近鉄グループホールディングス子会社ランキング|年収が分かる8社の順位

「近鉄グループの子会社なら、年収は親会社と同じくらいだろう」。近鉄グループホールディングスの平均年間給与は822万8,945円なので、グループの会社にも同じ水準を思い浮かべる人がいるかもしれません。ところが、この数字は持株会社で管理の仕事をする264人の平均です。鉄道を運行する近畿日本鉄道の6,674人の平均年間給与は640万5,420円で、180万円あまり低くなります。

近鉄グループで、平均年間給与が有価証券報告書で分かる子会社は8社あります。高い順に並べると、1位はKNT-CTホールディングスの654万8千円、2位は近畿日本鉄道の640万5,420円、3位はきんえいの593万1,942円です。8位の近鉄百貨店は519万6千円で、1位との差は135万円ほどです。

本記事では、8社の順位と各社の事業から、子会社の年収が分かりにくい理由、子会社を比べる4つのポイント、公開資料で確かめる手順まで、近鉄グループホールディングスと子会社4社の有価証券報告書をもとに、就活キャリア研究所の視点で順にお伝えします。

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目次

近鉄グループの子会社を平均年収で並べた順位

近鉄グループホールディングスの子会社のうち、平均年間給与が有価証券報告書で分かる8社を高い順に並べると、次のとおりです。数字はどれも各社単体の従業員の平均で、賞与と基準外賃金を含みます。括弧の中は従業員数です。

  1. KNT-CTホールディングス:654万8千円(92人)
  2. 近畿日本鉄道:640万5,420円(6,674人)
  3. きんえい:593万1,942円(45人)
  4. 奈良交通:549万4千円(1,510人)
  5. 近畿日本ツーリスト:547万5千円(1,443人)
  6. クラブツーリズム:546万6千円(1,006人)
  7. 近鉄・都ホテルズ:529万4,959円(2,196人)
  8. 近鉄百貨店:519万6千円(1,503人)

時点は、近鉄百貨店が2026年2月28日、きんえいが2026年1月31日、ほかの6社が2026年3月31日です。近畿日本鉄道と近鉄・都ホテルズの数字は近鉄グループホールディングスの報告書に、近畿日本ツーリストとクラブツーリズムの数字はKNT-CTホールディングスの報告書に載っています。

(参考:近鉄グループホールディングス 有価証券報告書(EDINET)、KNT-CTホールディングス 有価証券報告書(EDINET)、近鉄百貨店 有価証券報告書(EDINET)、奈良交通 有価証券報告書(EDINET)、きんえい 有価証券報告書(EDINET))

旅行の3社

旅行の3社は、純粋持株会社のKNT-CTホールディングスと、その子会社の近畿日本ツーリストとクラブツーリズムです。KNT-CTホールディングスは、もとの近畿日本ツーリストが2013年1月にクラブツーリズムを株式交換で子会社にし、純粋持株会社に移って社名を変えた会社です。今の近畿日本ツーリストは、2021年10月に近畿日本ツーリスト首都圏が社名を変えた別の会社です。KNT-CTホールディングスの2026年3月期の連結売上高は2,970億6,500万円で、連結の従業員は3,305人です。

1位の654万8千円は、持株会社で働く92人の平均で、前の期より7.5%減りました。旅行の仕事をする2社の平均年間給与は、近畿日本ツーリストが547万5千円、クラブツーリズムが546万6千円で、差は1万円に届きません。前の期からの増減率は、近畿日本ツーリストがマイナス1.9%、クラブツーリズムがプラス9.1%でした。

鉄道とバスの2社

鉄道とバスの2社は、近畿日本鉄道と奈良交通です。近畿日本鉄道は、2015年4月の会社分割で鉄軌道事業を引き継いだ会社で、議決権の100.0%を近鉄グループホールディングスが直接持っています。2026年3月期の営業収益は1,691億5,500万円で、従業員6,674人は平均年齢45.8歳、平均勤続年数23.2年です。

奈良交通は、奈良県奈良市に本社を置くバスの会社です。株式は上場していませんが、有価証券報告書を出しています。議決権は近鉄バスホールディングスが61.4%を持ち、近鉄グループホールディングスは子会社を通じて66.2%を持ちます。2026年3月期の連結売上高は255億7,591万円で、単体の従業員1,510人のうち1,270人が自動車運送事業で働いています。平均年間給与は前の期から5.8%増えました。

