日時点の各社単体の就業人員数で、子会社の従業員と臨時従業員は含みません。

  1. 三井住友海上火災保険 12,731人 資本金1,395億9,500万円。国内損害保険事業を営みます。
  2. あいおいニッセイ同和損害保険 12,515人 資本金1,000億500万円。国内損害保険事業を営みます。
  3. 三井住友海上あいおい生命保険 2,486人 資本金855億円。国内生命保険事業を営みます。
  4. 三井ダイレクト損害保険 514人 資本金441億600万円。国内損害保険事業を営みます。
  5. 三井住友海上プライマリー生命保険 418人 資本金410億6,000万円。国内生命保険事業を営みます。

上位2社の差は216人です。2社の従業員を単純に足すと25,246人になり、3位の三井住友海上あいおい生命保険の10倍を超えます。資本金は「関係会社の状況」の値です。

損害保険の3社

三井住友海上火災保険は、1918年10月に大正海上火災保険として設立された会社で、2001年10月に住友海上火災保険と合併して三井住友海上火災保険になりました。

あいおいニッセイ同和損害保険は、1918年6月に東京動産火災保険として設立されました。2001年4月に千代田火災海上保険と合併してあいおい損害保険になり、2010年10月にニッセイ同和損害保険と合併してあいおいニッセイ同和損害保険になりました。グループの紹介ページは、同社がトヨタグループ・日本生命グループとのパートナー関係を強め、「地域密着」営業を展開すると説明しています(MS&ADホールディングス)。

三井ダイレクト損害保険は、個人向けの自動車保険をインターネットや電話で扱う、ダイレクト型の通信販売専門の損害保険会社です。管理職に占める女性の割合は、2026年4月1日時点で三井住友海上が26.3%、あいおいニッセイ同和損保が25.2%、三井ダイレクト損保が19.0%です。管理職は課長職相当以上で執行役員を含まず、社外から来ている出向者は含めて数えています。

生命保険の2社

三井住友海上あいおい生命保険は、保障性の商品を中心に提供する生命保険会社です。旧社名は三井住友海上きらめき生命保険で、2011年10月にあいおい生命保険と合併しています。管理職に占める女性の割合は、2026年4月1日時点で27.1%と、国内の保険会社5社で最も高くなっています。

三井住友海上プライマリー生命保険は、金融機関の窓口での販売を専門にする生命保険会社で、個人年金保険や終身保険を中心とした資産形成型の商品を扱います。旧社名は三井住友海上メットライフ生命保険です。管理職に占める女性の割合は20.7%です。

MS&ADの子会社を見る4つの目安

MS&ADの子会社を見る4つの目安を示した図(保険収益・出資の経路・金融庁の名簿・合併の予定)

MS&ADの子会社を比べるときは、有価証券報告書と金融庁の名簿で確かめられる次の4つを見ます。

  1. 保険収益
  2. 出資の経路
  3. 金融庁の名簿
  4. 合併の予定

保険収益

グループ全体の2025年度の保険収益は6兆4,360億円で、セグメントごとに見ると海外事業の2兆5,076億円が最も大きくなっています。国内の会社では、三井住友海上火災保険の1兆9,347億円が最大です。持株会社の有価証券報告書は、保険収益と、親会社の所有者に帰属する当期利益を次のように載せています。

  • 海外事業:保険収益2兆5,076億円、当期利益2,344億円
  • 三井住友海上:保険収益1兆9,347億円、当期利益1,829億円
  • あいおいニッセイ同和損保:保険収益1兆4,451億円、当期利益1,189億円
  • 三井住友海上あいおい生命:保険収益2,562億円、当期利益は602億円の損失
  • 三井住友海上プライマリー生命:保険収益1,067億円、当期利益1,273億円
  • 三井ダイレクト損保:保険収益402億円、当期利益は22億円の損失

