徳島で入ってはいけない運送会社一覧|点呼と運転者等台帳の記録で見分ける

「行政処分を受けた会社の名前を拾っていけば、徳島で入ってはいけない運送会社の一覧ができるはず」。四国運輸局は、トラックの事業者が受けた行政処分等を、事業者の名前と違反の中身を付けて月ごとに公開しているので、そう考えるのは自然なことです。

ところが、令和6年4月分から令和8年9月分までの資料で、営業所の所在地が徳島県の39件のうち30件は、1つの軽貨物の事業者が県内の30の営業所ごとに受けたものでした。一般貨物の事業者の9件を見ると、8件で点呼の違反と運転者等台帳の違反がそろって挙がっています。名前を探すより、応募先が点呼と運転者等台帳をどう扱っているかを確かめるほうが、見分ける近道になります。

この記事では、特定の会社名を挙げることはしません。処分の資料の読み方から、面接での点呼・台帳・勤務時間・指導の尋ね方、令和8年11月1日に改定される徳島県最低賃金での賃金の確かめ方まで、就活キャリア研究所の視点で順にお伝えします。

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目次

徳島の運送会社が外から見分けにくい3つの理由

徳島の運送会社の違いが外から見えにくいのは、処分の資料が四国4県分まとめて作られ、件数が営業所ごとに数えられ、監査が通報や合同の監査をきっかけに入るためです。

処分の資料に四国4県の分が並ぶから

徳島県のトラック事業の窓口は、四国運輸局の徳島運輸支局です。トラック事業の問い合わせ先になっている輸送・監査部門は、徳島市応神町にある応神町庁舎の2階にあります(四国運輸局)。

四国運輸局の集計表には、徳島・香川・愛媛・高知の4つの運輸支局が並びます(四国運輸局)。トラックの事業者が受けた行政処分等も、4県分が「個別の事業者に対する行政処分等の状況」として月ごとに公開されています(四国運輸局)。公表の期間は、原則として処分等を行った日から5年間です(四国運輸局)。資料には「事業者の所在地」と「営業所の所在地」が別々に書かれているので、徳島の分は「営業所の所在地」で拾います。県外に本社がある事業者が県内の営業所で受けた処分も、同じ資料に載るためです。

四国運輸局の集計では、令和5年度の徳島県のトラック事業者は438者で、このうち一般貨物が380者、霊柩が51者、特定貨物が7者でした(四国運輸局)。この集計の区分は一般・霊柩・特定の3つで、軽貨物の区分はありません。

件数が営業所ごとに数えられるから

処分の資料は、事業者ごとではなく、処分を受けた営業所ごとに作られます。令和6年4月分から令和8年9月分までの資料で、営業所の所在地が徳島県のものは39件ありました(四国運輸局)。

39件のうち30件は軽貨物の事業者の分で、30件とも同じ1つの事業者が県内の30の営業所ごとに受けたものです。違反はどれも点呼の実施か記録に関するものでした。残る9件は一般貨物の事業者の分で、9つの事業者が1件ずつ受けています。

年度の集計表も、同じ数え方で読む必要があります。令和7年度の集計表で、徳島の「行政処分等を受けた事業者数」は32です(四国運輸局)。月ごとの資料と照らすと、このうち30は先の軽貨物の事業者の30の営業所の分で、一般貨物の事業者は2つでした。集計表の数字は、処分を受けた会社の数ではなく、営業所ごとの件数として読みましょう。

一般貨物自動車運送事業を始めるには国土交通大臣の許可が必要で、三輪以上の軽自動車や二輪の自動車で運ぶ貨物軽自動車運送事業は届出で始められます(e-Gov法令検索)。求人票に「ドライバー」とだけ書かれていたら、応募先がどちらの区分の事業者で、どの営業所に配属されるのかを先に確かめましょう。

監査に入る経緯が通報や合同の監査だから

処分の資料の「違反行為の概要」の欄には、監査に入った経緯も書かれています(四国運輸局)。一般貨物の9件の経緯は、次のとおりです。

  1. 労働局との合同の監査:3件
  2. 公安委員会からの通報:2件
  3. 利用者などからの苦情:2件
  4. 死亡事故:1件
  5. 監査方針に基づく監査:1件

軽貨物の30件は、いずれも事業者自身からの報告をきっかけに監査が入ったものです。処分は、通報や事故、合同の監査をきっかけに違反が見つかった結果です。資料に名前がないことは、違反がないことの証明にはなりません。応募先の名前が見当たらないときも、次に挙げる4つの点は面接で確かめておきましょう。

徳島で避けたい運送会社に共通する4つの特徴

徳島で避けたい運送会社の4つの特徴を示した図(点呼の実施・運転者等台帳・勤務と健康・運転者指導)

