ハウスメーカー業界の大手企業ランキング|上場4社の売上高と戸建ての割合

「ハウスメーカーの大手は、売上高の順に並べれば分かる」。上場している会社なら有価証券報告書で売上高を同じ形で比べられるため、そう考える人は少なくありません。ところが売上高で1位の大和ハウス工業は、2026年3月期の連結売上高5兆5,768億円のうち、戸建住宅事業の売上高が1兆3,422億円で、全体の4分の1ほどにとどまります。

東証の業種分類で建設業に入り、戸建ての注文住宅を主な事業の1つにする上場会社を連結売上高で並べると、大和ハウス工業に、積水ハウスの4兆1,979億円、住友林業の2兆2,675億円、タマホームの1,977億円が続きます。注文住宅のブランドとして知られるセキスイハイムは積水化学工業の住宅事業、ヘーベルハウスは旭化成の子会社が手がけています。積水化学工業と旭化成は東証の業種分類で化学に入るため、この順位には出てきません。

本記事では、上位4社の顔ぶれから、ランキングが分かりにくい理由、大手の違いが表れる4つの視点、公開資料で確かめる手順まで、2026年10月時点で各社が出している最も新しい有価証券報告書をもとに、就活キャリア研究所の視点でお伝えします。

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目次

ハウスメーカー業界の大手企業ランキング上位4社

ハウスメーカー業界の大手企業を連結売上高の大きい順に並べると、上位4社は次のとおりです。数字は各社が2026年に出した有価証券報告書の「主要な経営指標等の推移」にある連結の売上高で、億円未満は切り捨てています。

  1. 大和ハウス工業:5兆5,768億円(2026年3月期)
  2. 積水ハウス:4兆1,979億円(2026年1月期)
  3. 住友林業:2兆2,675億円(2025年12月期)
  4. タマホーム:1,977億円(2026年5月期)

対象は、2026年9月末時点の東証の上場銘柄一覧で建設業に分類される会社のうち、戸建ての注文住宅の請負を主な事業の1つにしている会社です。この中で連結売上高が1,000億円を超えるのは、上の4社だけです。決算期は会社ごとに違い、大和ハウス工業は3月、積水ハウスは1月、住友林業は12月、タマホームは5月が期末です。

(参考:第87期有価証券報告書(大和ハウス工業)、第75期有価証券報告書(積水ハウス)、第86期有価証券報告書(住友林業)、第28期有価証券報告書(タマホーム)、東証上場銘柄一覧(日本取引所グループ))

上位3社はどれも売上高が2兆円を超え、4位のタマホームとは10倍以上の開きがあります。ただし、上位3社の売上高には、戸建て以外の事業と海外の事業が多く含まれています。

大和ハウス工業

大和ハウス工業は、戸建住宅、賃貸住宅、マンション、商業施設、事業施設、環境エネルギー、その他の7つの事業を営む会社で、2026年3月31日時点の連結子会社は507社です。戸建住宅事業は戸建住宅の注文請負と分譲を行う部門で、2017年2月に持分を取得した米国のStanley Martin Holdingsや、2018年2月に連結子会社にした豪州のRawson Groupも、この事業の主な関係会社です。

2026年3月期の戸建住宅事業の売上高は、前の期より17.3%増えました。国内では注文住宅と分譲住宅の販売戸数が増え、米国では受注と引渡しの累計戸数が前の年を上回っています。

積水ハウス

積水ハウスは、戸建住宅事業、賃貸・事業用建物事業、建築・土木事業、賃貸住宅管理事業、リフォーム事業、開発事業、国際事業の7つを報告セグメントにしています。2026年1月期に売上高が最も大きかったのは国際事業の1兆2,863億円です。国際事業は、海外での戸建住宅の販売や宅地の開発、分譲マンションや賃貸マンションの開発を行う部門です。2024年4月に買収したM.D.C. Holdingsは、2025年9月にSEKISUI HOUSE U.S.へ社名を変えました。