三井ダイレクト損保を除く5つの金額は、有価証券報告書の注記によると、セグメント間の内部取引を相殺する前の値です。三井住友海上あいおい生命の損失は、債券売却損の計上などで金融損益が1,669億円の損失になったためです。従業員418人の三井住友海上プライマリー生命が1,273億円の利益を出すなど、人数の順位と利益の順位は一致しません。

出資の経路

持株会社の「関係会社の状況」では、議決権の所有割合の括弧の中の数字が、子会社を通じた間接所有の割合を表します。国内の6社は100.0%で括弧の数字がなく、持株会社が全てを直接持っています。

一方、社名が載っている海外の連結子会社10社は、括弧の中も100.0%で、全てが子会社を通じた保有です。このうち9社は、米国のMSIG Holdings (U.S.A.), Inc.やスイスのMS Amlin AGなど、三井住友海上の有価証券報告書に連結子会社として載っています。残る1社の英国のAioi Nissay Dowa Europe Limitedは、あいおいニッセイ同和損保の連結子会社です(EDINET)。

海外事業の従業員も、三井住友海上のグループに多くいます。2026年3月31日時点で、三井住友海上の連結の海外事業は8,698人、あいおいニッセイ同和損保の連結の海外事業は1,599人です。合わせると、持株会社の報告書にある海外保険子会社の10,297人と同じになります。三井住友海上自身の連結の保険収益は4兆2,835億円で、海外の子会社の数字も含んでいます。

例外もあります。関連会社のうち中国・上海のBOCOM MSIG Life Insurance Company Limitedは、括弧の数字がない37.5%で、持株会社が直接持っています。持株会社の表に社名が載る海外の連結子会社10社は、どれも三井住友海上かあいおいニッセイ同和損保の子会社です。

金融庁の名簿

MS&ADの保険会社がどの種類の免許・認可・登録を受けているかは、金融庁が公開している名簿で確かめられます(金融庁)。2026年10月時点で公開されている4つの名簿には、グループの会社が次のように載っています。

  • 損害保険会社免許一覧(令和8年10月19日時点):三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険、三井ダイレクト損害保険
  • 生命保険会社免許一覧(令和8年10月1日時点):三井住友海上あいおい生命保険、三井住友海上プライマリー生命保険
  • 保険持株会社認可一覧(令和8年6月1日時点):MS&ADインシュアランスグループホールディングス
  • 少額短期保険業者登録一覧(令和8年10月20日時点):リトルファミリー少額短期保険、MSプラスワン少額短期保険

少額短期保険業者は、免許ではなく登録を受ける業者です。リトルファミリー少額短期保険は、あいおいニッセイ同和損保が議決権の98.5%を持つ連結子会社です。MSプラスワン少額短期保険は、2024年6月に三井住友海上の主要な連結子会社になりました。同じグループでも会社ごとに受けている免許・認可・登録が違い、少額短期保険の2社は損保2社のそれぞれの下にあります。

合併の予定

三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険は、2026年2月13日に合併契約書を結び、2027年4月1日に合併する予定です。三井住友海上を存続会社とし、新しい社名は三井住友海上あいおい損害保険株式会社、本店は東京都千代田区神田駿河台三丁目9番地です。合併は、株主総会の承認と関係当局の認可などが得られることを条件にしています。

2社の有価証券報告書によると、親会社のMS&ADホールディングスも、同じ2027年4月1日に社名を「三井住友海上グループ株式会社」に変える予定です。三井住友海上の報告書は、同社のグローバルな総合力とあいおいニッセイ同和損保の地域密着営業という2社の強みを維持・結集するとしています。人事制度は、三井住友海上のスキル型人事制度を合併後の会社が引き継ぐ予定です。

年収ランキングの2社の数字は合併前のもので、合併後の会社の平均年間給与は、2027年4月1日から始まる事業年度の有価証券報告書で確かめることになります。

公開資料でMS&ADの子会社を確かめる手順

MS&ADインシュアランスグループ子会社ランキングについて公開されている情報を確かめている場面のイラスト

MS&ADの子会社を自分で調べるときは、3社の有価証券報告書とグループの公式ページを次の順に開きます。

STEP1

金融庁のEDINETで「MS&ADインシュアランスグループホールディングス」の有価証券報告書を開きます(EDINET)。「関係会社の状況」で議決権の所有割合を、「従業員の状況」で会社ごとの従業員数と3社の平均年間給与を確かめます。