ホテル・百貨店・映画館の3社

ホテル・百貨店・映画館の3社は、近鉄・都ホテルズ、近鉄百貨店、きんえいです。近鉄・都ホテルズは、同じ2015年4月の会社分割でホテル事業を引き継いだ会社で、議決権の100.0%を近鉄グループホールディングスが持っています。従業員は2,196人で、ほかに年間平均で1,386人の臨時従業員がいます。平均年齢は40.2歳、平均勤続年数は10.3年です。

近鉄百貨店は、あべのハルカス近鉄本店などを営む会社で、東京証券取引所スタンダード市場に上場しています。2026年2月期の連結売上高は1,254億5,000万円です。きんえいは、映画館「あべのアポロシネマ」の運営とビルの賃貸を営む会社で、同じくスタンダード市場に上場しています。2026年1月期の売上高は37億7,131万円で、従業員は45人です。

近鉄の子会社の年収が分かりにくい3つの理由

近鉄グループホールディングスの子会社の年収が外から分かりにくいのは、持株会社の平均に子会社の社員が入らず、年収が分かる子会社が一部に限られ、決算日や数え方が会社ごとに違うからです。

持株会社の平均が管理部門264人の数字だから

近鉄グループホールディングスの平均年間給与822万8,945円は、2026年3月31日時点の単体の従業員264人の平均です。264人は全員が管理部門に所属し、平均年齢は44.6歳、平均勤続年数は17.7年です。近鉄グループホールディングスは2015年4月に純粋持株会社制へ移り、鉄道・不動産・ホテルなどの事業を子会社に引き継ぎました。

同じ日の連結の従業員は44,759人です。822万8,945円は、グループで働く人の1%に満たない264人の平均で、子会社の水準を表す数字ではありません。事業ごとの従業員は次のとおりです。

  • 国際物流:18,351人
  • 運輸:12,374人
  • ホテル・レジャー:6,197人
  • 流通:3,276人
  • 不動産:3,214人
  • その他:1,083人

年収が分かる子会社が一部に限られるから

近鉄グループホールディングスの子会社は237社あり、そのうち198社が連結子会社です。報告書で平均年間給与が分かるのは、自社で有価証券報告書を出す4社と、持株会社の報告書に数字が載る子会社に限られます。自社で報告書を出す子会社は、奈良交通、近鉄百貨店、KNT-CTホールディングス、きんえいの4社です。

持株会社の報告書に数字が載るのは、2026年3月31日以後に終わる事業年度の報告書から始まった決まりによります。主に子会社の経営管理を行う会社は、外国会社を除く連結子会社のうち従業員が最も多い会社の平均給与を載せます。その会社の従業員が連結の従業員の半数を超えないときは、次に多い会社も載せます。近鉄グループホールディングスでは近畿日本鉄道と近鉄・都ホテルズ、KNT-CTホールディングスでは近畿日本ツーリストとクラブツーリズムがこれに当たります。

国際物流事業を営む近鉄エクスプレスは、自社で報告書を出しておらず、持株会社の報告書に数字が載る会社にも当たりません。国際物流は2026年3月期の外部顧客への営業収益が7,531億2,900万円で、連結の営業収益の4割あまりを占め、従業員も6つの事業で最も多い18,351人です。最も大きな事業を担う子会社の年収は、報告書では分かりません。

決算日と数え方が会社ごとに違うから

8社の数字は、同じ日の数字ではありません。近鉄百貨店は2月28日、きんえいは1月31日が決算日で、ほかの6社は3月31日です。決算日が3月31日より前の2社の報告書には、平均年間給与の前の期からの増減率が載っていません。増減率の記載が求められるのは、2026年3月31日以後に終わる事業年度の報告書からです。

金額の単位も違います。近鉄グループホールディングス、近畿日本鉄道、近鉄・都ホテルズ、きんえいは1円単位、KNT-CTホールディングスと近畿日本ツーリスト、クラブツーリズム、近鉄百貨店、奈良交通は千円単位です。平均勤続年数も、近鉄グループホールディングス、近畿日本鉄道、KNT-CTホールディングスなどは、出向してきた社員の出向元での年数を通算しています。通算しない数え方の会社と比べると、勤続年数は長めに出ます。