徳島で避けたい運送会社に共通するのは、点呼、運転者等台帳、勤務時間と健康状態の管理、運転者への指導という、法令で決められた仕事が抜けていることです。県内の一般貨物の9件で違反に挙がった項目をもとに、確かめたい4つを整理します。

  1. 点呼の実施と記録が欠けている
  2. 運転者等台帳が整っていない
  3. 勤務時間と健康状態を管理していない
  4. 運転者への指導と監督が足りない

点呼の実施と記録が欠けている

事業者は、運転者が運行の業務を始める前と終えた後に、対面か、国が対面と同等の効果があると定めた方法で点呼を行います。運行上やむを得ない場合は、電話などの方法も認められています。業務の前の点呼で確かめるのは、酒気帯びの有無、疾病や疲労、睡眠不足などで安全に運転できないおそれの有無、日常点検の実施です。酒気帯びの確認では、運転者の状態を目で見て確かめるほか、営業所に備えたアルコール検知器を使います。点呼の記録は1年間保存します(e-Gov法令検索)。

県内の一般貨物の9件のうち8件で、点呼の実施か記録の違反が挙がりました。このうち5件は、点呼が確実に行われていなかったか、実施が不適切だったものです。アルコール検知器を備えていなかった違反や、点呼の記録に事実と違う内容を書いていた違反が挙がった処分もあります(四国運輸局)。

面接では「出発前と帰着後の点呼は、誰が、どこで、どの方法で行いますか」と尋ねてみてください。早朝や深夜に出発する便があるなら、その時間に点呼をする人がいるかもあわせて確かめましょう。

運転者等台帳が整っていない

一般貨物と特定貨物の事業者は、運転者ごとに運転者等台帳を作り、その運転者が所属する営業所に備えておかなければなりません。台帳には、運転免許証の番号と有効期限、免許の種類と条件、起こした事故の概要、健康状態、特別な指導と適性診断の受診の状況などを書き、作成前6か月以内に撮影した写真を貼ります。運転者が退職などで運転者でなくなったときは、その年月日と理由を書き、3年間保存します。四輪以上の軽自動車を使う軽貨物の事業者は、記載する事項が少ない別の台帳を作ります(e-Gov法令検索)。

県内の一般貨物の9件のうち8件で、運転者等台帳を作っていなかったか、記録が不適切だった違反が挙がりました。この8件は、点呼の違反が挙がった8件と同じ処分です(四国運輸局)。点呼と台帳は、どちらも運転者一人ひとりの状態を記録に残す仕事なので、面接では両方をあわせて尋ねると効率よく確かめられます。

台帳を作るには、運転者の免許の情報や写真、健康状態がそろっている必要があります。事業者は、新たに雇い入れた運転者の事故歴を、自動車安全運転センターが交付する無事故・無違反証明書や運転記録証明書などで把握することも求められています(国土交通省)。内定後の手続きで、免許証の確認や写真、運転記録証明書などの提出を求められるかどうかで、記録を整える仕組みのある会社かの見当がつきます。

勤務時間と健康状態を管理していない

県内の一般貨物の9件のうち4件で、運転者の勤務時間と乗務時間を基準に従って定め、守らせることを求める決まりの違反が挙がりました。拘束時間や連続運転時間の限度を超えた乗務や、休息期間が十分に取れていない乗務があったという内容です。3件では、乗務員の健康状態の把握が確実でなかった違反が挙がっています(四国運輸局)。事業者は乗務員の健康状態の把握に努め、疾病や疲労、睡眠不足などで安全に運行できないおそれのある乗務員を乗務させてはなりません(e-Gov法令検索)。

トラック運転者の拘束時間の上限や休息期間は、厚生労働省の改善基準告示で定められています。1日の拘束時間は13時間以内が基本で、延長しても15時間が限度です。休息期間は、勤務の終了後に継続11時間以上を与えるよう努めることを基本とし、継続9時間を下回ってはなりません。1週間の運行がすべて1回の走行距離450km以上の長距離貨物運送で、休息期間を住所地以外の場所で取る場合などには例外があります。1か月の拘束時間は284時間以内、1年は3,300時間以内が原則です。労使協定を結べば、年6か月まで1か月310時間、1年3,400時間まで延ばせますが、284時間を超える月は連続3か月までです(厚生労働省)。

大鳴門橋や明石海峡大橋を渡って関西へ向かう便がある会社では、出庫と帰着の時刻と、1か月の拘束時間の実績を尋ねておきましょう。

徳島労働局が令和7年度に、長時間労働が疑われる212の事業場を監督した結果では、運輸交通業の12事業場のすべてで労働基準関係法令の違反が見つかり、このうち7事業場では違法な時間外労働がありました(徳島労働局)。運輸交通業は、道路貨物運送業とその他の運輸交通業を合わせた区分で、トラックの事業場だけの数ではありません(徳島労働局)。

