西武ホールディングス子会社ランキング|年収が載る4社の1位は西武不動産

「西武グループの子会社は上場していないので、年収は外から分からない」。子会社で自社の有価証券報告書を出しているのは伊豆箱根鉄道だけなので、そう考える人もいるでしょう。ところが、西武ホールディングスの2026年3月期の有価証券報告書には、社員の多い子会社など3社の平均年間給与が載っています。伊豆箱根鉄道の報告書と合わせると、4社の年収を同じ時点で比べられます。

4社を2026年3月31日時点の平均年間給与で並べると、1位は西武不動産の785万5,768円、2位は西武鉄道の741万9,971円です。3位はホテルやスキー場の事業所を持つ西武・プリンスホテルズワールドワイドの541万6,061円、4位は伊豆箱根鉄道の518万2,919円です。4社とも、持株会社である西武ホールディングス単体の871万5,652円を下回ります。

本記事では、4社の顔ぶれから、年収の数字を比べるときの注意点、年収以外で子会社を比べる4つのポイント、公開資料で確かめる手順まで、西武ホールディングスの2026年3月期の有価証券報告書をもとに、就活キャリア研究所の視点で順にお伝えします。

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目次

西武ホールディングスの子会社を年収で並べた4社

西武ホールディングスの子会社のうち、平均年間給与を有価証券報告書で確かめられるのは次の4社です。金額は2026年3月31日時点の平均で、賞与と基準外賃金を含みます。

  1. 西武不動産:785万5,768円(180名)
  2. 西武鉄道:741万9,971円(3,607名)
  3. 西武・プリンスホテルズワールドワイド:541万6,061円(7,447名)
  4. 伊豆箱根鉄道:518万2,919円(357人)

上の3社の数字は西武ホールディングスの報告書の「最大人員会社の状況」に、伊豆箱根鉄道の数字は同社自身の報告書の「提出会社の状況」に載っています。比べる相手になる西武ホールディングス単体の社員は386名で、平均年齢は40.7歳、平均勤続年数は15.5年です。

(参考:西武ホールディングス 有価証券報告書(EDINET)、伊豆箱根鉄道 有価証券報告書(EDINET))

3社の平均年間給与は、3月末にその会社で働く社員に、その会社か出向元の会社が支払った給与の平均です。グループの別の会社から出向している社員は、主に勤務している会社の人数に数えられています。

西武不動産

西武不動産は、もとの株式会社プリンスホテルが社名を2度変えた会社です。2022年4月に西武プロパティーズを吸収合併して西武リアルティソリューションズとなり、2023年4月に西武鉄道から不動産事業と沿線観光事業を引き継いで、2025年4月に西武不動産へ社名を変えました。

資本金は86億円で、西武ホールディングスが議決権の100.0%を持ちます。2026年3月期の営業収益は2,124億4,200万円で、商業施設や駅ビルに関連する施設、ダイヤゲート池袋などのオフィスビルを保有・経営しています。社員180名の平均年間給与は、前の年度より10.8%増えました。

西武鉄道

西武鉄道は、東京都北西部と埼玉県南西部で12路線、営業キロ176.6km、92駅の鉄道を運行する会社です。1949年5月に東京証券取引所に上場し、2004年12月に上場を廃止しました。資本金は216億6,523万円で、西武ホールディングスが議決権の100.0%を持ちます。

2026年3月期の営業収益は1,238億1,600万円です。社員3,607名の平均勤続年数は21.3年で、4社の中で2番目に長くなっています。

西武・プリンスホテルズワールドワイド

西武・プリンスホテルズワールドワイドは、2021年12月に設立され、2022年4月に株式会社プリンスホテルから事業の一部を引き継いだ会社です。西武不動産が持つ品川プリンスホテルや東京プリンスホテルなどの運営を任されており、ホテルやゴルフ場、スキー場の事業所を持ちます。

社員は7,447名で、国内の連結子会社の中で最も多く、ほかに臨時の従業員が年間平均で2,383名います。資本金は1億円で、西武ホールディングスが議決権の100.0%を持ちます。

伊豆箱根鉄道

伊豆箱根鉄道は、静岡県三島市に本店を置き、伊豆・箱根エリアで2路線、営業キロ29.4kmの鉄道を運行する会社です。1961年10月に東京証券取引所第二部に上場し、2004年12月に上場を廃止しましたが、2026年3月期も自社で有価証券報告書を出しています。

伊豆箱根鉄道の議決権の74.0%は西武鉄道が持っており、西武ホールディングスから見るとすべてが間接所有です。社員357人の平均年齢の44.04歳は4社の中で最も高く、平均勤続年数の22.09年も最も長くなっています。