STEP2

同じEDINETで、三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険の有価証券報告書を開きます(EDINET)。「関係会社の状況」で海外の子会社を、「重要な契約等」で合併契約の内容を確かめます。

STEP3

MS&ADホールディングスの採用情報のページで、グループ各社の採用サイトと、新卒採用をしているかを確かめます(MS&ADホールディングス)。保険会社の免許の種類は、金融庁の名簿で確かめます(金融庁)。

この記事の年収と従業員数は、3社が2026年6月30日に提出した2026年3月期の有価証券報告書によるものです。グループの紹介ページにも従業員数が載っていますが、三井住友海上が12,093名、あいおいニッセイ同和損保が11,977名で、有価証券報告書の2025年3月期の数字と同じです。会社どうしを比べるときは、同じ時点の有価証券報告書の数字にそろえます。

MS&ADの子会社に関するよくある質問

MS&ADの子会社は何社ありますか

第18期の有価証券報告書では、2026年3月31日時点で子会社が236社、関連会社が36社です(EDINET)。表に社名が載っている連結子会社は16社で、残りは「その他220社」です。

三井住友海上あいおい生命は三井住友海上の子会社ですか

三井住友海上の子会社ではなく、MS&ADホールディングスが議決権の100%を直接持つ子会社です。2008年7月に、三井住友海上が持っていた三井住友海上きらめき生命保険(のちの三井住友海上あいおい生命保険)の株式の全てを、持株会社に配当する方法で移しました。三井住友海上が持っていた三井ダイレクト損害保険と、のちの三井住友海上プライマリー生命保険の株式も、このとき同じ方法で移っています。

あいおいニッセイ同和損保は上場していますか

上場していません。あいおい損害保険だった2010年3月29日に、東京・大阪・名古屋の各証券取引所で上場廃止になり、翌月の株式交換でMS&ADホールディングスの子会社になりました。株式は上場していませんが、有価証券報告書は出しています。

新卒採用をしていないグループ会社はありますか

MS&ADホールディングスの採用情報のページでは、2026年10月時点で、MS&ADビジネスサポートとMS&ADスタッフサービスに「現在、新卒採用は行っておりません」と書かれています(MS&ADホールディングス)。保険会社5社やMS&ADインターリスク総研、MS&ADシステムズなどは、同じページに採用サイトへのリンクがあります。

合併の予定まで含めて子会社を選ぼう

MS&ADインシュアランスグループホールディングスの子会社は236社あり、国内の保険会社5社は持株会社が直接持っています。損保2社は従業員数が216人しか違わない一方で、平均年間給与は三井住友海上火災保険があいおいニッセイ同和損害保険を約57万円上回りました。

その2社は、2027年4月1日に合併して三井住友海上あいおい損害保険になる予定です。年収の順位だけで志望先を決めず、保険収益の大きさや、海外の会社がどの会社の下にあるか、合併後に何を引き継ぐかも、有価証券報告書で確かめてみてください。合併前の数字と合併の予定を並べて読むと、MS&ADグループの中での会社の位置が分かります。

この記事の調査・執筆

就活キャリア研究所編集部

就活キャリア研究所編集部

就活キャリア研究所編集部は、就職・転職活動に役立つ企業情報やキャリアに関する情報を調査・発信する編集チームです。
企業の公式サイトや採用ページ、公開資料などをもとに、事業内容・年収・福利厚生・働く環境・口コミ・評判などを幅広く調査しています。
また、自己分析や面接対策、キャリア形成に関する情報も発信し、就活生や転職希望者が自分に合った企業・仕事を見つけられるよう、正確性と客観性を重視した記事制作に取り組んでいます。

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