運転者への指導と監督が足りない

事業者は、国が告示で定めるところにより運転者への指導と監督を行い、その日時、場所、内容と、指導した人・受けた人を記録して、営業所で3年間保存します。一般貨物の事業者は、死者か、医師の治療が11日以上必要なけがなどを負った人が出た事故を起こした運転者、新たに雇い入れた運転者、65歳以上の運転者に対し、国が告示で定めるところにより特別な指導を行い、適性診断を受けさせることになっています(e-Gov法令検索)。対象から外れる人や実施の時期は、その告示で決められています(国土交通省)。県内の一般貨物の9件のうち5件で運転者への指導と監督の違反が、3件で特別な指導か適性診断の違反が挙がりました(四国運輸局)。

一般貨物や特定貨物の事業者が新たに雇い入れた運転者には、その会社で初めて乗務する前に、法令や安全な運転に関する事項を15時間以上、実際に運転させる安全運転の実技を20時間以上指導します。やむを得ない事情がある場合は、乗務を始めてから1か月以内に行います。その会社で初めて乗務する前の3年間に、他の一般貨物や特定貨物の事業者で運転者として常時選任されていた人は、この指導の対象外です(国土交通省)。

未経験で入る人は「独り立ちするまでに、誰が添乗して、何時間教えてくれますか」と尋ねてください。担当と時間を答えられない会社では、入社後の指導が後回しにされるおそれがあります。

四国運輸局と徳島労働局の情報で確かめる手順

徳島で入ってはいけない運送会社一覧について公開されている情報を確かめている場面のイラスト

応募先の会社は、四国運輸局と徳島労働局が公開している情報を使って、次の3つの手順で確かめられます。

STEP1

四国運輸局の行政処分等の状況のページから月ごとの資料を開き、「営業所の所在地」が徳島県のものに目を通します(四国運輸局)。全国分は、国土交通省のネガティブ情報等検索サイトで調べられます(国土交通省)。

STEP2

同じページにある「行政処分累積点数が20点を超える貨物自動車運送事業者」の一覧で、応募先の名前と点数、主な違反行為を確かめます(四国運輸局)。

STEP3

徳島労働局の「労働基準関係法令違反に係る公表事案」で、労働基準関係の法令違反で公表された事案を確かめます(徳島労働局)。全国の労働局の公表事案は、厚生労働省のページで見られます(厚生労働省)。

令和8年9月30日に更新された徳島労働局の公表事案の一覧には、掲載された事案がありません(徳島労働局)。一覧に載るのは、労働基準関係法令違反の疑いで送検して公表した事案などで、掲載期間は公表日からおおむね1年です(厚生労働省)。違反が見つかっても送検などに至らなければ一覧には載らないので、一覧が空であることを安心の材料にはしないでください。

累積点数の一覧の見方

国の処分の基準では、輸送施設の使用停止の処分日車数10日車までごとに1点の違反点数が付き、点数は事業者ごとに運輸局の管轄区域単位で累計されます。累計の期間は原則3年間です。管轄区域の累積点数が51点以上80点以下になると、その区域内の全ての営業所が事業停止の対象になり、81点以上になると原則として許可の取消しの対象になります。名義を他人に利用させていた場合なども事業停止処分の対象で、その違反ごとに30点が付きます(国土交通省)。

令和8年9月30日時点の一覧に載っているのは2つの事業者で、このうち1つは、令和8年5月に徳島県内の営業所で事業の停止30日間を含む処分を受けた事業者です。主な違反行為には、名義貸しや点呼の実施違反が並びます(四国運輸局)。一方、県内の一般貨物の9件のうち8件は、処分の時点の事業者の点数が11点以下でした(四国運輸局)。一覧に載らない点数でも処分を受けていることがあるので、STEP1の月ごとの資料とあわせて読みましょう。

Gマークの認定の見方

処分の資料とは逆に、安全への取り組みが評価された事業所の一覧もあります。全日本トラック協会は、トラック運送事業者の安全への取り組みを事業所単位で評価し、基準を満たした事業所を安全性優良事業所(Gマーク)に認定しています。2025年12月16日時点の認定は29,210事業所で、全事業所の34.4%にあたります(全日本トラック協会)。

徳島県トラック協会のページには、県内の認定事業所が市町村ごとに、住所と電話番号、有効期限を付けて載っており、2026年10月時点の掲載は177事業所です(徳島県トラック協会)。認定は会社単位ではなく事業所単位なので、配属される営業所の名前で確かめてください。