西武ホールディングスの子会社の年収が比べにくい3つの理由

西武ホールディングスの子会社の年収が比べにくいのは、数字が載る会社が限られ、載っている数字も対象の社員や年齢の構成が会社ごとに違うからです。

年収が載る子会社が4社だけだから

西武ホールディングスの連結子会社は105社ありますが、平均年間給与が有価証券報告書に載るのは4社だけです。2026年3月31日以後に終わる事業年度の報告書から、主に子会社の経営管理を行う会社は、外国会社を除く連結子会社で従業員数が最も多い会社の平均給与も載せることになりました。その会社の従業員数が連結の過半数を超えない場合は、次に従業員数の多い会社も対象です。

(参考:「企業内容等の開示に関する内閣府令」等の改正の公布について(金融庁))

国内の連結子会社で最も社員が多い西武・プリンスホテルズワールドワイドの7,447名は、連結の従業員21,557名の3分の1あまりです。過半数に届かないため次に多い西武鉄道の数字も載り、西武不動産の数字も「その他グループ主要会社」として載っています。この3社と西武ホールディングスで働く人は合わせて11,620名で、連結の従業員の半分あまりです。

伊豆箱根鉄道の数字にバスとタクシーが入らないから

伊豆箱根鉄道の連結の従業員は1,195人で、提出会社の357人は鉄道の253人とレジャー・不動産の104人です。バスの303人とタクシーの535人は、子会社の伊豆箱根バスと伊豆箱根交通で働いています。

伊豆箱根鉄道の報告書の平均年間給与は、伊豆箱根鉄道自身の社員357人の平均です。伊豆箱根鉄道の518万2,919円は、伊豆箱根のバスやタクシーで働く人の年収ではありません。

平均年齢と勤続年数が会社ごとに違うから

平均年間給与の差には、社員の年齢と勤続年数の差も入っています。4社と西武ホールディングスの平均年齢と平均勤続年数は次のとおりです。

  • 西武不動産:43.4歳・15.5年
  • 西武鉄道:41.9歳・21.3年
  • 西武・プリンスホテルズワールドワイド:41.4歳・15.3年
  • 伊豆箱根鉄道:44.04歳・22.09年
  • 西武ホールディングス:40.7歳・15.5年

西武不動産と西武・プリンスホテルズワールドワイドは平均勤続年数がほぼ同じでも、平均年間給与には約244万円の差があります。西武ホールディングスと3社の平均勤続年数は、グループの会社から出向している社員について、出向元での年数を通算した数字です。

前の年度からの増減率も会社ごとに分かれます。西武不動産がプラス10.8%、西武鉄道がプラス3.0%、伊豆箱根鉄道がプラス2.8%、西武・プリンスホテルズワールドワイドがプラス1.1%で、西武ホールディングス単体はマイナス2.2%でした。

西武ホールディングスの子会社を比べる4つのポイント

西武ホールディングスの子会社を比べる4つのポイントを示した図(議決権割合・営業収益・女性管理職・男性の育休)

西武ホールディングスの子会社は、年収のほかに、親会社の有価証券報告書に載る次の4つの数字で比べられます。3つ目と4つ目は、連結子会社のうち24社が載る表で確かめられます。

  1. 議決権の所有割合
  2. 営業収益の大きさ
  3. 女性管理職の割合
  4. 男性の育休取得率

議決権の所有割合

議決権の所有割合を見ると、西武ホールディングスがその会社をどこまで持っているかが分かります。「関係会社の状況」に名前が載る国内の連結子会社のうち、割合が100%に満たないのは、NWコーポレーションの91.8%、伊豆箱根鉄道の74.0%、横浜アリーナの63.0%の3社です。

表で括弧に入った数字は、子会社を通じた間接所有の割合です。名前が載る国内の連結子会社で、西武ホールディングスが直接持つのは西武不動産、西武鉄道、西武・プリンスホテルズワールドワイドの3社で、西武バスや近江鉄道、西武ライオンズは議決権の100.0%がすべて間接所有です。

営業収益の大きさ

連結子会社のうち営業収益が報告書に載るのは、グループ内の取引を除いた売上高が連結の10%を超える西武不動産と西武鉄道の2社です。2026年3月期の営業収益は、西武不動産が2,124億4,200万円、西武鉄道が1,238億1,600万円で、西武ホールディングスの連結の営業収益は5,132億8,600万円です。

伊豆箱根鉄道の2026年3月期の連結の営業収益は105億4,638万円です。社員が7,447名いる西武・プリンスホテルズワールドワイドの営業収益は、報告書に載っていません。

女性管理職の割合

管理職に占める女性の割合は、西武ホールディングス単体が9.8%です。表に載る連結子会社24社のうち、年収が分かる4社の割合は、西武不動産が9.4%、西武・プリンスホテルズワールドワイドが8.7%、西武鉄道が8.3%、伊豆箱根鉄道が3.1%です。

24社で最も高いのは西武ペットケアの66.7%で、西武緑化管理の45.5%、西武プロセスイノベーションの23.8%、西武造園の22.6%が続きます。表で「−」となっている西武バスや西武ハイヤーなど7社は、女性管理職の割合が0です。