住友林業

住友林業は、木材建材事業、住宅事業、建築・不動産事業、資源環境事業の4つを報告セグメントにしています。国内の戸建住宅の請負やリフォーム、分譲住宅の販売は住宅事業に入ります。2025年12月期に売上高が最も大きかったのは建築・不動産事業の1兆4,111億円で、海外での分譲住宅の販売や戸建住宅の請負、国内の中大規模の建築工事などがこの事業に入ります。

住友林業は2003年に米国で戸建住宅事業を始め、2025年12月期の米国での年間の販売戸数は10,262戸でした。2026年5月14日には、米国で戸建住宅事業を展開するTri Pointe Homesの株式の100%を子会社を通じて取得し、連結子会社にしました。2026年12月期からは、報告セグメントを木材建材事業、住宅事業、海外住宅事業、不動産事業、資源環境事業の5つに変えます。

タマホーム

タマホームは、注文住宅の建築請負やリフォームを行う住宅事業を中心に、不動産事業、金融事業、エネルギー事業を営む会社です。2026年5月期の注文住宅の引渡棟数は5,176棟で、前の期より7.5%減りました。住宅事業は売上高が前の期より7.0%減り、10億6,600万円の営業損失になりました。連結売上高は、2023年5月期の2,560億円から3期続けて減っています。

ハウスメーカーのランキングが分かりにくい3つの理由

ハウスメーカーのランキングが一覧ごとに違って見えるのは、売上高に住宅以外の事業が入り、よく知られたブランドを別の会社が手がけ、分譲住宅の大手が一緒に並ぶことがあるからです。

売上高に住宅以外の事業が入るから

大和ハウス工業の2026年3月期の売上高を事業別に見ると、戸建住宅事業と並んで、賃貸住宅事業が1兆4,292億円、商業施設事業が1兆2,901億円、事業施設事業が1兆1,898億円あります。事業施設事業は、物流施設や製造施設、医療介護施設などの開発・建設と管理・運営を行う部門です。

連結売上高の順位は会社全体の大きさの順位で、戸建てを建てる規模の順位ではありません。戸建てで比べたいときは、報告書のセグメント情報で戸建住宅の部門の売上高を確かめます。

よく知られたブランドを別の会社が手がけるから

セキスイハイムは、積水化学工業の住宅事業のブランドです。積水化学工業は1971年2月に鉄骨系ユニット住宅「ハイム」の販売を始めて住宅事業に進出し、2026年3月期の住宅事業の売上高は連結売上高の約4割を占めます。

ヘーベルハウスは、旭化成が議決権の100%を持つ子会社、旭化成ホームズのブランドです。旭化成ホームズは1972年11月に設立された会社で、売上高などの主要な損益情報は、旭化成の有価証券報告書の「関係会社の状況」で確かめられます。

(参考:第104期有価証券報告書(積水化学工業)、第135期有価証券報告書(旭化成))

積水化学工業と旭化成は、東証の業種分類では化学に入ります。化学の会社の連結売上高には化学製品などの売上も入るため、住宅の規模は、住宅の部門や子会社の数字で比べることになります。

分譲住宅の大手が一緒に並ぶことがあるから

土地と建物をまとめて売る分譲住宅の大手を入れると、順位が変わります。飯田グループホールディングスの2026年3月期の売上収益は1兆5,088億円で、その約8割にあたる1兆2,185億円が戸建分譲事業です。注文住宅やリフォームを含む請負工事事業は835億円です。

オープンハウスグループの2025年9月期の売上高は1兆3,364億円で、戸建住宅の仲介・分譲・建築請負をまとめた戸建関連事業が6,713億円です。2社とも売上高はタマホームを大きく上回ります。ランキングを見るときは、分譲住宅が中心の会社が入っているかを先に確かめましょう。

(参考:第13期有価証券報告書(飯田グループホールディングス)、第29期有価証券報告書(オープンハウスグループ))

ハウスメーカー大手の違いが表れる4つの視点

ハウスメーカー大手を見比べる4つの視点を示した図(戸建ての売上・海外の売上・働く人の数・年齢と年収)