徳島県最低賃金1,103円で確かめる賃金

提示された賃金が法律の下限を満たしているかどうかは、徳島県最低賃金と照らせば自分で確かめられます。

11月1日から1,103円になる徳島県最低賃金

徳島労働局長は、徳島地方最低賃金審議会の答申を受けて徳島県最低賃金を時間額1,103円に改正し、令和8年9月18日付けの官報に公示しました。効力が生じるのは令和8年11月1日です(徳島労働局)。それまでの額は令和8年1月1日から適用されている1,046円で(徳島労働局)、57円の引上げです(厚生労働省)。

徳島県最低賃金は、年齢や雇用形態にかかわらず、徳島県内で働くすべての労働者に適用されます(徳島労働局)。令和8年10月31日までの賃金は1,046円と、11月1日からの賃金は1,103円と比べます。

最低賃金と比べる時間額の出し方

月給で比べるときは、実際に支払われる賃金から次の6つを除きます(厚生労働省)。

  1. 臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
  2. 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
  3. 所定労働時間を超える労働に対する賃金(時間外割増賃金など)
  4. 所定労働日以外の日の労働に対する賃金(休日割増賃金など)
  5. 午後10時から午前5時までの労働に対する賃金のうち、通常の賃金を超える部分
  6. 精皆勤手当、通勤手当、家族手当

残った額を1か月平均所定労働時間で割り、最低賃金と比べます(厚生労働省)。たとえば1か月平均所定労働時間が168時間の会社なら、11月1日からは、6つを除いた月給が1,103円×168時間で185,304円以上あることが必要です。求人票の固定残業代は時間外労働への支払いにあたるので、比べる額に含めません。

歩合給のように出来高払制で決まる賃金は、その総額を、その賃金計算期間に出来高払制で働いた総労働時間で割って時間額に直します(厚生労働省)。労働基準法は、出来高払制その他の請負制で使用する労働者について、労働時間に応じた一定額の賃金を保障するよう使用者に求めています(e-Gov法令検索)。歩合の割合が高い求人では、保障給の額と、歩合を何の数字から計算するのかを書面で確かめてください。

徳島の運送会社選びでよくある質問

徳島県で運送会社を選ぶときに出てくる4つの疑問に答えます。

徳島の運送会社の処分歴はどこで調べられますか

四国運輸局が、徳島県を含む四国4県の行政処分等を月ごとの資料で公開しています。累積点数が20点を超える事業者の一覧も同じページにあります(四国運輸局)。全国分は、国土交通省のネガティブ情報等検索サイトで調べられます(国土交通省)。

軽貨物の仕事でも出発前の点呼はありますか

あります。貨物自動車運送事業法でいう貨物自動車運送事業者には、一般貨物と特定貨物の事業者に加えて、貨物軽自動車運送事業者も含まれます(e-Gov法令検索)。点呼を定めた輸送安全規則の決まりは、この貨物自動車運送事業者に課されています(e-Gov法令検索)。令和7年10月分から令和8年2月分までの資料に載った、県内の軽貨物の営業所の30件も、すべて点呼の実施か記録の違反でした(四国運輸局)。

徳島県の最低賃金はいくらですか

令和8年11月1日から時間額1,103円です(徳島労働局)。それまでは、令和8年1月1日から適用されている1,046円です(徳島労働局)。

徳島の運送業で労働災害はどのくらい起きていますか

徳島労働局の集計では、令和7年に県内の道路貨物運送業で起きた休業4日以上の労働災害は66件で、令和6年の58件から8件増えました(徳島労働局)。

処分の件数より点呼と台帳の扱いで選ぼう

令和6年4月分から令和8年9月分までの処分の資料では、徳島県の39件のうち30件が1つの軽貨物の事業者の営業所の分でした。一般貨物の9件のうち8件では、点呼と運転者等台帳の違反がそろって挙がっています。

処分の資料と累積点数の一覧、公表事案、Gマークの認定に目を通したら、面接では点呼の担当と方法、入社の手続きで求められる書類、橋を渡る便の拘束時間、独り立ちまでの指導の時間を尋ねてみてください。件数の多さや名前の有無で決めるのではなく、点呼と台帳の記録を見せながら説明できる会社を選んでいきましょう。

この記事の調査・執筆

就活キャリア研究所編集部

就活キャリア研究所編集部

就活キャリア研究所編集部は、就職・転職活動に役立つ企業情報やキャリアに関する情報を調査・発信する編集チームです。
企業の公式サイトや採用ページ、公開資料などをもとに、事業内容・年収・福利厚生・働く環境・口コミ・評判などを幅広く調査しています。
また、自己分析や面接対策、キャリア形成に関する情報も発信し、就活生や転職希望者が自分に合った企業・仕事を見つけられるよう、正確性と客観性を重視した記事制作に取り組んでいます。

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