近鉄の子会社を比べる4つのポイント

近鉄の子会社を比べる4つのポイントを示した図(議決権割合・年齢と勤続・女性管理職・男性の育休)

近鉄グループホールディングスの子会社は、平均年収のほかに、報告書で確かめられる次の4つのポイントで比べられます。3つ目と4つ目は、近鉄グループホールディングスの報告書に連結子会社34社の数字が並んでいます。

  1. 議決権の所有割合
  2. 平均年齢と平均勤続年数
  3. 女性管理職の割合
  4. 男性の育児休業取得率

議決権の所有割合

議決権の所有割合を見ると、近鉄グループホールディングスがその会社をどこまで持っているかが分かります。近畿日本鉄道、近鉄不動産、近鉄エクスプレス、近鉄・都ホテルズは、議決権の100.0%を近鉄グループホールディングスが直接持つ会社です。上場している3社は、近鉄百貨店が69.4%、KNT-CTホールディングスが67.0%、きんえいが63.0%で、ほかの株主もいます。

この割合には、子会社を通じて持つ間接所有の分と、退職給付信託に出した株式の分が入っています。きんえいの63.0%のうち57.0%は間接所有で、近畿日本鉄道が退職給付信託の分として46.6%を持っています。100%子会社の数字は主に親会社の報告書で確かめることになりますが、上場子会社は自社の報告書で事業や従業員の数字を詳しく確かめられます。

平均年齢と平均勤続年数

平均年齢と平均勤続年数は8社で大きく違い、最も若いクラブツーリズムと最も高いきんえいでは13歳近く離れています。8社の数字は次のとおりです。

  • KNT-CTホールディングス:43.5歳、18.0年
  • 近畿日本鉄道:45.8歳、23.2年
  • きんえい:50.7歳、14.3年
  • 奈良交通:50.6歳、16.5年
  • 近畿日本ツーリスト:41.4歳、17.9年
  • クラブツーリズム:37.8歳、12.7年
  • 近鉄・都ホテルズ:40.2歳、10.3年
  • 近鉄百貨店:46.9歳、22.2年

クラブツーリズムは8社で最も若い37.8歳ですが、平均年間給与は46.9歳の近鉄百貨店より27万円ほど高くなっています。奈良交通ときんえいは平均年齢が50歳を超えています。平均年間給与は社員の年齢と勤続年数の構成で変わるので、平均の差がそのまま同じ年齢での給与の差になるとは限りません。

女性管理職の割合

管理職に占める女性の割合は、近鉄グループホールディングス単体が10.0%です。表に載る連結子会社では、近鉄トレーディングサービスの66.7%が最も高く、クラブツーリズムの27.8%、KBCの26.5%、近鉄情報システムの25.0%、近畿日本ツーリストの22.5%が続きます。

近鉄エクスプレスは14.9%、近鉄・都ホテルズは14.5%、近鉄百貨店は12.6%です。近畿日本鉄道は7.1%、奈良交通は3.1%でした。近畿日本鉄道は宿泊を伴う勤務が中心で、1999年まで女性の深夜業が原則禁止されていたため女性の採用が少なく、これが女性の平均年齢が男性より低い主な理由になっています。

男性の育児休業取得率

男性の育児休業取得率は、近鉄グループホールディングス単体が92.3%、近畿日本鉄道が95.4%です。近鉄エクスプレスは79.3%、近鉄バスと近鉄百貨店は75.0%、奈良交通は61.5%、近鉄・都ホテルズは37.5%でした。

この率は、会社によって計算の方法が違います。近鉄リテーリングの112.5%、クラブツーリズムの110.0%、近畿日本ツーリストの100.0%、近商ストアの80.0%は、育児休業に加えて育児を目的とした休暇を取った人も数える方法で出した数字です。育児休業だけを数える会社と比べるときは、表の「取得率の計算方法」の欄で同じ方法かを確かめましょう。

公開資料で近鉄の子会社を確かめる手順

近鉄グループホールディングス子会社ランキングについて公開されている情報を確かめている場面のイラスト

近鉄グループの子会社を自分で調べるときは、近鉄グループホールディングスの有価証券報告書、子会社自身の報告書、子会社の公式サイトの順に開きます。

STEP1

金融庁のEDINETで「近鉄グループホールディングス」の有価証券報告書を開きます。「関係会社の状況」で議決権の所有割合と自社で報告書を出す子会社を、「従業員の状況等」で近畿日本鉄道と近鉄・都ホテルズの平均年間給与、連結子会社34社の女性管理職の割合などを確かめます。