ハウスメーカー大手の違いは、連結売上高の順位よりも、次の4つを見比べると見えてきます。

  1. 戸建ての売上:戸建住宅の部門の売上高を並べる
  2. 海外の売上:米国などでの売上高の割合を見る
  3. 働く人の数:連結と本体の従業員数を比べる
  4. 年齢と年収:本体の平均年齢・勤続年数・年収を並べる

戸建ての売上

戸建住宅を扱う部門の売上高を大きい順に並べると、次のとおりです。旭化成ホームズは、旭化成の有価証券報告書の「関係会社の状況」に載る同社の売上高で、ほかはセグメント間の取引を含む部門の売上高です。

  1. 大和ハウス工業(戸建住宅事業):1兆3,422億円
  2. 住友林業(住宅事業):5,853億円
  3. 積水化学工業(住宅事業):5,362億円
  4. 積水ハウス(戸建住宅事業):4,789億円
  5. 旭化成ホームズ:4,647億円
  6. タマホーム(住宅事業):1,361億円

連結売上高に占めるこの部門の割合は、タマホームが約7割、大和ハウス工業と住友林業が約4分の1、積水ハウスが約1割です。

部門に入る事業は会社ごとに違います。大和ハウス工業の戸建住宅事業には米国と豪州の住宅会社が入り、積水ハウスの戸建住宅事業には米国の事業が入りません。住友林業の住宅事業には集合住宅の請負や不動産の賃貸・管理も入り、積水化学工業の住宅事業にはリフォームや分譲用の土地の販売も入ります。同じ「住宅」の数字でも、何が入っているかを読んでから比べましょう。

海外の売上

報告書の「地域ごとの情報」で、連結売上高のうち米国の売上高が占める割合を計算すると、住友林業が約46%、積水ハウスが約28%、大和ハウス工業が約14%です。住友林業は米国の売上高1兆416億円が、日本の8,309億円を上回ります。タマホームは国内の売上高が9割を超えるため、地域ごとの売上高を載せていません。

積水ハウスでは、国際事業で働く連結の従業員3,281人のうち、積水ハウス本体の社員は57人で、海外の事業はほとんどを子会社の社員が担っています。なお、住友林業は顧客の所在地で、ほかの2社は事業を行う地域で売上高を分けています。

働く人の数

連結の従業員数と、報告書を出した会社本体の従業員数を並べると、次のとおりです。

  1. 大和ハウス工業:連結55,712人・本体16,508人
  2. 積水ハウス:連結32,186人・本体14,178人
  3. 住友林業:連結27,613人・本体5,581人
  4. タマホーム:連結3,308人・本体3,126人

住友林業は連結の従業員の約8割、大和ハウス工業は約7割が子会社で働いています。タマホームは、ほとんどの人が本体で働いています。積水化学工業の住宅事業では、連結の従業員10,481人のうち本体の社員は324人で、残りは地域ごとのセキスイハイムの販売会社や工場の会社などの子会社で働いています。志望するブランドの仕事が、本体と子会社のどちらにあるかを確かめておきましょう。

年齢と年収

上位4社の本体の平均年齢・平均勤続年数・平均年間給与を、平均年間給与の高い順に並べると次のとおりです。時点は各社の決算期の末日で、4社とも賞与と基準外賃金を含みます。

  1. 大和ハウス工業:40.7歳・15.7年・1,101万1,469円
  2. 住友林業:44.1歳・16.0年・975万5,717円
  3. 積水ハウス:43.5歳・16.2年・907万1,924円
  4. タマホーム:41.3歳・8.5年・717万3,000円

大和ハウス工業の平均年間給与は、前の期より11.0%増えました。タマホームの平均勤続年数は、ほかの3社の半分ほどです。平均年間給与は本体の社員の平均で、子会社で働く人の給与は入っていません。