男性の育休取得率

男性の育休取得率は、その年度に配偶者が出産した男性社員の数に対する、その年度に育児休業等をした男性社員の数の割合です。育児休業等をした人の数は、配偶者の出産がその年度だったかどうかを問わないため、100%を超えることがあります。

(参考:育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則(e-Gov法令検索))

西武ホールディングス単体は128.6%です。4社では西武不動産と伊豆箱根鉄道が100.0%、西武鉄道が93.1%、西武・プリンスホテルズワールドワイドが67.3%で、表の24社で最も低いのは横浜八景島の50.0%です。ホテルやレジャー施設の会社を志望するなら、男性社員の育休の取り方を説明会で具体的に尋ねてみましょう。

公開資料で西武ホールディングスの子会社を確かめる手順

西武ホールディングス子会社ランキングについて公開されている情報を確かめている場面のイラスト

この記事の数字は、次の3つの手順で確かめられます。

STEP1

金融庁のEDINETで「西武ホールディングス」の有価証券報告書を開きます。「関係会社の状況」で議決権の所有割合を、「第4 提出会社の状況」の「従業員の状況等」で子会社3社の平均年間給与と連結子会社の女性管理職の割合などを確かめます。

STEP2

志望する会社が伊豆箱根鉄道なら、EDINETで同社の有価証券報告書を開き、単体と連結の従業員数を見比べます。それ以外の会社は、西武ホールディングスの企業一覧から各社の公式サイトを開きます。厚生労働省の職場情報総合サイト「しょくばらぼ」で社名を検索する方法もあります。

STEP3

西武ホールディングスのニュースリリースで、報告書の提出後に発表された子会社の株式の取得や社名の変更がないかを確かめます。

報告書の提出後に加わったイーグランド

中古住宅再生事業を営むイーグランドは、2026年3月期の報告書の「関係会社の状況」には載っていません。西武不動産が2026年4月1日から株式の公開買付けを行い、イーグランドは2026年5月25日に西武ホールディングスの連結子会社になりました。2026年6月17日の追加取得で、議決権の比率は100%になっています。

イーグランドの株式は東京証券取引所スタンダード市場に上場していましたが、2026年6月15日に上場廃止となりました。子会社の顔ぶれは報告書の提出後も変わるので、STEP3のニュースリリースまで目を通しておきましょう。

西武ホールディングスの子会社に関するよくある質問

西武ホールディングスの子会社は何社ありますか

2026年3月期の連結子会社は105社、連結の範囲から除いた非連結子会社は2社です。ほかに持分法を適用する関連会社が5社あり、西武ホールディングスを含めたグループは113社です。連結子会社は前の期の83社から22社増え、2025年9月に子会社にしたAce Group International LLCなどが加わりました。

上場している子会社はありますか

2026年3月期の報告書に、上場している子会社の記載はありません。「関係会社の状況」で有価証券報告書の提出会社と注記されている子会社は伊豆箱根鉄道だけで、同社は2004年12月に東京証券取引所の上場を廃止しています。2026年5月に子会社になったイーグランドも、2026年6月15日に上場廃止となりました。

プリンスホテルは西武ホールディングスの子会社ですか

プリンスホテルのブランドでホテルを運営する主な会社は、西武ホールディングスが議決権の100.0%を持つ子会社の西武・プリンスホテルズワールドワイドです。社名が「株式会社プリンスホテル」だった会社は、2022年4月に西武リアルティソリューションズへ、2025年4月に西武不動産へ社名を変えています。

西武建設は西武ホールディングスの子会社ですか

子会社ではありません。西武建設の株式は2022年3月に95%がグループ外へ譲渡されており、2026年3月期の報告書の「関係会社の状況」にも西武建設の名前はありません。

子会社の年収は数字の範囲を確かめてから比べよう

西武ホールディングスの子会社のうち平均年間給与が分かる4社を並べると、1位は西武不動産の785万5,768円、2位は西武鉄道の741万9,971円です。3位は西武・プリンスホテルズワールドワイドの541万6,061円、4位は伊豆箱根鉄道の518万2,919円です。ただし伊豆箱根鉄道の数字にはバスとタクシーで働く人が入らず、4社は平均年齢も平均勤続年数も違います。

年収の順位を見たら、議決権の所有割合や女性管理職の割合、男性の育休取得率を、同じ報告書の表で見比べてください。志望する子会社が決まったら、西武ホールディングスの報告書とその会社の公式サイトを開き、同じ時点の数字どうしを並べてみましょう。

この記事の調査・執筆

就活キャリア研究所編集部

就活キャリア研究所編集部

就活キャリア研究所編集部は、就職・転職活動に役立つ企業情報やキャリアに関する情報を調査・発信する編集チームです。
企業の公式サイトや採用ページ、公開資料などをもとに、事業内容・年収・福利厚生・働く環境・口コミ・評判などを幅広く調査しています。
また、自己分析や面接対策、キャリア形成に関する情報も発信し、就活生や転職希望者が自分に合った企業・仕事を見つけられるよう、正確性と客観性を重視した記事制作に取り組んでいます。

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