STEP2

同じEDINETで、KNT-CTホールディングス、近鉄百貨店、奈良交通、きんえいの有価証券報告書を開き、「従業員の状況」で単体の平均年間給与と平均年齢を確かめます。旅行会社を志望するなら、KNT-CTホールディングスの報告書で近畿日本ツーリストとクラブツーリズムの数字も見られます。

STEP3

近鉄グループのリンク集から志望する会社の公式サイトを開き、会社概要や採用情報を確かめます。報告書を出していない会社は、厚生労働省の職場情報総合サイト「しょくばらぼ」で社名を検索すると、働き方の数字が分かる場合があります。

報告書の中で従業員の状況が載る場所

「従業員の状況」が報告書のどこに載るかは、決算日で変わります。2026年3月31日以後に終わる事業年度の報告書では、「第1 企業の概況」から「第4 提出会社の状況」の「5 従業員の状況等」に移りました。

近鉄グループホールディングス、KNT-CTホールディングス、奈良交通の報告書は「第4」に、決算日が3月31日より前の近鉄百貨店ときんえいの報告書は「第1」の「5 従業員の状況」に載っています。同じ項目が見つからないときは、報告書の目次で「第1」と「第4」の両方を探してください。

近鉄グループの子会社に関するよくある質問

近鉄グループホールディングスの子会社は何社ありますか

2026年3月期の有価証券報告書では、子会社が237社、関連会社が15社です。子会社のうち198社が連結子会社で、残る39社は小規模なため連結の範囲から除かれた非連結子会社です。関連会社15社のうち8社には持分法を適用しています。

上場している子会社はありますか

近鉄グループホールディングスの報告書で有価証券報告書を出す子会社として挙がる4社のうち、近鉄百貨店、KNT-CTホールディングス、きんえいの3社が東京証券取引所スタンダード市場に上場しています。奈良交通は上場していませんが、有価証券報告書を出しているため、平均年間給与などを確かめられます。

近鉄エクスプレスの平均年収は分かりますか

2026年3月期の有価証券報告書では分かりません。近鉄エクスプレスは自社で報告書を出す会社に入っておらず、持株会社の報告書に平均年間給与が載る会社にも当たらないためです。近鉄グループホールディングスは2022年7月に公開買付けで近鉄エクスプレスを連結子会社にし、同じ年に完全子会社にしました。

近畿車輛や三重交通グループホールディングスは近鉄の子会社ですか

どちらも子会社ではなく、持分法を適用する関連会社です。近鉄グループホールディングスが持つ議決権は、近畿車輛が44.6%、三重交通グループホールディングスが38.8%です。近鉄グループのリンク集には、この2社や、同じく持分法を適用する関連会社で議決権の15.0%を持つ大日本土木も載っています。リンク集に名前がある会社が子会社とは限らないので、報告書の「関係会社の状況」で区分を確かめましょう。

年収の数字は誰の平均かを確かめて比べよう

近鉄グループで平均年間給与が分かる子会社8社を並べると、KNT-CTホールディングスの654万8千円が1位で、近畿日本鉄道の640万5,420円、きんえいの593万1,942円が続きます。持株会社の近鉄グループホールディングスの822万8,945円は管理部門の264人の平均で、グループで働く44,759人の水準ではありません。

年収の次に比べたいのは、議決権の所有割合、平均年齢と勤続年数、女性管理職の割合、男性の育児休業取得率です。志望する子会社が決まったら、その数字が何人の、いつ時点の、どの数え方の平均かを報告書で確かめてから比べてください。

この記事の調査・執筆

就活キャリア研究所編集部

就活キャリア研究所編集部

就活キャリア研究所編集部は、就職・転職活動に役立つ企業情報やキャリアに関する情報を調査・発信する編集チームです。
企業の公式サイトや採用ページ、公開資料などをもとに、事業内容・年収・福利厚生・働く環境・口コミ・評判などを幅広く調査しています。
また、自己分析や面接対策、キャリア形成に関する情報も発信し、就活生や転職希望者が自分に合った企業・仕事を見つけられるよう、正確性と客観性を重視した記事制作に取り組んでいます。

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