公開資料でハウスメーカー大手を確かめる手順

ハウスメーカー業界の大手企業ランキングについて公開されている情報を確かめている場面のイラスト

ハウスメーカー大手の数字は、次の3つの手順でこの記事と同じものにたどり着けます。

STEP1

金融庁のEDINETで会社名を入れて書類を検索し、最も新しい有価証券報告書を開きます。「主要な経営指標等の推移」で連結の売上高と決算年月を確かめます。

STEP2

同じ報告書の「事業の内容」で部門ごとに何を扱うかを読み、経理の状況の注記にある「セグメント情報」と「地域ごとの情報」で、戸建住宅の部門と米国などの売上高を確かめます。

STEP3

「従業員の状況」で、連結と本体の従業員数、本体の平均年齢・平均勤続年数・平均年間給与を確かめます。子会社や上場していない会社の働き方は、厚生労働省の職場情報総合サイト「しょくばらぼ」で社名を検索して調べます。

ブランドを手がける会社が子会社のときは、親会社の報告書の「関係会社の状況」で、議決権の所有割合と主要な損益情報が載っているかも確かめます。

ハウスメーカー業界の大手企業でよくある質問

ハウスメーカー大手について、4つの疑問に答えます。

一条工務店はなぜランキングに入っていないのですか

一条工務店は、2026年9月末時点の東証の上場銘柄一覧に載っておらず、金融庁のEDINETの提出者の一覧にも名前がありません。そのため、上場会社と同じ基準で売上高や平均年収を比べることができず、この記事のランキングには入れていません。

積水ハウスとセキスイハイムは同じ会社ですか

別の会社です。積水ハウスは東証に上場する会社で、セキスイハイムは積水化学工業の住宅事業のブランドです。積水化学工業は2026年1月31日時点で積水ハウスの株式の2.19%を、積水ハウスは2026年3月31日時点で積水化学工業の株式の1.97%を持っています。積水ハウスは、積水化学工業が持つ標章の使用許諾を受ける契約を結んでいます。

ヘーベルハウスの会社の平均年収は分かりますか

旭化成ホームズは有価証券報告書を出していないため、平均年間給与を有価証券報告書で確かめることはできません。旭化成の2026年3月期の報告書で確かめられるのは、旭化成ホームズの管理職に占める女性労働者の割合3.4%、男性労働者の育児休業取得率86.9%、全労働者の男女の賃金の差異59.3%などです。

持株会社の平均年収は、家を建てて売る会社の年収ですか

同じとは限りません。飯田グループホールディングスの本体の109人の平均年間給与は765万1,000円ですが、同じ報告書に載る従業員数の最も多い一建設は1,979人で586万3,000円、次に多いアーネストワンは1,783人で623万3,000円です。時点はいずれも2026年3月31日です。

戸建ての部門と働く会社を分けてハウスメーカーを比べよう

ハウスメーカー業界の大手企業を連結売上高で並べると、大和ハウス工業の5兆5,768億円、積水ハウスの4兆1,979億円、住友林業の2兆2,675億円、タマホームの1,977億円の順です。ただし上位3社の売上高には、賃貸住宅や商業施設、米国の住宅事業が多く入っています。セキスイハイムとヘーベルハウスは、化学の会社の住宅事業と子会社の数字で見る必要があります。

年収も、本体の社員の平均で、子会社で働く人の数字ではありません。気になる会社が見つかったら、有価証券報告書のセグメント情報で戸建ての部門の売上高を、「従業員の状況」で働く人がどの会社にいるかを確かめてみてください。

この記事の調査・執筆

就活キャリア研究所編集部

就活キャリア研究所編集部

就活キャリア研究所編集部は、就職・転職活動に役立つ企業情報やキャリアに関する情報を調査・発信する編集チームです。
企業の公式サイトや採用ページ、公開資料などをもとに、事業内容・年収・福利厚生・働く環境・口コミ・評判などを幅広く調査しています。
また、自己分析や面接対策、キャリア形成に関する情報も発信し、就活生や転職希望者が自分に合った企業・仕事を見つけられるよう、正確性と客観性を重視した記事制作に取り組んでいます。

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